【2026プロ野球】新・外国人名43名全員ガチ査定!! チームを浮上させるホンモノの"助っ人"は誰だ!?
イチオシスト
![徐若熙[ソフトバンク]25歳/台湾/前所属:台湾・味全/右投右打/【年俸】5億円/WBCではオーストラリア戦に先発し4回無失点、NPBオープン戦でも好投し開幕ローテ入り。制球○、クイック○。決め球はスプリットチェンジ【評価:A】](https://ix.aacdn.jp/ichioshi/cp_articles/img/XDKRHfRxFk/content_1_20260404084038.jpg)
徐若熙[ソフトバンク]25歳/台湾/前所属:台湾・味全/右投右打/【年俸】5億円/WBCではオーストラリア戦に先発し4回無失点、NPBオープン戦でも好投し開幕ローテ入り。制球○、クイック○。決め球はスプリットチェンジ【評価:A】
アジアの剛腕、メジャー史上最高身長選手、〝ゴリラパワー〟に〝金の卵〟。多彩な面々がそろった今年の新外国人選手43人。
長年NPB球団の強化に携わった編成マンと、現役の先乗りスコアラー(次の対戦カードの相手チームを分析する役職)がガチンコ査定します!
【「あんなでっかい人間に会ったのは初めて」】いよいよシーズンが開幕した2026年のプロ野球。今春はWBCに報道が集中したが、プロ野球12球団には育成契約や国内移籍・NPB復帰組も含め、実に43人の新外国人選手が加入した。
「近年、年俸が高騰するに従って、ひとりの選手を獲得するにも大きな決断が必要になってきています。その分、獲る側はしっかりした目を持つべきなんですよね」
そう語るのは、かつてロッテ、西武などでいわゆる「渉外担当」として外国人選手の獲得に携わり、昨年までオリックスのGM補佐や編成部プロ調査グループ長を務めていた宮田隆氏。現在はプロテクトスタンススポーツマネジメント社の取締役として国内外を問わず選手、コーチのマネジメントをサポートしている。
その宮田氏は、好選手獲得のポイントをどう考えているのか。投手については、球速や変化球よりもまずフォームに注目するという。
「要するに日本のマウンドに対応できるかどうかです。よくアメリカのマウンドは日本よりも硬いといわれますが、それだけでなく傾斜も違う。ただ、アメリカは硬さも傾斜もほぼ統一されています。
一方、日本は球場によってまちまち。その対応にかなり苦労するんです。例えば神宮、甲子園、ベルーナドームは軟らかくて傾斜が緩く〝外国人泣かせ〟とされるマウンド。逆にみずほPayPayドーム、京セラドームなどは投げやすいという声をよく聞きました」
軟らかいマウンドに対応するためには、上体に頼らず下半身を使ったフォームが求められるという。
「足場が少し違うだけで、投手の制球は乱れる。そのため外国人投手の獲得に際しては、与四球率はシビアに見ます。アメリカでコントロールが悪かった投手が、日本に来て良くなったという話は聞いたことがありませんからね」
こうした点を踏まえて、今季来日した外国人投手の注目株を見ていこう。

筆頭は、ソフトバンクの徐若熙(シュー・ルオシー)。高校時代からNPBのみならずMLB各球団も熱心にチェックしていた逸材で、3年15億円の巨額契約でソフトバンクが獲得した。
「日本人投手のような下半身を使った投球フォームでありながら、台湾人特有の柔らかで強靱な筋肉を使える。同じ150キロのストレートでも伸びが違う印象です」(パ・リーグ某球団スコアラー)
課題はスタミナだが、背番号18を与えた球団の期待は大きい。
「球速やボールの力だけでなく、制球面で評価が高い投手は、先発なら日本ハムのサウリン・ラオ、リリーフならヤクルトのヘスス・リランソ、DeNAのホセ・ルイーズ。阪神からDeNAに移籍しNPB2年目となる先発右腕ジョン・デュプランティエもこのタイプですね」(パ某球団スコアラー)

初来日組・パ投手
西武のアラン・ワイナンス、阪神のダウリ・モレッタも期待できそうだという。
「ワイナンスは米マイナー3Aで昨季12勝の先発右腕で、チェンジアップがいい。MLBのトレンドにならって、今年の初来日組はチェンジアップやナックルカーブを多用する投手が多い印象ですが、ワイナンスはその中でも低めへの制球がいい。
モレッタはパワーピッチの右腕でカットボールがいい。低めへの制球も及第点です。リリーフで活躍しそうですね」(セ・リーグ某球団スコアラー)
モレッタと同じ阪神のイーストン・ルーカスは岡田彰布前監督も「先発で活躍する」と高評価した左腕だが、一方でシビアな見方もある。
「確かに球威、球速とも一級品です。ただクイックがヘタなせいか、走者を出すと制球が甘くなる。シーズンが終わってみれば、それほどの数字を残せていないのでは」(セ某球団スコアラー)



