内なる最も深い恐怖が目覚めるイマジネーション・ホラー「SKINAMARINK/スキナマリンク」恐怖の幕開けを鮮烈に捉えた本編冒頭シーンを公開
『史上最も恐ろしい映画』『本能的な恐怖を思い出す』とネット上で賛否両論を呼び、多くのメディアが2023年のベストホラームービーに挙げた「SKINAMARINK/スキナマリンク」。“血も涙もない”といった声が続出し、北米中が阿鼻叫喚と化した本作が2月21日(金)より、ヒューマントラストシネマ渋谷・新宿シネマカリテ・池袋HUMAXシネマズほか全国公開する。
本作は、新鋭の映像作家としてキャリアを重ねるカイル・エドワード・ボールの長編監督デビュー作。制作費はわずか15,000ドルにもかかわらず、692館という異例の規模で北米公開され、最終興行収入は約200万ドルという数字を叩き出した。
カイル・エドワード・ボール監督は、『SNS上の口コミで成功した作品だと感じています。反響を目の当たりにした時は、奇妙で不思議な気持ちでした。ただ私のタトゥーを入れた人物を見た時に、恐怖を感じて嫌だと思ってしまったんです。ただ当時のパートナーから、“あなたの事を崇めているわけではなく、作品を気に入ってくれているんだからスゴイよ!”と言われて、納得した経験を思い出しました』と、作品が持つ影響力に驚嘆した公開当時の心境をふり返っている。
〈コメント〉
こがけん(芸人)
オーマイガー!不穏がスクリーンいっぱいに充満している!
これは解決や安堵から遠く隔たれたリアルな悪夢。何者かの声に導かれては選択を迫られる展開が、懐かしのホラーサウンドノベルを彷彿とさせる。
どこまでも続く暗闇。
最も根源的な恐怖体験がここに。
近藤亮太(映画監督)
くらいのはこわい。
自分の中の「4歳の自分」が怯えだす、もっとも原初的な恐怖感情に、徹底的に訴えかける永遠のような100分間。
ホラー映画はここまできたのだ。
大森時生(テレビ東京 プロデューサー)
『SKINAMARINK/スキナマリンク』は強制的に私たちの記憶に侵入し、たっぷりと時間をかけて延々と逆撫でしてくる。そこに隠場はない。そして夜眠ろうと目を瞑ったとき、続きが始まる
Chilla’s Art(ホラーゲームクリエイター)
コンセプトがよかったです。
子どもの頃の怖かった記憶が蘇り、幼少期にお留守番の経験がある人により刺さる作品だと思いました。
木澤佐登志(文筆家)
観終わってもなお、あの深い闇が脳の一角を侵食し、占拠する──。リミナルスペースやバックルームの意匠を取り入れた、もっとも新しいと同時にもっとも根源的な恐怖【ルビ:ホラー】の形がここにある
小林雅明(シネフィリア)
とにかく映画史上最多?の頻度で、室内の壁と天井を捉えたショットが出てくる。ホラー映画なら、悪魔憑きがその上を床の上の如く動き回るけれど、幼い姉と「ホーム・アローン」状態の4歳児ケヴィンには何かが見えるのか、我々観客としても思わず身を乗り出してしまう。しかし、本当に暗くてよく見えない。さらに凝視。そのうち我々は自分がもはや映画館の中にさえいないことに気づかされる。ここはどこだ !
野水伊織(映画感想屋声優)
子どもの頃、夜更けにふと目を覚ましたら家に誰も居なかったことを覚えている。
母の名を呼んでも泣いても、しんとした部屋にたった一人。
無限にも思える時間の中、パレイドリア効果で部屋中に浮かぶ無数の顔たちに見つめられるあの心細さを、まさかもう一度味わうことになるなんて。
ミミカ・モーフ(ホラー映画紹介Vtuber)
これこそ無間地獄
悪い夢の様な映像
観れば観るほど不安になる
嫌な事ばかり想像してしまう
そしてその暗闇はだんだんとその正体を形作り
我々の想像すら超えて襲い来る
想像力豊かな方はご注意ください
Story
真夜中に目が覚めた二人の子供、ケヴィンとケイリーは、家族の姿と家の窓やドアがすべて消えていることに気づく。取り残された二人は、歪んだ時間と空間に混乱しながら、暗闇に潜む蠢く影と悪夢のような恐ろしい光景に飲み込まれていく──。
「SKINAMARINK/スキナマリンク」
監督・脚本:カイル・エドワード・ボール
出演:ルーカス・ポール、ダリ・ローズ・テトロー
2022年/カナダ/英語/100分/シネマスコープ/カラー/5.1ch/原題:SKINAMARINK/日本語字幕:高橋彩/配給:ショウゲート/G
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記事提供元:キネマ旬報WEB
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