ロウ・イエ監督最新作「未完成の映画」ビジュアル&予告編解禁
「天安門、恋人たち」のロウ・イエ監督最新作「未完成の映画」が5 月2 日(金)よりアップリンク吉祥寺、角川シネマ有楽町、池袋シネマ・ロサ、シネクイントほか全国順次公開。ポスタービジュアルと予告編が解禁した。
本作は、ドキュメンタリーと劇映画の要素を融合させたフェイクドキュメンタリーという形式に加え、コロナ禍で実際に撮影されたスマホ映像を織り交ぜることで、虚実が多層的に交錯する映画となっている。
予告編の冒頭では、未完のクィア映画を完成させるため集結したスタッフの姿が映し出される。主演のジャン・チェン役(チン・ハオ)は、完成しても中国では公開されることのない映画の再開に『公開できないのに誰のために?』と戸惑いを隠せない様子。しかし、『いま映画を完成させる』ことへの監督の情熱に後押しされ、承諾する。無事映画制作は開始されるが、再開からまもなくして、未知のウィルスに関する不確かな情報の中、スタッフの間では『感染しないか心配だ』と不安が募っていく。そしてホテルはロックダウンされる。隔離された閉塞的なホテルの中では、孤独に立ち向かい「いま」を楽しむスタッフの様子が、自由と解放を感じさせるコロナ禍に中国で流行った楽曲にのせスマートホンの印象的な縦型動画とともに次々と映し出される。
Story
監督のシャオルイ(マオ・シャオルイ)は、10年前に中断されたクィア映画の撮影を再開するため、キャストとスタッフを集め説得する。そして2019年、10 年間電源が入っていなかったコンピューターを起動した。2020年1月、撮影がほぼ完了した矢先、新種のウイルス(コロナ)に関する噂が広まり始める。不穏な空気が漂う中、武漢から来たヘアメイクが帰宅を余儀なくされ、スタッフ達はスマホでニュースを追い続ける日々を送る。一方、シャオルイ監督は再び撮影を中断するかどうかの決断を迫られる。そんな中、一部のスタッフと俳優はホテルが封鎖される前の脱出に成功するものの、残ったスタッフはホテルの部屋に閉じ込められたまま、すべてのコミュニケーションがスマホの画面だけに制限される。そして武漢はロックダウンする。スタッフたちはビデオ通話を通じて連絡を取り合い、ホテルに閉じ込められたままの主演俳優のジャン・チェン(チン・ハオ)は、北京で1か月の赤ん坊と共に部屋に閉じ込められている妻サン・チー(チー・シー)を元気づけようと奮闘する。
「未完成の映画」
監督:ロウ・イエ
脚本:ロウ・イエ、マー・インリー
プロデューサー:マー・インリー、フィリップ・ボバー ラインプロデューサー:シュー・ラ 撮影監督:ヅォン・ジェン 編集:ティエン・ジアミン 制作会社: Yingfilms Pte. Ltd.、Essential Films、Cinema Inutile、ZDF/ARTE、Gold Rush Pictures、Teamfun International
出演:チン・ハオ、マオ・シャオルイ、チー・シー、ホアン・シュエン、リャン・ミン、チャン・ソンウェン、ヨウヨウ
2024年/シンガポール、ドイツ/中国語/107分/2K/カラー/5.1/1:1.85/日本語字幕:樋口裕子
英題:未完成の映画 配給・宣伝:アップリンク
© Essential Films & YingFilms Pte. Ltd.
ロウ・イエがコロナ禍の集団的トラウマを虚実入り乱れる手法で描く「未完成の映画」
記事提供元:キネマ旬報WEB
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