「桜井政博のゲーム作るには」最終回、制作費用やチャンネルの統計データも公開
10月22日、「桜井政博のゲーム作るには」(登録者数65万人)が「桜井政博のゲーム作るには 最終回スペシャル」を公開しました。
人気コンテンツが最終回
「桜井政博のゲーム作るには」は、ゲームクリエイター・桜井政博氏の公式YouTubeチャンネル。桜井氏はゲーム制作会社「有限会社ソラ」の代表者で、これまでに『星のカービィシリーズ』『大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ』など、数々の大人気ゲームの開発に携わったことで知られます。桜井氏の経験に基づくゲーム開発のテクニックやノウハウがふんだんに紹介される人気のチャンネルでしたが、今回で最終回となりました。
この最終回ではチャンネル立ち上げや動画制作の裏話について話されました。
実は2年半前に撮影完了!?
あるプロジェクトが終わりに近づくと次のプロジェクトの準備が始まるため、プロデューサー業には休みがないという桜井氏。しかし2年半前、偶然にもスケジュールに数カ月の空きができたそうで、「これは最初で最後かもしれないチャンス」だと思った桜井氏はチャンネル開設を決意したといいます。
そこから動画の原稿づくりを始め、今回の最終話を除くすべての原稿を書ききったそう。その後カテゴリごとに動画をまとめ撮りしていったとのことで、これまでチャンネルに投稿されてきた映像は全て2年半も前のものだったと明かしました。
全ての原稿、撮影素材、ゲーム映像素材が揃うと編集や英語版の翻訳を外部に委託し、日々の業務と並行して監修作業や動画更新をおこなっていたといいます。
これまでの動画で桜井氏は、Xが改名された後もずっとツイッターと発言していましたが、これは2年半前に撮り溜めされていためだったようです。
チャンネル運営にかかった費用は9000万円
桜井氏は動画の制作費についても明かしました。これまでにかかった費用はなんと合計9000万円。
桜井氏は「当初考えていたよりずっとかかりました」「公開時期がもし少し遅れていたら1億円を超えていた可能性もありますね」と話します。費用の内訳は、編集を委託している企業への支払いが8割ほど、残りの2割ほどが翻訳作業を委託している企業への支払いになっています。また、その他にもゲーム音楽コンサート「PRESS START」に関する動画でのコンサート映像使用料が22万円、人気ゲーム番組「ゲームセンターCX」(同63万人)とのコラボにおける貸しスタジオや2人プレイ用ゲームソフトなどに150万円がかかっているといいます。
これらの金額には、原作、脚本、出演、監修、運営をおこなう桜井氏及び有限会社ソラの費用は計上されていません。そのため9000万円を投じれば同じようなチャンネルができるわけではないとのこと。桜井氏の代わりになるような実績を持つ人を起用するとなれば、費用は莫大になりそうです。
かなりの予算をかけているこのチャンネルですが、なんと収益化はしておらず収入は0円。桜井氏は「なんてバカなことを・・・と自分でも思います」としつつも、「未来のゲームを少しでもよくするための寄付でありボランティア活動」「今後のゲーム業界に、ごくわずかにでも後押しになること、貢献できることを心から願っています」と話しました。
さまざまなデータも公開
このチャンネルに関するさまざまなデータも公開されました。これまでに日本語版・英語版でそれぞれ260本の動画が投稿され、総視聴回数は日本語版が約6260万回、英語版が約2010万回、総再生時間は日本語版が約345万時間で、英語版が約91万時間で、年換算だと498年にもなるのだとか。視聴年齢層は25~34歳が40.8パーセント、次いで18~24歳が29.9パーセント、35~44歳が16.9パーセントとなっています(いずれも日本)。このほか、視聴地域や視聴デバイスのデータも公開されています。動画の高評価率は、ほとんどが99%以上という極めて高い評価が寄せられていたそうです。
日英両言語の合計再生回数は約8270万回。これにかかった制作費用が9000万円ですので、仮に収益化をONにしていた場合、制作費用を回収するには1再生で0.92円以上の広告収入が必要だったということになります。0.92円はYouTubeの広告収入としてはかなり高い数字ですので、利益目的だった場合、運営はかなり厳しかったかもしれません。
最後に桜井氏は「私自身はいつゲーム業界から降りるか分からない年になりました。今後健康でいられる保証もありません。そんな中訪れた機会を逃さず、ゲーム1本そのものではないノウハウを残せたのは良かったのだろうと思います」「作り手も遊び手も皆様が理解を深め、よりよくゲームに、あるいは仕事に向き合えることを祈っております。今までご視聴どうもありがとうございました」と話し、動画を締めくくりました。
コメント欄では
全部決め打ちなのに誰も飽きない構成だったのも、反応がわからんのに撮影までやりきっちゃうのも、スピードも、ゲーム素材かなり自分で撮ってたのも、驚きすぎるよ
Xに改名後もずっとTwitterって呼んでたのが伏線だったとは…
費用9,000万円かけてゲームの未来のための投資として〜なんて聖人すぎませんかね、、、?
投げ銭させてほしいよ
といった声が多く寄せられています。
記事提供元:YouTubeニュース | ユーチュラ
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