渡辺大知と人間国宝・桐竹勘十郎が共演した中尾広道監督作「道行き」、ジャパン・カッツで大林賞を受賞
PFFアワード2019グランプリ受賞作「おばけ」で知られる中尾広道監督が、第28回PFFプロデュース作品として渡辺大知および文楽人形遣いの人間国宝・桐竹勘十郎をキャストに迎えて撮り上げた「道行き」が、北米最大の日本映画祭〈ジャパン・カッツ〉のネクスト・ジェネレーション部門で最優秀作品賞にあたる大林賞を受賞した。日本では2026年2月に公開される。
大阪に暮らしていた駒井(渡辺大知)は、奈良県御所市の古民家を購入し、改修を進めている。そこへ家の所有者だった梅本(桐竹勘十郎)が顔を見せ、かつて町や家に流れていた時間について語り聞かせる。それは駒井に大切な風景を思い出させ、ふたりの中に旅の模様が広がっていくのだった──。
〈コメント〉
中尾広道監督
敬愛する大林監督の名を冠した賞をいただけて大変嬉しく思っております!
ジャパン・カッツ審査員
われわれ審査員は、中尾広道監督の「道行き」の独創的で大胆な映画づくりの視座を高く評価し、大林賞を授与することに決定しました。ドキュメンタリーとフィクション、過去と現在とその間に流れる時間、そして視覚と聴覚に働きかける要素など、さまざまなものを織り交ぜたこの作品は、確かな意図と思慮深さを持って、急速な人口減少で過疎化に瀕する日本の町を描いています。控えめな表現ながら、場所やコミュニティをめぐる時間概念や世代間の文化の継承というテーマが、強い印象を残しこの作品を貫いています。これらの点において、審査員は本作が映画として完成度の高い作品であると評価しました。

「道行き」
脚本・監督・編集:中尾広道
撮影:俵謙太 照明:福田裕佐 録音・整音:松野泉 美術:塩川節子 衣装:田口慧 ヘアメイク:根本佳枝 助監督:内田知樹 プロデューサー:天野真弓
出演:渡辺大知、桐竹勘十郎、細馬宏通、田村塁希、大塚まさじ
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記事提供元:キネマ旬報WEB
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