ノルウェーの森に暮らす家族の喪失と再生を追う。サンダンス映画祭で受賞「ただ、愛を選ぶこと」
ノルウェーの森に暮らす家族の喪失と再生を追いかけ、第40回サンダンス映画祭ワールドシネマ・ドキュメンタリー部門で審査員大賞(グランプリ)に輝いた「ただ、愛を選ぶこと」が、4月よりシネスイッチ銀座ほか全国で順次公開される。ポスタービジュアルが到着した。
金では買えない豊かさと自由を求め、森で自給自足の生活を送るペイン家。子どもたちは学校へ通うかわりに両親から学び、自然の恵みを浴びながら成長してきた。ところが一家の中心である母が病死し、状況は一変。唯一父と血の繋がらない長女は家を去り、父は実子3人とそれまでの暮らしを守ろうとするものの、家計や教育などさまざまな問題に直面する。初めての学校、なじみのない土地での新生活、そして何より最愛の母の不在──。悲しみと戸惑いの中で、遺された家族はそれぞれ何を思い、何を選ぶのか?
制作のきっかけは、ペイン家の母で写真家のマリアがインターネットで発信していたシンプルで愛にあふれた暮らしに、シルエ・エヴェンスモ・ヤコブセン監督が魅了され、ドキュメンタリー番組を企画したことだった。それが実現する前にマリアが亡くなるという悲劇に見舞われるも、ヤコブセン監督はマリアのメッセージをより多くの人に伝えたいとの思いから、ペイン家の父と子ども4人の撮影を開始。彼らが歩んでいく姿に、マリアが遺した詩的な文章と写真を織り交ぜ、現在と過去が緩やかに行き来するユニークな構成で映画に仕立て上げた。
「ただ、愛を選ぶこと」という邦題は、マリアの詩の一節「just simply choosing love」から採られている。また、ポスタービジュアルにはマリアが撮影した写真を使用。胸を打つ一家の物語に注目したい。
「ただ、愛を選ぶこと」
監督:シルエ・エヴェンスモ・ヤコブセン
出演:ニック・ペイン、ロンニャ、フレイア、ファルク、ウルヴ、マリア・グロース・ヴァトネ
2024年/ノルウェー/ノルウェー語・英語/84分/アメリカンビスタ/カラー/5.1ch
英題:A NEW KIND OF WILDERNESS 原題:Ukjent landskap
日本語字幕:クアーク亮子 字幕監修:青木順子
後援:ノルウェー大使館 配給:S・D・P 宣伝:マジックアワー
© A5 Film AS 2024
公式サイト:www.tadaai-movie.com
記事提供元:キネマ旬報WEB
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