【お悩み相談連載:さらば青春の光・東ブクロの『こわいもんなし』】「第一志望に受かることがすべてじゃない。第二志望でも輝ける方法を見つけることが一番大事」
酸いも甘いも噛み分けた孤高のお笑い芸人・東ブクロ(さらば青春の光)のお悩み相談連載「東ブクロの『こわいもんなし』」。
恋のお悩み、仕事のお悩み、日常のふとしたお悩み、そして性のお悩み......まで、東西南北森羅万象、どんな悩みも東ブクロがズバッと解決!!
■昔のことを覚えてる人はちょっと羨ましい【お悩みNo.77】「こいつだけは死んでも許さない」という相手っていますか?
顔も見たくない、口も聞きたくない。でもなんでもいいです。いつもやさしいブクロさんが切れる瞬間がちょっと見てみたいです。【PN:沼の猫・31歳・男性・営業】
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――「堪忍ブクロの緒」はいつ切れるのかという質問です。
基本的に怒ることはあまりないんですが、この前、腹が立ったことありました。その日は仕事が終わって、どうしてもピザを食べたくなったんです。デリバリーではなく自分で受け取りに行くと安くなるじゃないですか。仕事が終わってから電話で予約したら「15分くらいでできます」って言うから、ちょうどええわと思って車で向かいました。
――デリバリー代を節約するなんて意外と堅実です。
お店に着いて5分ぐらい待ってたらお会計になったんですが、たしか「1950円」って言われたのかな。まずお札で1000円札2枚を出したあとに50円も出そうと思って10円玉を数えたんですよね。1、2、3、4、5って。
ということは当然お釣りが100円返ってくると思いますよね。そしたら、僕が出すのをじっと待ってから、「お会計を間違えておりました」って、僕の出した10円玉5枚に加えて、さらに10円玉が3枚返ってきたんです。
ちょっと待ってくれ、なんでこのバイトさんは、俺が10円玉数えている時にそれを言わんかったんやと。気付いてたんやったら、俺が10円玉数えている時に言えばええやろって。それが家に帰るまでずっとひっかっかってました。
――意外と小さなエピソードでびっくりしました。
確かに小さいですね。せやから、こんなんもわざわざ人に言うほどのことでもないって思ったんでしょう。おそらく夫婦とかカップルは、こんな些細なことでも話題にするやないですか。僕はその場で誰か横におったら言うたかもわからんけど、わざわざ翌日誰かに言うほどのことでもない。まあいいかと思っているうちに忘れてしまうんです。
――しゃべるとすっきりするって言いますけど。
腹立った時とかはそうなんでしょう。でも、この話だって、言われて思い出したくらい。これまで誰にも話してないし、エピソードとしての完成度も低い。ということは、いずれ忘れるんでしょうね。
――昔の出来事を昨日のことのようにトークできる人もいます。
同窓会に行くと、なんであの時の話、まだそんな細かく覚えてんねんとか思いますね。そういう人ってなにが違うんやろな。あれはちょっと羨ましいですよね。
――ピザ屋の話をこれから誰かにしますか?
