宿泊以外にも食事にアルコール、温泉、スポーツ施設、ヨガまで追加料金なし!! 全国で増加中! 「オールインクルーシブホテル」の欲張りな楽しみ方
「海のお風呂」をはじめ、温泉も充実!!
最近よく聞く「オールインクルーシブホテル」ってどんな感じ? なんで増えてるの? そもそも、ほんとにお得なの? 航空・旅行アナリストの鳥海高太朗(とりうみ・こうたろう)氏に聞いてみた! さらに、島海氏厳選のオススメオールインクルーシブホテルもご紹介!
* * *
■旅行スタイルの変化に対応した新形態円安に伴うインバウンド観光客の急増、海外旅行費用の高騰による日本人の国内旅行回帰で、日本各地のホテルや旅館は空前の活況だ。
その一方、ホテルや旅館のサービスに変革が起こりつつあることをご存じだろうか。それは「オールインクルーシブ制」を採用するホテルや旅館の増加だ。
オールインクルーシブを直訳すると「すべてを含む」という意味。つまりオールインクルーシブのホテルや旅館(以下、オールインクルーシブ)では、夕朝食の食べ放題、アルコール、各種のアクティビティやアトラクションなども基本的に宿泊料金に含まれる形で提供され、滞在中は文字どおり〝お財布いらず〟で過ごすことが可能なのだ。
このオールインクルーシブの増加を、航空・旅行アナリストの鳥海高太朗氏は、次のように分析する。
「まず挙げられるのが、旅行のスタイルの変化です。国内旅行ではこれまで、ホテルや旅館で食事を取ることが一般的でしたが、昨今は宿泊と食事を切り離し、宿泊施設以外で食事を楽しむ『泊食分離』を選ぶ人が増えています。
またコロナ禍以降は、収益の柱のひとつであるバンケット(宴会)需要も低迷続き。そのため、宿泊施設の飲食部門の稼働率が下がっています。
そして人手不足は、宿泊業でも深刻化しています。たとえ高級な宿泊施設であっても、これまでのような食事の部屋出しはもちろん、オーダー制のレストランでアラカルトメニューに対応するのは人手の面で苦しくなっているのです。
こうした課題を解決するための策が、オールインクルーシブです。オールインクルーシブは、手頃な料金で飲食込みというお得感を打ち出して利用客の泊食分離に歯止めをかけ、売り上げ増とレストラン稼働増を実現し、ビュッフェ制で利用客対応を省人化する、一挙両得の仕組みなのです」
■滞在中は最大限に欲張るべし!そしてもちろん、オールインクルーシブは利用客にとってもメリットがあるという。
「ビュッフェや食べ放題というと、『安かろう悪かろう』というイメージを抱く人もいるかもしれません。しかし昨今、オールインクルーシブに転換したホテルや旅館では、十分に満足できるお料理の質、種類、量をそろえています。
またアルコールも、ビールや酎ハイだけでなく、バラエティに富んだ日本酒やワインが楽しめるところ、さらには持ち込み可能なところもあります。
シニア層や女子会などのグループ旅行でも、飲食を含め支払う料金があらかじめわかっているので安心ですし、お子さん連れでもお料理にバリエーションがあり、満足できると思います」
では、こうしたオールインクルーシブでは、どう過ごすのがオススメだろうか?
「パターゴルフやカラオケ、星空観察、スパなど、『こんなものまで無料なの!?』というところもあります。つまりオールインクルーシブを利用する際は、滞在時間をできるだけ長く取ることが楽しむポイントになるでしょう。
チェックイン当日は観光をそこそこに切り上げ、できるだけ早めにチェックインし、アトラクションを楽しんだり、早めのアルコールで喉を潤すなどして夕食までの時間を過ごしましょう。
お酒好きの人は夕食のアルコールを遠慮なくいただき、好きな時間にお風呂に漬かる、ラウンジで大人の時間を楽しむなど、無料のサービスをとことん使いながら、ゆったりしてみてはいかがでしょうか。
翌日は朝食のビュッフェでおなかを満たした後、10時や11時のチェックアウトまでのんびり過ごすといいでしょう。そういった『用意されたサービスを〝欲張って〟楽しむ』というスタイルこそが、オールインクルーシブにフィットするのではないかと思います」
鳥海氏はもうひとつ、見逃せないメリットも指摘する。
「現在、日本のオールインクルーシブは外国人観光客にはわかりづらいようで、一般のホテルや旅館に比べ海外からの宿泊客が少ないです。混雑を避けて旅を楽しみたい人にはオススメです」
オールインクルーシブを思い切り楽しめるのは、インバウンドの目がまだ届いていない、今のうちかも!?
■【厳選オススメホテル1】焼津グランドホテル(静岡)
絶景とウエルカムドリンクを堪能!!
