全米女王の“クラブ観”、“スイング観”「かっこいいから入りました」 日本勢増加に何を思う?【笹生優花・開幕前インタビュー】
今季の米国女子ツアーは、来週30日からの「ヒルトン・グランドバケーションズ トーナメント・オブ・チャンピオンズ」(米フロリダ州・レイクノナG&CC)で開幕。過去2年間の優勝者しか出られない大会で、昨年2度目の「全米女子オープン」優勝を果たし、夏には日本代表としてパリ五輪にも出場した笹生優花もシーズン初戦を迎える。その開幕を前にALBA Netのインタビューに応じ、大目標として掲げる「世界一」への想いなどを語った。後編の今回はクラブ、スイング、そして米国で戦う日本勢について。(取材/構成・間宮輝憲)
◇
■笹生優花のクラブ観とは?
――クラブへのこだわりを教えてください
「まずは見た目。そして音。結局は自分が気に入ったら、というのが大事ですね」
――メーカーに細かく注文は出しますか
「う~ん、注文は…けっこうわがままです(笑)。キャロウェイさんにはお世話になっています」
――例えばアイアンを見ると4、5番が『APEX CB』、6~9番が『APEX MB』を使用していますが、その意図は
「今のセッティングにして、もう1年半くらいは経過してますが、替えた時からすぐにいい感触だなって思っていました。アイアンについては、MBは4、5番を打つのが自分としてはすごく難しくて、思った球が出なかったんです。そこはCBの方がイメージ通りの球が出たので、このようにしました」
――新シーズンへ向け、替えるものなどはありそうですか
「もともと、クラブを頻繁に替えるほうではないので、おそらく今季も同じものを使い続けると思います。今は何かを替えようなど考えてないですね」
■“スイング”の意識が芽生えたのは13歳頃
――笹生プロのスイングに憧れている人も多いのですが、その原点を教えてください
「子どものころ、“スイング”というものを意識したことはなかった。特にゴルフを始めたての頃は、ボールに当たって飛ぶのが楽しいだけで。だから最近のジュニアゴルファーを見ると、すごくスイングのことが分かっているし、『こんなスイングにしたい』と考える子も多くて感心してしまいます」
――今のスイングを作り上げるきっかけは
「こういうスイングがいいなと思いはじめたのは…何歳くらいだろう? 多分、13歳くらいだったと思います。(ローリー・)マキロイさんや、ヤニ(・ツェン)さんを見て、『こういうスイングがいい!』と思い始めたのは覚えています。最初は“かっこいい”から入りましたね。みんなはじめはモノマネからですよね」
――スイングを変えてみようと考えたことなどは
「スイングを変えるのは、すごく大変なこと。子どもの頃から10年やって、やっと今のスイングになったので、ここで変えようとすればまた10年はかかってしまう。そんなに変える必要もなかったですし、今のスイングをどれだけ良くするかを考えてきました。ここからまた10年かかると…選手生命が終わっちゃいますよね(笑)」
■日本勢増加は大歓迎
――今季は日本勢も増えますが、それについてはどのようにお考えでしょうか
「すごくいいことですよね。日本だけでなく、アジアからアメリカに行って、ツアー生活をしたいと思う選手が多いのは、ゴルフ界をみんなで盛り上げていけるのですごくいいことだと思います。夢を持って頑張っていこうという気持ちも世界中に伝わっていると思う。みんなで頑張りたいですね」
――2021年の全米女子オープンを制し米国に渡った当初、不安など感じたことは
「自分は子どもの時からアメリカに行っていたので、そこまで不安はなかったんです。アメリカへ行く不安よりも、ゴルフ以外のことで学ぶことが多かった。当時は20歳だったけど、自分でやらないといけないことも多かった。対処しないといけないことが多すぎて、不安を感じる暇もなかったです。でも、それもみんなやらないといけないこと。それで成長できたとも思っています」
――最後に2025年の目標を
「毎年同じですけど一番は大きなケガなくシーズンを終えること。しっかり体調面の管理をしながら戦えるようにしたいです。自分の体調管理が一番にできないとシーズンは長いし戦うことができない。やはりそこを第一に考えたい。そのうえで、去年より少しでも成長できるように頑張っていきたいです」
◇
色紙にしたためてもらった今季の目標も『Stay Healthy』(健康維持)。オープンウィーク明けに話を聞くと、よく「(空き週は)ずっと寝て過ごしてました」と話してきたが、それは“体が資本”という思いのあらわれでもある。今季もしっかりと自分の体調と向き合いながら、さらなる活躍に期待したいところだ。
<ゴルフ情報ALBA Net>
記事提供元:ゴルフ情報ALBA Net
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。