“堀琴音スタイル”で洋芝攻略? 木村彩子が3年ぶり2勝目へ「自分と芝の戦い」
<北海道meijiカップ 2日目◇9日◇札幌国際カントリークラブ 島松コース(北海道)◇6642ヤード・パー72>
木村彩子が2022年の「アース・モンダミンカップ」以来となるツアー2勝目に大きく近づいた。34位タイで迎えた第2ラウンドで、8バーディ・1ダブルボギーの「66」をマーク。首位と3打差のトータル6アンダー・3位タイで最終日に進む。
出だしの1番は苦しい展開だった。グリーン手前約40ヤードのバンカーから痛恨の“ホームラン”で、奥の林へ打ち込むミス。4オン2パットのダブルボギーとなったが、「なんとかダボで済んだ。どうなるかなと思ったけど、2番でチップインバーディが入ってからショットも良くなった」と、不安を払拭するとその後は7つのバーディを奪ってホールアウトした。
最大の“敵”は、北海道コース特有の洋芝だ。「すごく苦手。初日はなんとかパープレーだったので、予選を通れたらいいなぐらいの感じだった」。グリーンは小さく、「少しでも(ヘッドの)入りが悪いと飛ばない」とタテ距離の調整も難しい。今週は「自分と洋芝との戦い」がテーマだ。
攻略のヒントは同学年のスイングにあった。「堀琴音ちゃんみたいなトップは、2023年の全英(女子OP)から帰ってすぐに始めた。私は(クラブが)下から入りやすいので、トップの高さだけ常に意識しています。あとはリズムが速くならないように、トップで一度止まる素振りを入れました」。
全英では海外特有の芝に苦しんだが、クラブの入射角がその原因だと分析。そこから「上から奇麗にコンタクトする」堀の高いトップポジションをイメージしてきた。
“トップを高くする”という漠然とした意識を持つよりも、ほかの選手のスイングをイメージする方が「ちょうどいい」トップを作れるという。「こっちゃん(堀)にそれを言うと、『全然なってない』と言われます」と笑うが、木村にとって理想的な入射角を生み出せている。
さらに、先週の「リシャール・ミルチャリティペアマッチ」でペアを組んだパットの名手・谷原秀人からも助言を受けた。「『下りのパットを打ちすぎてしまう』と相談したら、『もっとボールとヘッドのスピードを合わせたほうがいい』と。私は“パチン”って打ってしまうので、『押す感じで、ゆっくりヘッドも出すほうがいいよ』など、いろいろ教えてもらいました」。
この日は5番で2メートル、17番でも難しい下りを沈めてバーディを奪った。谷原の「基本はロングパットで、ひたすらタッチを合わせる」という練習法も今週から取り入れ、「教わったことをを守れた」と成果を実感している。
3年ぶりの2勝目がかかる最終日へ。「自分と芝の戦い。ある意味、それに集中してできる。自分のやるべきことをやって、結果がついてきてくれたらいい」と意気込む。「すごく楽しみ。ワクワクしています…洋芝との戦い」。最後は強い眼差しであすを見据えた。(文・高木彩音)
<ゴルフ情報ALBA Net>
記事提供元:ゴルフ情報ALBA Net
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。