主力選手がこぞって米国参戦…勢力図に変化はあるのか 青木瀬令奈らの見解は?【女子開幕特集】
今年は、メルセデス・ランキング上位の選手たちが、こぞって米国女子ツアーへ主戦場を移した。その結果、国内女子ツアーはまさに群雄割拠の時代を迎えようとしている。今シーズン、誰がツアーの主導権を握るのか――。
昨年は竹田麗央の圧倒的な強さが光った一年だった。4月の初優勝から一気に8勝を挙げ、年間女王の座を獲得。まさにニューヒロインの誕生となった。さらに、日本で開催された米国女子ツアー「TOTOジャパンクラシック」でも優勝を果たし、今季から米国へ戦いの場を移している。
メルセデス・ランキング2位の山下美夢有(2022・2023年女王)も、米ツアーの予選会をトップ通過。さらに、同ランキング3位の岩井明愛、5位の岩井千怜も姉妹そろって予選会を突破し、多くの主力選手が米ツアーへ参戦することとなった。
“米参戦組”の昨年の勝利数を見てみると、竹田が8勝、山下が2勝、明愛と千怜がそれぞれ3勝。昨年行われた37試合のうち、4人だけで16勝を挙げており、勝率は約4割にのぼる。数字が示す通り、国内女子ツアーにおける竹田たちの影響力は絶大だった。
では、今年の国内勢の勢力図はどうなるのか。“米参戦組”を除いたランキング上位を見ると、トップに立つのは小祝さくら(4位)。2019年から毎年勝利を積み重ね、ランキング上位の常連として安定感を誇る。今年の女王争いにおいても最有力候補といえる。
2番手には、昨年ツアー初優勝を果たし、国内メジャーを含む年間3勝を挙げた桑木志帆(6位)。3番手には、勝利こそなかったものの何度も優勝争いを演じ、初優勝が間近とされる佐久間朱莉(8位)、年間3勝を挙げた川崎春花(9位)が続く。
年間トップ10の回数を見ると、1位に竹田(23回)、2位に山下(18回)とくるが、3位には桑木(17回)が食い込み、同順位に小祝(17回)も入った。5位に明愛(16回)、河本結(16回)が続く。川崎は36試合中10試合でトップ10入りし、複数回の勝利を挙げたが、安定性には課題が残った。
試合数が異なるため、トップ10入りの“率”で見ると、竹田と山下は驚異の70%超え。桑木と河本は約47%、小祝は50%と、高い安定感を維持している。こうしてデータを振り返ると、やはり“米参戦組”のレベルの高さが際立つ。
昨年は竹田、山下、岩井ツインズの強さが際立ったが、その他の選手たちは実力が拮抗しており、誰が勝ってもおかしくない状況。今年の国内女子ツアーは、まさに混戦模様となりそうだ。ツアーの広報活動を行う「JLPGAブライトナー」の青木瀬令奈、山内日菜子、蛭田みな美の3人にも見解を聞いた。
青木は、「チャンスも勝利数も増えるかなと思います。ただ、新人の選手も(レベルが)上がってきている。私自身、(昨年)スタッツの10項目で自己新記録でしたが、それでも優勝できなかった。全体のレベルが上がってきていると思うので、少ないチャンスをどれだけ生かせるか」。
山内が「(上位勢が)いないからチャンスと言われますが、全然そんなことない。みんなのレベルが上がっているのは間違いないので、その中でいかにチャンスをつかみ取れるかだと思う」と言えば、蛭田も「フィールドのレベルは変わらないと思うので、一打一打頑張るだけ」と、ツアー全体のレベルが底上げされているからこそ、上位勢不在でも簡単に勝利を手にすることはできないと考えている。
23年には9人、昨年は8人の初優勝者が誕生した。今年は竹田のような絶対女王が誕生するのか。それとも毎試合違う勝者が生まれる白熱の展開を見せるのか。開幕を前に期待が膨らむ。
<ゴルフ情報ALBA Net>
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