指名手配犯・桐島聡の軌跡を梶原阿貴(脚本)×高橋伴明(監督)で描く「「桐島です」」
1970年代に〈東アジア反日武装戦線〉のメンバーとして連続企業爆破事件に関わり、指名手配されて逃亡生活を続け、2024年に神奈川県の病院で本名を名乗り出た後に死亡した桐島聡容疑者。その軌跡を「夜明けまでバス停で」の脚本家・梶原阿貴と高橋伴明監督のコンビが描いた「「桐島です」」が、7月4日(金)より新宿武蔵野館などで公開される。ティザービジュアルと高橋伴明監督のコメントが到着した。
高度経済成長の裏で社会不安が渦巻く1970年代。大学生の桐島聡は反日武装戦線に共鳴し、行動を共にする。しかし1974年、三菱重工爆破事件で多くの犠牲者を出し、深い葛藤を抱えることに。やがて警察の捜査によって組織は壊滅状態となり、指名手配された桐島は偽名を使って逃亡した末、工務店で住み込みの職を得る。ようやく手にした静かな生活の中、桐島はライブハウスで出会った歌手のキーナが歌う「時代遅れ」(河島英五の代表曲)に心を動かされ、相思相愛となるが……。
桐島聡役を「ケンとカズ」の毎熊克哉、さそり部隊のメンバーである宇賀神寿一役を「SR サイタマノラッパー」の奥野瑛太が務め(いずれも20代から70代まで演じる)、キーナ役で『バイプレイヤーズ』の北香那、謎の女役で高橋監督のパートナーである高橋惠子が出演。さらに「さすらいのボンボンキャンディ」の原田喧太と影山祐子がそれぞれバーの店主と工務店の事務員を演じ、甲本雅裕、山中聡、白川和子、下元史朗、趙珉和といった監督に縁の深い俳優陣も登場する。
制作に当たっては、桐島の盟友で現在も反権力闘争を続ける宇賀神寿一氏も取材協力した。また、医師の長尾和宏が製作総指揮を務め、「痛くない死に方」「夜明けまでバス停で」に続く高橋作品への参加を果たしている。
高橋伴明(監督・共同脚本)コメント
昨年(2024年)の2月に入ってすぐだったと思う。別件で会っていた(本作企画の)小宮女史から、突然「桐島撮らんといかんでしょ」という言葉が飛び出した。頭の中で白いガラス玉が砕けた。連赤映画(「光の雨」)のオトシマエをつけろーーと聞こえた。そう、あの時代を共に生きた我々にはその責任があるのだろう。直ぐに脚本の梶原に電話をした。案の定、すでに桐島のスクラップをつくっていた。ウソツキ部分はオレが責任を持つ。
「「桐島です」」
出演:毎熊克哉、奥野瑛太、北香那、原田喧太、山中聡、影山祐子、テイ龍進、嶺豪一、和田庵、伊藤佳範、宇乃徹、長村航希、海空、安藤瞳、咲耶、趙珉和、松本勝、秋庭賢二、佐藤寿保、ダーティ工藤、白川和子、下元史朗、甲本雅裕、高橋惠子
監督:高橋伴明
製作総指揮:長尾和宏 企画:小宮亜里 プロデューサー:高橋惠子、高橋伴明 脚本:梶原阿貴、高橋伴明 音楽:内田勘太郎 撮影監督:根岸憲一 照明:佐藤仁 録音:岩丸恒
美術:鈴木隆之 衣装:笹倉三佳 ヘアメイク:佐藤泰子 制作担当:柳内孝一 編集:佐藤崇 VFXスーパーバイザー:立石勝 助監督:野本史生 ラインプロデューサー:植野亮
製作:北の丸プロダクション 制作協力:ブロウアップ 配給:渋谷プロダクション
2025年/日本/カラー/アメリカンビスタ/5.1ch/日本語/105分
©北の丸プロダクション
公式サイト:kirishimadesu.com
記事提供元:キネマ旬報WEB
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