“ゴルフは生涯スポーツ”を見せてくれる日本のシニア女子プロたち~全米シニア女子オープン~
ゴルフを愛するみなさん、こんにちは。原田香里です。今週は、元気いっぱいの日本の女子シニアの話題です。8月に行われる全米シニア女子オープンの予選が始まっています。毎年のようにこのコラムで取り上げているこの話題ですが、年々、チャレンジャーの数は増え続けています。
昨年大会で上位に入り、今年は、すでに出場権を持っている福嶋晃子さん、久保樹乃さんと合わせて、少なくとも13人の日本勢がフォックスチャペルGC(ペンシルベニア州)で8月1日から開催される本戦に臨みます。
特に日本選手の強さが際立ったのは、ワシントン州の会場でした。上位5人に日本勢の名前が並んだのです。1位の表純子さん、2位の白戸由香さん、3位の鎮西まゆみさんが本戦切符を獲得し、オルタネート(補欠)には瀬川佳世さん、乃村三枝子さん。残念ながら本戦には行けませんでしたが、久保眞美さん、島袋美幸さ、祖父江歩さんの名前もありました。
第1回大会から出場を続けている斉藤裕子さんは、今回もアリゾナ会場でトップ通過。実力を示しています。50歳以上の選手に広く出場の機会がある同大会に日本から挑戦する選手の数は、年々、本当に増えています。50歳を意識するような年齢を迎えたプロの間では、大きな話題であり、ここに出場することを目標に頑張る選手は少なくありません。
45歳から出場できる日本のレジェンズツアーもそうですが、ゴルフをエンジョイしつつ、試合という緊張感の中でプレーする姿は、とても輝いています。これほど多くの選手が挑戦するようになった背景には、やはり第1回から出場し、いい結果を出し続けている斉藤さんの影響があります。難しいコースもさらっとプレーすることからついた『サリーちゃん』のニックネーム通り、さらっとすごいことを続けているのを見て、自分の可能性を見つけようとする仲間がいる、ということなのでしょう。
今回挑んでいる人たちは、生涯スポーツと言われるゴルフの素晴らしさを見せてくれていると言っていいでしょう。本当にゴルフは若い人だけのスポーツではないのだな、と改めて感じたのは私だけではないはずです。スポーツに限ったことではありませんが、年齢を重ね、体力や集中力が落ちる中で結果を出すために努力を続けることは、想像以上に大変なことです。
私と同学年(57歳)で現役を続けるサッカー選手、三浦知良(カズ)さんは、本当にすごいと思います。しっかりとしたプレーをするための準備を整え、実際に起こることに対応する。経験も大きな支えになります。それでも、体力や筋力が衰えていくのがはっきりとわかっている中で、コツコツと努力を続けるのは、並大抵のことではないはずです。それを続けていた日本の女子プロたちが、大舞台に挑む全米シニア女子オープン。その結果を楽しみにしています。
■原田香里(はらだ・かおり)
1966年10月27日生まれ、山口県出身。名門・日大ゴルフ部で腕を磨き1989年のプロテストに合格。92年の「ミズノオープンレディスゴルフトーナメント」でツアー初優勝。93年には「日本女子プロゴルフ選手権大会」、「JLPGA明治乳業カップ年度最優秀女子プロ決定戦」勝利で公式戦2冠を達成。通算7勝。その後は日本女子プロゴルフ協会の運営に尽力し21年3月まで理事を務めた。
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