いやあ、しないでしょう。自分もうろ覚えになってきてるんでね。ということは大したことじゃなかったんです。時間とともに忘れてしまうのは、自分にとってどうでもいいこと。
――嫌なことは忘れたほうがいい。
そうですね。だって楽しかったことは忘れないでしょう。名前を思い出せないセフレでも、顔と体が忘れられないのは、みんな大切な思い出だからです。
【お悩みNo.78】私は現在、大学4年生で就職活動の真っ最中です。ありがたいことに内定をいただいた企業もいくつかあり、面接にも少しずつ慣れてきたかな?という手応えを感じていました。
そんな中で、ずっと第一志望だった企業を受けたのですが、残念ながら結果は不合格でした。自分の実力不足だったことは十分に分かっているつもりですが、それでもやっぱり、すごく辛くて悲しいです。
正直、「もしかしたら内定をもらえるかも」という期待と、それなりの自信があったので、第一志望の選考が終わったら就活をきっぱり終えようと考えていました。でも落ちてしまって、自信が一気になくなってしまいました。
今ある内定先に決めてしまっていいのか? 第一志望に落ちるような自分が、今の内定を本当に「勝ち取った」と言えるのか? かといって、これ以上就活を続けたからといって、納得できる企業に出会えるのか...? そんなふうに悩みながら、今もずるずる就活を続けてしまっています。
このまま内定先に決めて一歩踏み出すべきなのか、それとももう少し粘って就活を続けるべきなのか。優柔不断な自分に、喝を入れてほしいです。【PN:栗まんじゅう・21歳・学生】
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――就職内定先に納得がいかない若者からのお悩みです。
就職をしたことがない身としては、なかなか励ます言葉も出ませんが、まあ、第一志望以外の会社も「1ミリくらいは入ってもええな」と思ったから受けたんでしょう。
第一志望を全部叶える人生を送ってる人は少ないと思いますよ。第一志望って別に「一番いい」って意味やないからね。恋愛もそう。一番好きやった子と付き合える人は多くない。
――クラスの中で二番目くらいに可愛い子と付き合えたら幸せですよね。
そうそう。一番上の子と付き合いたかったな、とはどこかで思いますけど、この子が告白してきてくれたからこれでもええかって。それも縁ですし、長く付き合うこともある。大半の夫婦はそのパターンでしょう。第一志望やないから不幸かと言われたらそれは違うと思います。
――それは就職先も一緒かもしれないと。
第一志望じゃなかったけど入ったら居心地いいかもしれない。女性アナウンサーに聞くと、「私はここの会社第〇志望だったんですよ」ってみんな言いますよ。
じゃあ彼女たちが不幸かと言うたらそんなことない。相談者が受かった第二希望の企業の社長さんですら、もともとはその会社が第一志望やなかったかもしれないですから。
――ブクロさん、大学は第一志望でしたか?
いけたらええけど、行けるわけないと思って受けたので、第一志望でさえありませんでした。まあそれは置いといて、どうしても第一志望に行きたいのなら就職浪人という手段もあります。
――ブクロさんにそういう根性はある?
全然ないですね。せやから、気になる女の子に彼氏がおる場合に、ずっと待っておこうなんて考えられないですよ。でも、そうやって我慢できるタイプならそういう選択肢もありえる。それはきっと、プライドが高いんだと思います。自分に見合うのはこの子だ、この会社だって強い気持ちがあるんでしょう。
――ブクロさんはプライドは高い方ですか?
プライドと言っていいかわからないですけど、勉強してへんやつには優越感を持っていました。勉強もせんで、試験で悪い点をとって、進学や就職先に困ってるのを見て、それは自業自得やんと思ったことはあります。
できるできないはあるでしょうけど、真面目にやればなにかしらの結果は出る。やらへんやつの意味が分からんかったんです。
――この方のプライドはどうやったら守られるのでしょう。
第二志望でも輝ける方法を見つけることが一番大事でしょう。1ランク下かもしれないけど、だからこそそこではほかの人材よりも秀でていると思えばやりやすいかもしれないし、第一志望の会社を見返すチャンスもやってくるかもしれん。
"縁"って絶対にありますから。いつか第一志望にこだわってたことがアホらしくなる日が来るかもしれませんね。
●東ブクロ
1985年10月6日生まれ 大阪府茨木市出身
〇2008年に現在の相方である森田哲矢とお笑いコンビ『さらば青春の光』を結成。2017年に本名の東口宜隆から現在の芸名である東ブクロに改名した。芸能界を代表するプレイボーイとしても知られており、スキャンダルも含め多くの浮き名を流してきた。
公式YouTubeチャンネル『さらば青春の光Official Youtube Channel』
取材・文・撮影/キンマサタカ
記事提供元:週プレNEWS
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