品川駅のホーム地平化など 京急 新馬場駅~泉岳寺駅間の連続立体交差事業の2025年初めの進捗状況 広域品川圏で続く改良工事
前回に続き、広域品川圏で進められている開発事業などの、年末~2025年の年始にかけての様子をご紹介します。
京急の連続立体交差事業
品川駅周辺で行われている再開発・工事などで、進捗が目に見えてきたのが、京浜急行電鉄本線の新馬場駅~泉岳寺駅間の連続立体交差事業です。2025年の年始の時点では、下写真の様に、高架の周囲に囲いが出来て、並行して走る国道15号線の車線変更などが行われています
京急本線では、新馬場駅~泉岳寺駅間の約1.7kmの区間の踏切を除却して踏切での交通渋滞を解消するため連続立体交差事業と、現在2階にあるホームを地上階に移す品川駅地平化事業が行われており、2029年度末までの完成を目指しています。
北品川駅手前区間は、高架化の作業が徐々に進んでいますが、目に見える仮高架などはまだ設置されていないようです。
仮杭の施工の後に、仮高架橋が上部に出来るようです。
京急・北品川駅周辺の2025年初頭の状況
北品川駅の周りは、色々な壁や柵などが設置されています。
北品川駅は、現在の駅の上部に高架ホームが作られた後、線路が移行される予定です。
少し品川駅側に進んで、八ツ山橋の不向きり前です。線路の向こう側・東側のビル前には、仮説の地盤が出来ていいるようです。
北品川から来た列車は、この八ツ山橋で、 現在の線路より高い高架上から、新品川駅の設置される地上レベルのホームまで一気に下に降りることになるため、かなりの急勾配になると思われますが、京急では「現在の泉岳寺駅から品川駅間より若干緩い勾配であり、車両の能力に問題はない」としています。
八ツ山橋りょうの進捗状況
国道15号線沿いを、更に品川駅側に進んでみましょう。大きなトラスが見えてきます。
これは「送り出し工法」という方法で実施される橋りょう工事に使用される、前方仮説トラス部分になります。
道路を反対側に渡って見てると、かなり長い仮説トラスだとお判りかと思います。
このJRの線路をまたぐという難工事となる八ツ山橋工区は、京急からJR東日本に委託されています。JR東日本によると、この部分は送り出し工法によるJR線上空へのトラス桁の架設に向けた準備を進めており、現在までに「前方仮設トラス」の組立と縦取り(浦賀方への小移動・下の②工程)が完了した段階のようです。
もう少し品川方面に移動をすると、白いトラスが組み立て始められているのが分かりますので、これが本設トラス(橋長約100m)の部分になるのでしょう。
今後は、更に本設トラスの組み立て工程が続くものと思われます。もう少し品川駅寄りに進むと京急の品川駅が見えます。
京急品川駅付近の工事進捗状況
京急品川駅は、まだあまり変化が無いように見えますが、駅の下レベルや京急とJRの間のスペースでは、ホームを地上レベルへ移設するための準備が進んでいます。まずは高架橋の仮設化とホーム階構築が順次行われることになり、いずれは現在のホームが1階地上レベルに移設されます。
品川駅から泉岳寺までの区間では、現状の下り線と2つの引上線が一旦東側に仮設として移行された後に、上下線・引上線が共に地上レベルへの移設が行われますので、京急線に乗った際に外を見てみると分かるかもしれません。その先は地下での工事になるため、その区間を列車で通過しても変更点を認識するのは難しいかもしれません。このように、徐々に京急の高架化・駅の改良事業は進んできているのが見えてきました。
下写真は、品川駅前から見た高輪口の様子です。京急品川駅はまだ目に見えてきてはいませんは、駅前にあったローターリー・タクシーの織場などは、全て無くなった状態になり、「品川駅街区地区」として新たに整備が行われる予定です。(少し長くなりましたので、この辺りの様子は別記事でまとめます)
上写真の横断歩道を品川駅高輪口方面に渡り西側みると、国道15号線越しに大きなリニア中央新幹線の看板が掲示されているのが分かります(下写真)、リニアの品川駅は、こちらとは反対側、駅の東側・港南口近くにある東海道新幹線の地下で建設が進んでいます。リニアの開業予定は2034年以降ということですので、実際に見られるようになるには、まだ時間がかかるのだと思います。
駅前の国道15号線の上空、2階部分には、大規模な歩行デッキの構築も予定されています。
また、この国道15号線の地下には東京メトロ南北線の品川新駅も設置される予定ですが、地下での工事になるのと、2030年半ばの完成と、何かしらが見えてくるのはまだ先になりそうです。
(図:京急電鉄・品川区)
今回は、新馬場~品川駅に至るルートを、京急の連続立体交差事業の様子などを中心にお伝えしました。
この品川駅の周辺では、京急とJR東日本が共同で進める駅の改良工事や、駅前の周辺でも多くの再開発事業が開始されていますので、別記事でお伝えしてます。
文・写真:鎌田啓吾
※この記事の写真は、2024年12月下旬~2025年1月初旬に撮影をしたものです。
(鉄道チャンネル)
記事提供元:鉄道チャンネル
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