朝に決断…エース+長尺の2本携えコースへ 稲垣那奈子が“パター二刀流”
イチオシスト
<Vポイント×SMBCレディス 2日目◇21日◇紫カントリークラブ すみれコース(千葉県)◇6731ヤード・パー72>
開幕から2試合連続で予選落ち。苦悩する春を過ごしていた稲垣那奈子が、“大胆采配”で今季初となる決勝ラウンドにたどり着いた。キャディバッグには通常と長尺の2本のパターを準備。これが秘策だ。
この“パター二刀流”を決断したのは第2ラウンドの朝。きっかけは64位という結果に終わった初日のラウンドにあった。「ウーちゃんのマネなんです」。初日同組だったウー・チャイェン(台湾)がパターを2本携えラウンドしており、それが気になった。
ここまで最も頭を悩ませてきたのは、グリーン上よりもむしろショット面。ただ、「流れを悪くしていたのはパター」というのが引っかかっていた。開幕から2試合の平均パット数は、パーオンホールが『2.1538』、1ラウンド当たりも『34.2500』でともに82位。グリーンで感じるストレスがその後のショットに影響するという負のループが続いていた。「自分ひとりでは決断できなかった」とも話すが、2日目の朝に小畑貴宏キャディからの『何かしら変えないと』という言葉にも背中を押された。
エースパターは通常尺のオデッセイ『Ai-DUAL トライビーム ジェイルバード ミニ CS』。そして、急きょ、父に頼んで“懐刀”となる長尺のオデッセイ『ホワイトホット 2ボールロング』を自宅から持って来てもらった。
「大学(早大)時代のコーチが長尺を使っていて、それをいただいていたんです。グリップだけ交換して」。手元に届いたのは2日目の朝。「あまり使う機会がなかった」という3番ウッドを抜いて、2本のパターをバッグイン。いきなり長尺をコースに持っていくことができたのは、「体全体を使うように」と普段から練習で使用していたからだ。
コースではエースパターを握る稲垣の横で、小畑キャディが長尺もスタンバイしている姿が見られた。2本の“役割分担”は「入れたい距離は今までのパターで、5メートルとかタッチを合わせたい距離は長尺」。この日のラウンドでは、スタートの10番から4メートルほどのパットでいきなり長尺を握った。結果的に「2~3ホール」の使用にとどまったが、「お守りがわりですね」と精神的な安心感を生み出したようだ。
2日目は全体の平均ストロークが『76.2358』になり、とにかく耐えることが求められた日。稲垣は「74」という結果だったが、トータル6オーバーで順位は39位タイまで上がった。パット数は『33』から『27』と劇的に回復し、なんとか日曜日に滑り込み。秘策成功といえる。
ラウンド中には、こんなメリットも感じることができた。「長尺を使った後にいつものパターを握ると、いいイメージが湧いてくる。体を使うからテンポもよくなりました」。普段の練習通り、手元頼りではなく体をしっかり使って打つことを心がけることで、その後エースを握った時にも“その感覚”が残るようだ。
今後にもつながる気づきを得た一方で、こんな“デメリット”も口にする。「入れたい5メートルでも長尺だとタッチを合わせることを優先してしまった。狙いたいのに寄せちゃう」。もともと練習用として使用しているから、その影響かもしれない。
ひとつでも上の順位を狙う最終日も二刀流を駆使するか聞いてみると、「長尺のおかげでいつものパターもいい感覚が出てきているし…明日、考えます」とニッコリ。さて、その決断は? 「難しいグリーンでプレーするのはいい練習にもなる。最終日もいろいろなことを学びたいです」。シーズン開始直後の苦労は、きっと今後の試合へのいい肥しになっていくはずだ。(文・間宮輝憲)
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