大学で磨かれた“心技体” 18歳・神谷桃歌がプロ入りへ絶好スタート
<JLPGA最終プロテスト 初日◇29日◇大洗ゴルフ倶楽部(茨城県)◇6602ヤード・パー72>
18歳の神谷桃歌は4バーディ・2ボギーの「70」と安定感を発揮し、2アンダーの首位タイと最高のスタートを切った。初受験の昨年は最終まで進んだものの、合格には2打及ばなかった。その後に進学した中京大の練習環境で腕を磨き、「日本女子学生」のタイトルを取っての再挑戦。成長した心技体でプロへの道を切り開く。
「ボギーを打つとイラッとしてしまう方だったんですけど、今はだいぶ落ち着いてプレーできるようになりました」。心技体の「心」を成長させたのは、昨年のプロテストの時点では始めたばかりだったメンタルトレーニング。「イラッとしてしまうのは感情だから仕方ないので、無理に抑えるのではなく、空を見たり、10秒ぐらい落ち着く時間を作って、そこからは切り替えるようにしています」。
今回の最終プロテストは難コース・大洗での開催とあって「ボギーはいくつか出るもの」と覚悟していたこともあり、初日は2つのボギーにも大きく心が乱れることはなかった。
「在学中はプロテストを受けちゃいけないという大学も多いんですけど、私が進学した中京大学は入学する時から『今年受けていいよ』と言ってくれました」。大学内に練習場があり「授業の空きコマの間に練習が出来たり、そのおかげでショット面で成長できたと思います」。整った練習環境が「技」を磨く助けになった。
神谷が在籍するのはスポーツ科学部競技スポーツ科学科。「体の作りだったり、いろんな勉強をしているんですけど、トレーニング基礎という科目があって、このトレーニングはこの部分に有効といった知識を得られる。それを自分のトレーニングに取り入れたりして、役に立っています」。前期は単位を1つ落としただけ。大学ではなかなかの優等生だ。学業にも真面目に取り組んだことで、「体」を鍛えるトレーニングの効率も良くなった。
これらに加えて、今年はパッティングにも力を入れてきた。後半の5番パー4では10メートルのロングパットを沈めてバーディ。2番でこの日最初のボギーを叩いたのに続き、3、4番でチャンスを逃がし「苦しい時間帯だったんですけど、そこで長いパットが入ってくれた。きょうの中でも特に良かったんじゃないかと思います」と会心のバーディを振り返った。
昨年のプロテストではトップ合格の清本美波、2位の馬場咲希ら、同い年の5人が一足先にプロの世界に飛び込んだ。2日目以降もこの1年の成長を証明するプレーで、彼女たちの後に続く。(文・田中宏治)
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