初来日組・セ投手
ちなみに、今年の初来日組には身長2m超の右投手が4人もいる。201㎝のフォレスト・ウィットリー(巨人)、203㎝のカーソン・ラグズデール(阪神)とショーン・レイノルズ(DeNA)、そしてなんと213㎝のショーン・ジェリー(オリックス)。
![ウィットリー[巨人]28歳/アメリカ/前所属:レイズ/右投右打/【年俸】2億円/16年MLBドラフトで1巡目指名された逸材も、「ピッチングに怖さがなく、細かな制球力もない。曲がり落ちる球さえ見極められれば攻略できる」【評価:C】](https://ix.aacdn.jp/ichioshi/cp_articles/img/XDKRHfRxFk/content_7_20260404084039.jpg)
ウィットリー[巨人]28歳/アメリカ/前所属:レイズ/右投右打/【年俸】2億円/16年MLBドラフトで1巡目指名された逸材も、「ピッチングに怖さがなく、細かな制球力もない。曲がり落ちる球さえ見極められれば攻略できる」【評価:C】
岸田護監督も「あんなでっかい人間に会ったのは初めて」と仰天したジェリーは、メジャーの歴代最高身長選手。
惜しくもNPBの記録更新はならなかったが(歴代最高身長は2014年に楽天に在籍したルーク・ファンミルの216㎝)、「ホテルのシャワーは座らないと浴びられない」「(頭をぶつけてもいいように)トレーナーにヘルメットを用意してもらいます」「電球の交換は承ります」など、来日会見のトークはキレキレ。靴のサイズは34㎝で、「日本では買えないと思って1年分持ってきた」という。
ジェリー[オリックス]28歳/アメリカ/前所属:ジャイアンツ/右投右打/【年俸】1億5000万円/213㎝の超長身から安定した制球力で投げ下ろす技巧派先発右腕。顔はNHK朝ドラ『ばけばけ』出演俳優のトミー・バストウさんに激似【評価:A】
肝心の実力はどうかというと、オープン戦では3試合、計12イニングで自責点ゼロと上々の滑り出し。
「150キロ超の球速がありながら、実はシンカー、チェンジアップでゴロを稼ぐタイプ。先発ローテ入りが予想され、打者はかなりてこずりそうです」(セ某球団スコアラー)
【〝マイナーの大砲〟が成功できない理由】続いて、前出の宮田氏に外国人打者が成績を残すためのポイントを聞いてみよう。
「基本的には3点です。ひとつ目は、高めの速球が打てるか。今、米球界ではアッパー気味に振るバレルスイングが流行していますが、この打ち方だと高めのフォーシームになかなか手が出ません。NPBの日本人投手たちは近年、球速を上げて高めで勝負するケースが増えているので、ここでつまずく外国人打者が激増しているんです。
2点目は、インコースをさばけるかどうか。メジャー・マイナーを問わず、アメリカの球審はインコースのストライクをあまり取らない傾向があるので、ここを攻略する訓練をしていない選手が多いからです。
そして3点目は、外角に逃げていく変化球を我慢して振らないことができるかどうか。この3つのポイントが成否のカギを握っています」
〝3Aで30発〟といった触れ込みで来日したパワーヒッターが真価を発揮できずに帰国するのは、マイナーリーグと日本野球のスタイルの違いに対応しきれなかったケースが大半だという。
「そういった意味で、私たちは獲得対象選手のレベルを〝4A〟と称することが多い。メジャーと3Aの間くらいという意味です」
では、そんな4Aクラスの打者のうち、今年活躍が期待できそうなのは誰か?
「各球団スコアラーの評価がおしなべて高いのは、西武のアレクサンダー・カナリオと日本ハムのロドルフォ・カストロ。どちらも右打者で、内角球に対応でき、外角球をライト方向にはじき返す技術も持っている。
ホームランを30本、40本と打つタイプではありませんが、投手から見て崩しにくく、中軸を任せられるという印象です。
また、西武の林安可(リン・アンコー)はパワフルな左打者で、ツボにはまれば相当な数字を残す潜在能力を持っています。今のところ変化球に対してはもろさを感じますが、マジメでいろいろなことを吸収するメンタリティがあるようなので、日本に慣れればより怖い存在になりそうです」(セ某球団スコアラー)



