「好きなことを好きなだけやってほしい」 米国へ渡る娘・竹田麗央へ両親からの“エール”
今季の米国女子ツアー開幕戦となる、1月30日~2月2日の「ヒルトン・グランドバケーションズ トーナメント・オブ・チャンピオンズ」(米フロリダ州・レイクノナG&CC)では、昨年の日本ツアー年間女王・竹田麗央が新天地デビューを果たす。その挑戦を両親は、これまでと同様に温かい目で見守っていく。
熊本県でゴルフショップを経営する父・宜史さんは、娘から米国行きへの意思を告げられた時のことを思い出す。「相談というよりは、いずれ行きたいと前々から言ってたけど、日本女子オープンに勝って、いつの間にか『Qシリーズ(予選会)を受けようかな』って」。これが決意表明。「もともと口数が多いタイプではないので、口に出したってことは決まっているんです」。父は娘の性格も考慮し、そう明かす。
昨年は年間8勝を挙げ、日本ツアーの年間女王を戴冠。「ソニー日本女子プロ選手権」、「日本女子オープン」とメジャーで2勝し、国内ツアーで5年間の複数年シードも手に入れた。さらに日本開催の米国女子ツアー「TOTO ジャパンクラシック」を制したことで、予選会を経ずにメンバー入りを果たすことに。大きな実りのある2024年だった。
「Qシリーズを受けたいってことは、もう(行くのは)決めたということ。そこからスケジュールや情報を調べて。あ、行く気満々なんだなと」(宜史さん)。おっとりとした雰囲気の竹田だが、芯の強さはさすが女王といったところ。小さい頃から大の負けず嫌いでもあり、「かけっこで一番になれないと、その場では感情に出さないけど、車や家で悔しそうにしていました」と、自身もプロゴルファーの母・哲子さんは昔を懐かしむ。
この気持ちが、飛躍につながった。「(昨年のKKT杯バンテリンレディスで)初優勝してから落ち着いてやってるなと感じていました。そこは変わった。ただ、あそこまで勝つとは想像できなかったですけどね」。父も驚く成長を遂げた一年を過ごし、今季から世界最高峰舞台で戦う。
そこには、これまでと同様に母が帯同。「どんな一年になるんだろう」と、これを想像することも難しい。すでに米国ツアーで戦っている選手の母親たちからも情報を集めるなどして、万全を期す。
一方、“留守を守る”父親は、「遠くなるけど、僕は日本ツアーでもたまに(会場に)行くくらいで、それが海外になるだけ。不安はあるけど、さびしさはないですよ」と、ちょっぴり照れ臭そうに話す。願いはひとつだけ。「好きなことを好きなだけやってほしいから、やるならそれに向けてしっかり準備して欲しい」ということだけだ。
取材の最後に両親は、「自分のゴルフで足りなかったら、また練習すればいい。目標があるからこそ、それに向けてやってもらいたい。結果は恐れずに」とエールを送った。21歳のプロゴルフ人生は来週いよいよ、第2幕を迎える。さらなる成長を続けるであろうその姿を、すぐ隣、そして遠く日本から見守っている人たちがいる。
<ゴルフ情報ALBA Net>
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