実態は高額商材だった!? 「応募条件は声をほめられた経験」の声優オーディションに人気YouTuberが潜入
2月27日、YouTuberの「えぼら」(登録者数8万人)が「【削除覚悟】広告でよく見る声優オーディションに潜入したら闇が深すぎたので全て暴露します…」と題した動画を投稿しました。
審査無料をうたう声優オーディション広告
えぼらはYouTubeの広告に対するツッコミ動画などを投稿している“ツッコミ系”YouTuberです。2020年までは「えぼラボ」(同31万人)というチャンネルで活動していましたが、体調不良のため活動継続が困難となり、他者にアカウントを譲渡。2022年に現在のチャンネルで活動を再開しました。
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今回は、声優オーディションの広告の実態を探るという企画です。取り上げるのは「応募条件は声をほめられた経験」というキャッチコピーが使われている広告で、スマホアプリ内でよく配信されているとのこと。
えぼらによると、異様なほど目にする機会が多いこと、AIイラストを使用していること、応募サイトの目立つ場所に会社名や代表者の記載がされていないことが怪しいポイントなのだとか。えぼらは「実はこのオーディション、合格すると多額の費用を請求されるらしいんですよ」と話します。
広告のページでは、「審査」が無料と強調されていますが、「プロジェクト参加」には費用がかかると小さな文字で書かれており、「重要事項に関する表示」のページには、販売価格として「最大90万2000円」という金額が記載されていました。
広告の声優オーディションに潜入
「おそらくこのオーディションって誰でも受かるんですよ」と推測したえぼらは、滑舌の悪い人でも合格できるかも併せて検証することに。そのため、過去にパーフェクトヒューマンを歌った動画で“滑舌が悪すぎる”と話題になったパペットヒューマンこと「そらぼん」(同1万人)と共にオーディションに挑みます。
オーディションは、オンラインの一次審査、対面での2次審査があり、2次審査を通過すると晴れて声優デビューとのこと。えぼらは応募時に担当者と電話した際、毎月6000人も応募があり、1次審査を突破できるのは15%しかいないと聞いたとのこと。「絶対嘘じゃん」と笑います。
1次審査は、5種類の台本から1つを選んで朗読し、LINEのボイスメッセージで送信する形式です。えぼらは、実際に自身とそらぼんが撮った音声を公開しましたが、そらぼんのほうは、前評判通りの滑舌の悪さでした。
オーディションを偽った高額商材だった
ところが審査の結果は、15%の難関を越え見事2人とも合格。無事2次の対面審査へ進むことになりました。
えぼらによると、会場には他に2名の応募者がおり、集団面接のような自己紹介で審査が始まったそう。2次審査ではプロからのフィードバックがある予定で、サイトに有名声優やプロデューサーの名前も書かれていたことから、楽しみにしていたというえぼら。ところが実際にはスーツを着た進行役の男性からフィードバックがあっただけで、しかもそこから1時間ほど延々と会社説明が続いたのだとか。
その中で「みなさんには2次審査に合格したら、あるプロジェクトに参加していただきます」と言われたとのこと。声優になるには「基盤づくりが大事」だとして、「その基盤を我々が提供させていただきます」と言われ、オリジナルキャラクターの制作、宣材写真の撮影、ボイスサンプルの収録、ボイストレーニングなど、合計90万円かかると説明されたそうです。
運営側は、これを全部受ければ晴れて声優デビューという認識の様子。会社が運営している漫画系チャンネルへの出演や仕事の斡旋などが提示されたそうですが、えぼらは「声優っぽいことができるだけ」と語ります。
えぼらは、オーディションに合格したように見せかけて、レッスン費や宣材写真の撮影費などで金銭を要求する「オーディション商法」に言及し、今回のオーディションも「ほぼほぼこれ」だと指摘します。えぼらは、広告でよく見かけたり、募集年齢が広すぎるのが怪しいオーディションの特徴だと指摘すると「『私でもなれるんじゃないかな』っていう気持ちに付け込んだビジネスなんでみなさん気をつけてください」と注意喚起しました。
2次審査の結果は、えぼら、そらぼん共に合格したとのこと。予想通り、滑舌が悪くても合格できるオーディションだったようです。えぼらは「この声優オーディション、オーディションを偽った高額商材でした」と結論づけています。
コメント欄では
純粋に夢に向かって頑張ってる人の心を踏みにじるような悪徳商法やねぇ…金払うだけ払わされて結局なんも得られないの悲しすぎるやろ…
知り合いが声優広告気になってたので、えぼらさんの動画見てやっと胸張って「やめとけぇ!」を言えます。
イラストレーターやってるけどイラスト界隈でもこういうのあるよね 一回応募しかけてた黒歴史ある
といった声が寄せられています。

記事提供元:YouTubeニュース | ユーチュラ
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