筆者一番の宝物です【駅ぶら】06京王電鉄477 井の頭線108
※2024年4月撮影
トップ画像は2024年4月14日日曜日、井の頭公園池の西側。弁天様と噴水。
花の色が美しいので噴水ともう一枚。
※2024年4月撮影
角度を変えて弁天様と噴水。同じ様な写真ですみません。
※2024年4月撮影
弁天様の手前にある階段。学生時代、この上に時々行くギャラリーがありました。
※2024年4月撮影
ここからは個人の思い出話です。
1977年(昭和52年)年春にパリにオープンしたポンピドゥー・センター(Centre national d’art et de culture Georges Pompidou)の杮(こけら)落としは現代美術のスーパースターMarcel Duchampのフランスで初めての「回顧展」でした。筆者はデュシャンが大好きなので行きたかった・・・でも貧乏学生には交通費も出せません。
一方、フランス人のデュシャンを評価したのは、実はアメリカ人のアレンスバーグ夫妻でした。デュシャンの作品のほとんどを網羅する夫妻のコレクションは、フィラデルフィア美術館に寄贈され常設展示されています。
言い換えればフランスにデュシャンの作品はほとんど無いのです。
「回顧展」のためにフランス国立文化芸授センターが意地と気合いで作った4冊本のカタログレゾネ(Catalogue raisonn)がギャラリーに展示されていました。
1977年の晩秋から何度も訪れては涎を垂らしながらカタログを飽きず眺めている筆者を見て、老オーナーが半ば笑いながら「ポンピドゥー・センターにはオープン記念で行ったんだよ、個人的にはデュシャンが特に好きではないので、そんなにデュシャンが好きなら私が買った時の金額で譲るよ」と言ってくれたのです。
天にも昇る気持ちで筆者が銀行のキャッシュ・ディスペンサーに飛んで行ったことは言うまでもありません。それが現在でも筆者の宝物、フランス国立文化芸授センター制作“Marcel Duchamp Catalogue raisonn”です。いまだにこれがMarcel Duchampに関する最も浩瀚で正確なカタログです。日本国内で個人蔵はたぶん少ないと思われます。
※2024年4月撮影
ちなみにこちらがフィラデルフィア美術館に展示されているデュシャンの代表作「大ガラス」(La Mariée mise à nu par ses célibataires, même/彼女の独身者達によって裸にされた花嫁、さえも/1915-1921)。
※2004年3月撮影
大ガラスの裏側に立っているのはほぼ20年前の筆者です。一人で行ったので知らない観客に頼んで撮ってもらいました。仕事でニューヨークに行った時に、マジソンスクエアガーデン下の駅から鉄道でフィデルフィアに行きました。
デュシャンの話になると止めどが無くなってすみません。
井の頭公園の弁天様に戻ります。
※2024年4月撮影
弁天様境内へ石橋を渡ります。三鷹市教育委員会に拠れば手前の石灯籠は天保4年(1833年)のものです。石橋は、文化14年(1817)と弁天様には三鷹市指定文化財の古い石造物がたくさんあります。
※2024年4月撮影
たくさん参拝の方が並んでおられたので境内に入るのは遠慮しました。
※2024年4月撮影
天台宗井の頭弁財天のホームページには「日本では七福神のお仲間ということもあり神様と思われがちですが、弁財天や毘沙門天、大黒天などお名前に天が入るのは「天部」に属する仏教の仏さまであり、井の頭弁財天も神社ではなく寺院です。」と記されています。
池の脇に東京都教育委員会による「東京都指定史跡 井の頭池遺跡群」の案内があります。
※2024年4月撮影
弁天様からお坊様が行列して出てこられました。お経をあげに行かれるようです。
※2024年4月撮影
次回は弁天橋を渡ります。
(写真・文/住田至朗)
※駅構内などは京王電鉄さんの許可をいただいて撮影しています。
※鉄道撮影は鉄道会社と利用者・関係者等のご厚意で撮らせていただいているものです。ありがとうございます。
※参照資料
・『京王ハンドブック2022』(京王電鉄株式会社広報部/2022)
・京王グループホームページ「京王電鉄50年史」他
下記の2冊は主に古い写真など「時代の空気感」を参考にいたしました
・『京王電鉄昭和~平成の記録』(辻良樹/アルファベータブックス/2023)
・『京王線 井の頭線 街と駅の1世紀』(矢嶋秀一/アルファベータブックス/2016)
記事提供元:鉄道チャンネル
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