案内ロボットが「いらっしゃいませ!」 JR秋葉原駅に〝ちょっとミライ〟を体験できるエキナカショップ(東京都千代田区)

JR東日本グループで、鉄道と同じくらいのペースで発信されるのが流通系のニュース。山手、京浜東北、総武緩行のJR3線が接続するJR秋葉原駅構内には2025年4月7日、新しいエキナカショップ「エキュート秋葉原」がオープンした。
「アニメやオタク文化の聖地」とも称されるアキバの玄関口らしく、キャッチフレーズは「より手軽に、ちょっとミライのショッピングを体験できる商業ゾーン」。エキュートで初めて、オールキャッシュレス化を実現するなど数多くの新機軸を導入した。
エキュート秋葉原を開業したのは、エキナカショップを展開するJR東日本クロスステーション。ルーツは駅売店を運営していた東日本キヨスクで、JR東日本のグループ再編で、JR東日本フーズ、鉄道会館などを吸収合併。2021年4月に社名変更して発足した。
社内カンパニー・デベロップカンパニーが手掛ける、エキナカのエキュートは2005年の大宮と品川が第1号。エキュート秋葉原は、駅1階中央改札と電気街改札の間のコンコース約900平方メートルのスペースを開発した。テナントは全部で24店舗。

ちょっとミライのシンボルが、入り口で出迎える接客・案内ロボット「ugo pro(ユーゴ・プロ)」。役割は「エンタメキャスト」で、呼び込みのほか来店客とユーモアを交えて会話する。東京に本社を置く、業務用ロボットのスタートアップ(ベンチャー)企業・ugoが開発した。
テナントも充実。デイリーユースの総菜、パンといった6店舗がそろうフードエリアには、複数店舗の商品をまとめて決済(支払い)できる集中セルフレジを8台導入した。鉄道駅定番のスイーツ・弁当ゾーンには、おむすび店、和菓子店、そば店などが並ぶ。
いかにもアキバ系らしいショップが、「TOPPA!!!BASE AKIBA(トッパベースアキバ)。アニメ、ゲームなどとコラボした店舗が期間限定でお目見えする。
運営面では、従来のエキナカショップに比べ、ほぼ半数のスタッフで運営。全24店舗のうち20店舗が多機能セルフレジを採用した。
多機能レジを開発・展開するのは、JR東日本生まれのスタートアップ・TOUCH TO GO(タッチ・トゥ・ゴー=TTG)。27台のセルフレジはTTG最大規模という。TTGからは、「JR西日本グループとの連携で、東海道線摂津富田駅に無人店舗開業(2025年3月6日)」、「ネクスコ東日本との協業で東北自動車道蓮田サービスエリアに無人店舗(埼玉県蓮田市、同3月27日)といったニュースが発信される。
仮想空間に「エキュート秋葉原」
エキュート秋葉原絡みで始まった、ちょっとミライ体験をもう一題。JR東日本クロスステーションはインターネット上の仮想空間にショップを再現した「パラレルエキュート秋葉原」を開設した。
3D画像で館内を自由にウィンドショッピングできる。AI(人工知能)を駆使した案内で、アキバの新しい商業施設の魅力を発信。リアルなシーンでの来店をうながす。
スマートフォンやパソコンからのアクセスが可能。仮想空間で気になる店舗に近付くと、AIコンシェルジュがおすすめ商品を案内する。リアル店舗のエンタメスタッフに代わる、パラレルキューとのキャラクターは「エキュートのリス」が務める。
チャット形式のAIコンシェルジュは、エキュートPRのほか、多言語で案内。クーポンも配信してくれる。
記事:上里夏生
記事提供元:鉄道チャンネル
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。