法政大学が学内のトイレに無料生理用品を設置 学生との協働プロジェクト
法政大学は、市ヶ谷・多摩・小金井の3キャンパスの女子トイレ・だれでもトイレに4月から、無料生理用品を設置した。「生理で苦しむ女性の現状を変えたい」という一人の学生の声からスタートした取り組み。大学と学生が協働して無料生理用品設置プロジェクトを立ち上げ、試行やアンケート調査などを経て実現した。
同大学は2016年に法政大学ダイバーシティ宣言、2018年に総長によるSDGsステイトメントを発表。SDGsの「誰一人取り残さない」という理念のもと、そのさまざまなゴールにアプローチすることに加えて、DEI(ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン、多様性・公平性・包括性)の実現のためにも、誰もが安心して過ごせる大学づくりを目指している。その取り組みの一環として、登校時の急な生理や手持ちの生理用品の不足などに不安を感じることなく、安心して大学生活を送ることができるよう、無料生理用品を設置した。
導入に先立ち、2024年10月から2025年3月にかけて、大学公認学生組織SASHとダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンセンター(DEIセンター)との連携企画として試行的に無料生理用品を設置。試行期間中に実施したアンケート調査では、延べ485件の回答が集まった。そのうち97.5%が無料生理用品の設置を希望するという結果だった。また、「突然生理がきて困った経験がある:97.5%」「生理によって学校生活に支障(遅刻・早退・欠席など)を来したことがある:68.7%」「生理用品は高いと感じる:76.1%」という結果から、生理による学校生活への影響や、貧困等の問題が浮かび上がった。
法政大は今回の取り組みについて、「単に生理用品を設置するだけではなく、学生と大学が協働して大学の環境を整える第一歩となった。SDGs、ダイバーシティ宣言の理念に基づき、誰もが安心して過ごせる環境を目指し、これからもさまざまな取り組みを推進していく」としている。
記事提供元:オーヴォ(OvO)
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。