45歳の中年男性が父を殺害 弟と死体遺棄 ブラックなユーモアで描く 「北浦兄弟」公開決定
辻野正樹監督作品「北浦兄弟」が2025年4月12日より劇場公開されることが決まった。
「北浦兄弟」は、45歳の中年男性である北浦ソウタと弟のアキラを主人公とした作品。美術教師だった父親(たかお鷹)の世話になりながら引きこもり気味の怠惰な生活を送っているソウタ(中野マサアキ)は、ふとしたきっかけで父親を殺害してしまう。疎遠だった弟アキラ(大塚ヒロタ)とともに、反発をしあいながらも父親の死を隠そうと事態を収拾すべく奮闘する。叔父(加藤満)や父親の恋人(山下容莉枝)を巻き込みながら、事態はどんどんと悪い方へと進んでいく。
監督を務めたのは、「河童の女」などで、人生がうまくいかない人々を独自の視点で捉えた作品を送り出してきた辻野正樹監督。80歳を過ぎた高齢の親が50代のひきこもりを養っている社会問題を下敷きに、コーエン兄弟やポン・ジュノ作品を思わせる、ブラックテイストでありながらもペーソスあふれる哀しい人間の思いを、ユーモアを交えて描いたロードムービーとして描き出した。主演は、「雨ニモマケズ」「ぴっぱらん!!」などの中野マサアキと、「茜色に焼かれる」などの大塚ヒロタが務めている。
中野マサアキらのコメントも公開された。コメントは以下の通り。
【コメント】
■中野マサアキ
大きな過ちをしでかしてしまった北浦ソウタという人間に幸運なんて訪れるわけはなく、どんどんドツボにハマっていく。当然の報いです。
それでもソウタという人間は根本は良いやつなんです。
そんなバカでどうしようもない不器用な彼を、僕くらいはどうにか救ってあげたいと思ってずっと演じていました。
多くの方にこの映画が届くことを楽しみにしております。
■大塚ヒロタ
「こんなはずじゃなかった」
振り返ればそんな事ばかり繰り返している自分に気づく。すぐスターになれると思っていたし、必死に舞台公演を打ち、お客様にも喜んでもらえたのに赤字だったり、定食屋のお米がべちょべちょだったり…
でもそれは人間なら皆等しく経験する事なのかも知れない。それでも「北浦兄弟」みたいなのは絶対にゴメンだ。
こんな「こんなはずじゃなかった」は…
■辻野正樹監督
とても面白い映画が出来たと思っています。全くもって好感のもてない二人の主人公が、愚かな行動を繰り返す物語です。でも、それこそが自分の描きたかった物語です。とても残酷な悲劇でありながら、バカバカしいコメディです。殺戮が描かれた映画ですが、なぜかちょっとだけホノボノする。そういう映画になったと思います。
この映画は、自分にとって特別な映画であるというだけでなく、多くの映画ファンにとって、特別な映画になり得る力を持っていると確信しています。
【作品情報】
北浦兄弟
2025年4月12日(土)よりユーロスペースほかロードショー
配給:GACHINKO Film
(C)「北浦兄弟」製作委員会
記事提供元:映画スクエア
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