凱旋・竹田麗央から目が離せない! 米ツアー組vs初優勝組…という展開にも期待?【大西翔太のSHOWTIME】
<富士フイルム・スタジオアリス女子オープン 初日◇11日◇石坂ゴルフ倶楽部(埼玉県)◇6585ヤード・パー72>
国内女子ツアーは今季5試合目を迎える。舞台は埼玉県。最注目は3月に中国で行われた米国女子ツアー「ブルーベイLPGA」を制し、ここが凱旋試合となる竹田麗央だろう。昨季の日本ツアー女王の“復帰戦”はどのような展開になるのか? 青木瀬令奈のコーチ兼キャディを務める大西翔太氏が、現地の状況も踏まえ占う。
■傾斜が今年イチ強いコース
2022年から埼玉の石坂ゴルフ倶楽部と、兵庫の花屋敷ゴルフ倶楽部 よかわコースを行き来している大会は、今年は2年連続の埼玉開催になった。昨年も出場した選手たちは、イメージも残っているはずだ。そんななか、37歳の穴井詩が優勝した先週の結果も踏まえ、大西氏は「30代の選手がキテますし、そういう勢いと流れというものは絶対にあります。若い選手とベテランの戦いという構図がさらに強まりそうですね」という雰囲気をコースで感じ取っている。
コースについては、こう解説する。「ドッグレッグやフェアウェイが狭くて曲げてはいけないホールがある。飛ばない選手でもチャンスがありますね」。また、グリーンについては「傾斜が今年一番強い」とも。「ポテトチップスのようにアンジュレーションは強い。ひとつのグリーンに対して面が4つあるような場所もあります。ピンと同じ面に打つのが重要になります」。ここをひとつのポイントに挙げる。
そんななか、やはり大西氏も竹田凱旋は気になる様子。「今季日本ツアー初。海外で優勝して、注目を集めるなか、どういうゴルフをするか。米ツアーのスタッツを見ても、非常に状態がいいのは伝わってくる。いい形で日本の試合を迎えるし、当然、優勝候補になります」。今季もパーオン率は79.04%で6位と上位。ポイントランキングでも8位につける実力は、やはり国内組にとって脅威になる。
■初優勝目指す選手にも期待!
“飛ばない選手でもチャンスがある”という言葉もあったが、竹田が飛んで曲がらないショットを連発すれば、グリーンへのショットの質の高さも相まって、やはり上位に顔を出してくるはず。これに加え、姉・明愛、妹・千怜の岩井姉妹も「見てるといい状態です」と目をひかれた。ここまで、米ツアー組がいる試合の優勝者は「ダイキンオーキッドレディス」の千怜、「Vポイント×SMBCレディス」の吉田優利と、国内組が勝てていない状況。ここでしっかりと意地を見せたい。
その対抗として真っ先に名前が挙がったのが、小祝さくら。開幕戦こそ予選落ちしたが、その後の3戦は10位、2位、12位と状態をきっちりと上げてきている。初日は日頃から仲がいい竹田と同組ということもあり、いいムードでスタートを切ることができる。
さらに注目したのが菅楓華と佐久間朱莉の、初優勝を狙う2人。菅は今季ここまで4戦連続でトップ10入り。いつ勝ってもおかしくない状況だ。そして佐久間は、昨年、この地元大会で阿部未悠に1打差で敗れ涙した。「リベンジしたいはずです。(2人とも)状態はめちゃくちゃいい」と、太鼓判を押す。さらに、藤田さいき、そして穴井というベテランも、引き続き気になる存在だ。
開幕前のグリーンは重く、硬くも軟らかくもない状況だという。ただ、「ここから硬くなっていくようです」という情報も、大西氏の耳には入ってきている。それを乱すのが、大会2日目に出されている雨予報。これが、どのように影響を及ぼすかで、結果も大きく変わってくると見ている。
「(グリーンが)このままの状態なら(優勝は)13~14アンダーは出る。ただ硬く速くなれば一桁になると思う。初日から飛ばさないと厳しいコースなので、攻めの姿勢は絶対に必要です。受けが強いグリーンばも多いので、ピンまでキャリーコントロールできる選手が上位に来るのは間違いないですね」。そして何よりも重要と説いたのが、「このコースを熟知していること」。事前の準備が、しっかり結果に反映することになる。
解説・大西翔太(おおにし・しょうた)/1992年6月20日生まれ。名門・水城高校ゴルフ部出身。2015年より青木瀬令奈のキャディ兼コーチを務める。16年にはキャディを務める傍らPGAティーチングプロ会員の資格を取得した。ゴルフをメジャースポーツへと日夜情熱を燃やしている。21年には澁澤莉絵留ともコーチ契約を結んだ。プロゴルファーの大西葵は実の妹。YouTube『大西翔太GOLF TV』も好評で、著書『軽く振ってきれいに飛ばす!! 飛距離アップの正解』が発売中。
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