《基本情報》
「だれもが自由気ままに過ごせる」とうたうリゾートホテル。目の前は駿河湾、そして日本平越しに富士山を仰ぐ絶景のロケーションは、リゾート気分を盛り上げてくれる。
館内2ヵ所のラウンジでは、チェックイン時刻前の14時からアルコールを提供、早めに到着しても存分なホスピタリティが受けられる。
ビュッフェスタイルの夕食では、3つの港を持つ焼津ならではの新鮮な魚介をふんだんに提供。生ビールやスパークリングワインのほか、静岡の地酒や焼酎とのマリアージュも魅力的。
《主なオールインクルーシブメニュー》
夕食時フリードリンク(生ビール、地酒、焼酎など)/ラウンジ(アルコールあり)/温泉/足湯/御抹茶体験/バスケットボール(3×3)/テニス/パターゴルフ/ヨガ体験など。
「海のお風呂」をはじめ、温泉も充実!!
焼津ならではの本場の海鮮!!
バスケやテニスも無料で楽しめる!!
《モデル宿泊料金(2人1室の1人分、夕朝食込み)》
2万6200円~(5月の平日)/3万3400円~(GW以外の5月の土曜日) ※このほか、入湯税150円/1人
《所在地》
〒425-0012 静岡県焼津市浜当目1489
《TEL》
054-627-1121
《HP》
https://www.sn-hotels.com/ygh/
部屋はすべてオーシャンビュー!!
《基本情報》
温泉、館内施設やお部屋、お料理など、すべてにおいて高い満足度を提供する温泉リゾートホテル。「ゆったりと、たおやかに。」をコンセプトに、日常を離れリラックスして過ごしてもらえるよう、オールインクルーシブを採用する。
部屋はすべてオーシャンビューで、開放感たっぷり。ライブ感あふれるビュッフェレストラン、インフィニティ温泉、生演奏のあるラウンジ、館内を飾るアートなど、さまざまなおもてなしが来訪客の心をときめかせ、"特別な日"を演出してくれる。
《主なオールインクルーシブメニュー》
夕食時フリードリンク(生ビール、地ビール、ワインなど)/ラウンジ(アルコールあり)/夜食サービス/湯上りラウンジ/卓球/ダーツ/星空テラス。
海と一体の「インフィニティ温泉」!!
湯上りには生ビールも!!
ライブ感あふれるレストラン!!
《モデル宿泊料金(2人1室の1人分、夕朝食込み)》
2万500円~(5月の平日)/2万9000円~(GW以外の5月の土曜日) ※このほか、入湯税150円/1人
《所在地》
〒517-0025 三重県鳥羽市浦村町白浜1826-1
《TEL》
050-3615-3456
《HP》
https://www.ooedoonsen.jp/taoya-shima/
心躍る豊富なアクティビティ!!
《基本情報》
大人から子供まで、たくさんの楽しい思い出がつくれる高原リゾートホテル。オールインクルーシブには「ヤギさん親子お散歩体験」「たき火で焼きマシュマロ」「窯焼きウエルカムピザ」など、特徴あるアクティビティを用意。
夕食は肉と魚のダブルメインのフレンチのコース料理。たき火を囲み手作りの燻製が味わえる「星見テラス」、くつろぎの夜を過ごす「ナイトバー」など、高原の心地よい宵を存分に楽しめる。朝食はメインプレートと、食べ放題のサラダやフルーツとなる。
《主なオールインクルーシブメニュー》
夕食時フリードリンク(約50種類のアルコール類など)/ナイトバー(アルコールあり)/大浴場/露天風呂/湯上がり処/ヤギさん親子お散歩体験/たき火で焼きマシュマロ/窯焼きウエルカムピザ/星見テラス。
夕方に振る舞われる「ウエルカムピザ」!!
ヤギと触れ合えるお散歩体験!!
お酒も充実の「ナイトバー」
《モデル宿泊料金(2人1室の1人分、夕朝食込み)》
1万9000円~(5月の平日)/3万円~(GW以外の5月の土曜日) ※このほか、入湯税150円/1人
《所在地》
〒408-0044 山梨県北杜市小淵沢町上の原3989-1
《TEL》
0551-36-6414
《HP》
https://hotel-fuuka.jp/
●鳥海高太朗(とりうみ・こうたろう)
1978年生まれ、千葉県出身。食品会社勤務、城西国際大学観光学部助手を経て、2013年から帝京大学理工学部航空宇宙工学科非常勤講師。航空会社のマーケティング戦略を主研究に、各航空会社への取材およびリサーチを精力的に行なう。経済誌やトレンド誌などでの執筆に加え、テレビ・ラジオへの出演も多数
取材・文/植村祐介
記事提供元:週プレNEWS
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。