【#佐藤優のシン世界地図探索153】壮絶なトランプの「怒りの作戦」。イラン空爆から始まったジャングルの掟
イチオシスト

世界はジャングルの掟でまわっていく。帝王はライオン・トランプ。高市幕府は女豹・高市将軍で生き残るしかない(写真:時事通信フォト)
ウクライナ戦争勃発から世界の構図は激変し、真新しい『シン世界地図』が日々、作り変えられている。この連載ではその世界地図を、作家で元外務省主任分析官、同志社大学客員教授の佐藤優氏が、オシント(OSINT Open Source INTelligence:オープンソースインテリジェンス、公開されている情報)を駆使して探索していく!
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――トランプ米大統領が始めた『壮絶な怒り作戦』による、イスラエルとの壮絶なイラン空爆。これはどうご覧になっていますか?
佐藤 臭い匂いはやはり、根源から絶たないといけない、ということでしょうね。そして、47年かけてやってきた「イランの反米勢力を根絶すること」に今回、基本的には成功したと思います。
――イラン首脳部の40人爆殺はすさまじいインパクトでした。
佐藤 CIAとモサドの合同作戦ですね。最後はやはりモサドのヒューミント、人的情報活動が決め手になりました。「いまここにいますよ」と。そして、イスラエルの戦闘機がピンポイント攻撃を担当したわけです。
――一昨年にヒズボラのトップを仕留めたときも、ピンポイントで地下壕を攻撃しましたからね。見事な瞬間集中爆撃でした。
佐藤 それも、首脳陣が一堂に会した会議で皆殺しですからね。
――1920年代のシカゴのギャングでもできなかった精度です。
佐藤 重要なのは、国際法違反などの議論がまったく意味を成さないことです。なぜなら、国際法はトランプが作れるからです。
そして、今回のことが起きしまったことにより、新しい時代が始まりました。
――どんな時代ですか?
佐藤 "ジャングルの掟"が正義の時代です。ジャングルやサバンナでは強い獣だけが勝ち残ります。しかし、その弱肉強食の世界でも、犬や猫のような動物も生きています。だから、これから我々はどういう動物を選ぶのか。そこが重要です。
――日本人は昔からモンキーですから、お猿さんとかなんですかね。
佐藤 猿だと食われてしまいます。
――なるほど、これは動物園の話ではなく、ここはジャングルもしくはサバンナ。
佐藤 ダメなのはハイエナですね。ハイエナは獲物の取り合いで、その半分ほどがライオンに殺されています。それから、シマウマやヌーも定期的に食われているからダメですよね。
――すると、ワニやカバはどうでありますか?
佐藤 ロシアがまさにカバですね。カバって結構狂暴で、水辺であればライオンより強いですからね。
――そのライオンは、地球のジャングルでいうとどこで誰なんですか?
佐藤 トランプです。
――やはり。カバはワニもぶち殺しますからね。すると、トランプは水辺に近づかないと。
佐藤 そうです。日本はヒョウが一番いいと思います。ヒョウは周囲を警戒して、ライオンがいるところには寄り付きません。ライオンに追いかけられたり何かヤバい状況になれば、木の上に登って避難します。
――走ればライオンよりヒョウは速い。
佐藤 だから、ライオンと行動や生息域が重ならないようにすればうまくいきます。そして、ヒョウはネコ科の中でも環境適応に優れています。アフリカから中東、東南アジア、そしてロシアと、世界中のいたるところに生息しているんです。適宣に気配を消しながら、ライオンと競合しないで、ちゃんと肉食獣の中に留まっている稀有な存在です。
――なるほど。高市幕府の高市早苗将軍は、女豹になれと。
佐藤 そうです。そして、カバは気が短くて怒ると怖い動物です。
――カバであるプーチンに睨(にら)まれたら、女豹の高市将軍はニコリと笑って全速で後退する。
佐藤 はい。女豹みたいな感じで立ち振る舞うのが一番いいから、うまくやっていると。
――それで、この「壮絶な怒り戦争」はいつまで続くんですか?
佐藤 イランのミサイルはあと1~2ヵ月でなくなると思います。なので、4月か5月の初め、それくらいに「ライオン」=トランプがとりあえず一方的な勝利宣言をするんじゃないでしょうか。
――「我々は勝った、勝ったに決まっている」と高らかに一方的に言い放って振り逃げならぬ「勝ち逃げ」。
佐藤 そうです。それに大枠の流れでは勝っていますしね。
――圧勝しています。ウクライナはこの戦争ジャングルの中で、どんな動物なんですか?
佐藤 ウクライナはライオンのつもりなのでしょう。しかし、実態はヤマネコくらいの力しかありません。
――なるほど。そして、カバの親分であるプーチンがやってきた。ところが、ウクライナ戦争はいまやドイツvsロシアになっている、と?
佐藤 はい。停戦には西側、特にドイツとの駆け引きが重要になります。ウクライナにその決定権はありませんから。だから、ドイツがロシアに対して譲歩しなければ、交渉はまとまりません。
――ドイツを獣に例えると何ですか?
佐藤 狼です。群れになるとかなり強いです。
――そのドイツは、今年ウクライナと共同生産した無人機1万機をウクライナ軍に納入します。ドイツはすでにウクライナ戦争の最前線に立とうとしています。
佐藤 はい。ドイツがそういう道を歩き始めたので、面倒なことが起きそうです。そして、クリミアやロシア本土にドイツ軍が入ってくるような事態になれば、ロシアはドイツに対して戦術核兵器を使用するでしょうね。
――ヤバいですね。表面では非難している英仏はざまあみろと思ってますよ。誰も文句言わないですし。
佐藤 そうなるとかなりまずいです。
――ドイツは米国から核兵器を借りられる事になっているけど、大丈夫だと思ったら実は大間違い。
佐藤 ですね。貸してくれませんよ。
――でしょうね。
佐藤 絶対にね。
――いやいや、恐ろしい時代となりましたね......。
佐藤 もう時代状況はかなり悪くなっています。
次回へ続く。次回の配信は2026年4月3日(金)予定です。
取材・文/小峯隆生
記事提供元:週プレNEWS
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