パソコン修理会社YouTuber、“PCの有償譲渡会の闇”取り上げた動画を非公開に 声震わせ「全て弊社の都合」と謝罪
パソコン修理会社が運営するYouTuberチャンネル「パソコン修理屋の豆知識」(登録者数36万人)が20日、事情により先日公開した「パソコン有償譲渡会の闇」を取り上げた動画を非公開にすると報告しました。
官公庁の払い下げ品を騙るチラシを見て「パソコンの有償譲渡会」に参加
パソコン修理屋の豆知識とは、パソコンの修理やサポートをしている株式会社アンダーアップのYouTubeチャンネルです。店長の「うえもっちゃん」が、パソコンのお役立ち情報やWindowsの操作説明、電子機器を紹介する動画を発信しています。
今月7日に公開した動画で、うえもっちゃんは自宅ポストにチラシが入っていた、某一般社団法人主催の「パソコンの有償譲渡会」に参加する様子を公開しました。
チラシでは「大企業・官公庁で機器入れ替えとなったノートパソコンをお譲りします」と大々的に宣伝されており、「初心者の方でも扱いやすい機種」として、Windows11が搭載されたパソコンが2万6000円という価格で紹介されています。しかし、どこにもCPUの情報が載っていないほか、メモリーはわずか4GB、ストレージもSSD120GBで、うえもっちゃんは「メモリーもストレージ容量も少なすぎる」と訝しみます。
動画の概要欄では
大企業や官公庁からの払い下げパソコンらしいので期待して行ったのですが、現実は散々たる物でした。この動画ではパソコン譲渡会の闇をお伝えします
と説明していました。
「信用できそうな言葉」で印象操作?「この性能でこの価格のPCは買っちゃいけない」
有償譲渡会の会場は200人以上が集まるという盛況ぶり。うえもっちゃんは「こんなに人集まるんだ」「予想以上」と驚きます。
2時間以上並んだ後、ようやく販売会場に入り、チラシに載っていた2万6000円のパソコンを発見。パソコンの世代や型番の表記がないものの、商品のPOPではCPUはセレロンと記載されています。しかし、パソコン本体に貼ってあるCPUのエンブレムシールを確認すると「第7世代のCore i3」だと判明。うえもっちゃんは「POPを作るのもいい加減やなぁ」と呆れた様子を見せます。
メモリーが4GBで、ストレージがSSD120GBのこのパソコンに、うえもっちゃんは「これから使っていくことを考慮すれば、スペック低すぎますよね」とコメント。「Windows11が入っているみたいなんですけど」「必要システム要件を満たしていません」と指摘し、購入後ストレージ空き容量が足りないなどの理由でアップデートができなくなる可能性があると懸念。「この性能でこの価格のパソコンは、買っちゃいけないって思います」と、価格に対して性能が見合っていないと意見しました。
今回の譲渡会について、うえもっちゃんは
お買い得とか、適正価格であるという感想は持ちませんでした
あまりパソコンに詳しくない人だったら、今回みたいな状況で購入してしまうのも分かるなって感じました
と、パソコン修理会社の立場からの感想を述べます。
また、チラシで大企業や官公庁からの払い下げ品をうたっていることについて「信用できそうな言葉が書いてある」と指摘。「修理保証が2年付きますよとか、互換品だけどOfficeソフトが付属していて不便なく使用できますよとか」「安心を買うために、割高感が薄れるような印象操作といいますか」「セールスがうまいなぁって感じました」と語りました。うえもっちゃんは
今後こういう催しに参加するよって方は、できるだけパソコンと詳しい人と一緒に行くか、もしくは事前に性能と相場、それを調べておくことをお勧めします
と視聴者に注意喚起しました。
この動画は、現在までに再生回数約80万回を記録。コメント欄では
「譲渡」「大企業」「官公庁」の言葉で良品安価なイメージを持たせ、低スペック中古PCを高値で売る・・・さもしく感じています
このような警鐘動画とても有益です
これからも社会の闇に切り込んでいってほしい
との声が上がっていました。
声を震わせながら配信停止を報告 視聴者から心配の声寄せられる
20日、うえもっちゃんはYouTubeチャンネルを更新し、スーツ姿で動画に登場。神妙な面持ちで視聴者に感謝を伝えると、
パソコン有償譲渡会の闇の動画は、9月23日終日をもって配信を停止します
と報告しました。
理由は「弊社の都合」だといい、「他意は一切ありません」と断言します。うえもっちゃんは、声を震わせながら詳細の説明は一切行わないと宣言し、パソコン有償譲渡会の動画の内容については今後二度と触れることはないとしました。
今度どのように問い合わせをされても、それについて取り上げることもしないとのこと。「説明不足であることは承知しています」「不誠実だと不快な感想を持つ方がいらっしゃるかもしれません」としつつ、「全て弊社の都合が招いたこと」だとして謝罪の言葉を述べました。
このただならぬ様子に、コメント欄では「最大限に言葉をオブラートに包みながら真実を特集したあの動画が、声震えながら削除予告させるなんて普通じゃない」「相当な圧力があったことは容易に想像できる…」「本当の闇だったか… 怯えてるようにしか見えないから本当にヤバいのだろうな…」など、うえもっちゃんの身を案ずる声が寄せられています。
記事提供元:YouTubeニュース | ユーチュラ
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。