初来日組・野手
セ・リーグでは中日のミゲル・サノーに注目。
「パワーはNPB全体でもトップクラスで、スイングの鋭さを見ればメジャー通算164本の実績もうなずける。ただ、膝に古傷があり、近年メジャーで活躍できなかったのもそのためだとか。再発さえしなければ好成績が期待できますが、問題はどれだけプレーできるかですね」(セ某球団スコアラー)
サノーのMLB時代の愛称は〝ゴリラ〟。ただし、来日後は春季キャンプで見せた細やかなルーティンや礼儀正しい人柄から〝丁寧なゴリラ〟と評されている。オープン戦では内角攻めに苦労しながらも12球団トップの4本塁打を放ち、ゴリラパフォーマンスを炸裂させた。
サノー[中日]32歳/ドミニカ共和国/前所属: エンゼルス(24年)右投右打/【年俸】1億5000万円/メジャー通算164本塁打の大砲で、34本塁打を放った19年に記録した151.1m弾は大谷の最長飛距離を凌駕。好きな食べ物は牛タン【評価:B】
一方、ブルージェイズに移籍した岡本和真の穴埋めを期待されている巨人のボビー・ダルベック、阪神の唯一の新外国人野手キャム・ディベイニーの評価は高くない。
「ダルベックは『低めは好きだが高めは苦手』の典型。制球ミスがなければある程度抑えられるはずです。ディベイニーはそもそも〝打撃より守備の人〟という評価での入団でしたが、その守備も前評判ほどではなさそう。スタメンに定着できるような迫力は感じられません」(パ某球団スコアラー)
前出の宮田氏が言う。
「日本の打者も同様ですが、内角のボール球を自分の中で『捨てる』ことができれば、相手バッテリーは外角で勝負せざるをえなくなる。そこを叩く。このパターンを確立した打者は結果を残せます。逆に内角を意識させられてイライラすると、外角に逃げる変化球に手を出して空振りを繰り返してしまう。
これは技術というより、性格面の話ですね。試合の映像を見るだけでも、どういう性格なのかある程度は察しがつきますが、異国にやって来て環境が変わることで、アメリカ時代とはまったく違うプレーヤーになってしまうこともあるのが難しい。
来日した外国人選手に対して、私はスタイルをチェンジしろとは言いません。ただ、アジャスト(順応)する努力はしなさいと言います。
これは投手も同じで、失敗して帰る選手の多くは結局、自分のスタイルにこだわって墓穴を掘るパターンが多い。シーズン中にフォームを変えたり、配球に対応できるような柔軟さが必要なんです」


国内移籍・NPB復帰組
そしてもうひとつ、宮田氏が投打問わずポイントとして挙げるのが「年齢」だ。
「一般的に、メジャーでの成功を諦めて日本で金を稼ぐことに切り替える時期は30歳前後といわれています。日本に骨をうずめるつもりでやってくれるのはもちろんいいのですが、この年齢の選手は修正できない欠点があったからメジャーで成功できなかったとも言えるわけです。
一方、27、28歳くらいまでだと、日本でひと皮むけたらメジャーに再挑戦できるという希望を持った選手が多い。経験上、そういった選手のほうが聞く耳を持つし、貪欲にプレーしてくれます。同じ力量なら若い選手のほうがいいというのは、日本人選手のみならず外国人選手にも当てはまることですね」
最後に、とびきり若い逸材を紹介したい。ソフトバンクが育成契約した内野手、ジョナサン・モレノだ。
「キューバの高校を卒業したばかりでまだ18歳ですが、MLB4球団からもオファーがあった。これは未発表ですが、一説には6年契約を提示してソフトバンクが獲得にこぎ着けたといわれています」(セ某球団スコアラー)

モレノは昨年9月に沖縄で開催されたU-18W杯にキューバ代表の主将として出場。ショートの守備をスカウトから高く評価され、日米での争奪戦となった。
「近年、ソフトバンクは中米に日本人スカウトを常駐させて獲得網を強化しており、ドミニカ共和国、キューバ、メキシコなどの20歳前後の好素材を育成契約で積極的に獲得している。すぐに戦力にするわけではなく、長い目で見て育てる方針です」(前出・宮田氏)


育成契約組
超即戦力から〝金の卵〟まで、多彩な選手がそろった今年の新外国人選手。強い輝きを見せるのはいったい誰だ?
取材・文/木村公一 写真/時事通信社 産経新聞社
記事提供元:週プレNEWS
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