「決して真似しないで」 花粉症持ちの“野食ハンターYouTuber”がスギ花粉を集めてお菓子作りに挑戦

イチオシスト
「野食ハンター茸本朗」(登録者数49万人)が3月20日、自らスギ花粉を採取して中国の伝統菓子を作る動画「スギの花粉集めてバズレシピのお菓子作る」を公開しました。スギ花粉アレルギーを持ちながらも里山で丸一日かけて花粉を集め、体を張って菓子づくりに挑んでいます。
花粉症持ちが花粉を採りに行く”危険な恋”
茸本朗は、野山や海辺で採れる食材を自ら調理して食べる「野食」を専門とするYouTuber・ライターで、アカデミックな知識と体当たりの食レポを融合させた独自のスタイルで支持を集めています。
動画は茸本が郊外の里山を訪れる場面から始まります。「本日のターゲットはズバりスギ花粉です」と宣言した茸本は、すぐさま自身がスギ花粉アレルギーであることを告白。「従いまして本当に危険な恋です」「各方面から非常に多大な“怒られ”を頂戴しておりまして」と苦笑しつつ、「決して真似なさらないよう、1mm足たりとも真似なさらないよう心よりお願い申し上げておきます」と繰り返し注意喚起を行いました。
採取方法は、花粉を蓄えたスギの枝に袋を被せ、中で叩いて花粉を落とすというもの。作業中にサングラスが花粉で曇って視界を失い、舞い散る黄色い粉を顔面に浴びながら「なんでこんなことしてんの僕?」「一瞬正気に戻った。だめだ。正気に戻ってはいけない」と自問自答する一幕もありました。
丸一日かけてまとまった量の花粉を集めた茸本は、手が黄色く染まった様子を見せながら「皆さんの鼻に入る前にね、これだけ集めることができて良かった」と語りました。
きっかけはSNSでバズった中国伝統菓子
実は茸本がスギ花粉を食材として扱うのは今回が初めてではありません。2022年3月には「花粉症治したくてスギ花粉食べてみた」と題し、採取した花粉を調理して食べるという”人体実験”動画を公開。2024年2月には「スギ花粉でジャム作ると、美味しい」で、花粉に含まれるペクチンの性質を利用してジャムを作ることに挑戦しています。
今回茸本が挑んだのは、中国の伝統菓子「松花糕」のスギ花粉バージョンです。松花糕は、本来は松の花粉を餡子と層状に重ねて固める菓子で、中国の雲南省や浙江省を中心に古くから親しまれてきました。
近年この松花糕を手作りするショート動画が大きくバズっているらしく、茸本のもとにも視聴者から「これ作ってくれ」というリクエストが多数寄せられていたといいます。
アレルギー対策で花粉を炒る独自アレンジ
調理にあたって茸本は、本来のレシピからいくつかの工程を変更しています。最大のポイントは、花粉を生のまま使うのではなく炒ったこと。「花粉アレルギーのアレルゲンって熱に弱いという話がありまして」と説明し、自身のアレルギー対策として加熱工程を加えました。炒り始めるとキッチンに立ちのぼったのは「完全にヒノキの匂い」。茸本は「食欲枠の香りで言うとジュニパーベリーの香りですね。やはり針葉樹ですから」と解説しました。
炒った花粉を水に溶くと、花粉に豊富に含まれるペクチンの作用で粘りが出てきます。これに蜂蜜を少量加え、餡子を敷いた上に流し込んで冷やし固めるという手順で成形。仕上げに蜂蜜をかけ、干した金木犀の花を振りかけて完成させました。
スギ花粉 vs 松花粉、まさかの結果
動画では比較用に市販の松花粉でも同じ菓子を作っています。松花粉は中国では栄養価の高い薬膳食材として流通しており、日本でも輸入品を購入できるとのこと。一方でスギ花粉も市販されているものの「20gで1万2000円」という価格のうえ、購入時に使用用途の確認が必要だったため、茸本は自力採取の道を選んだと語っています。
冷やし固めた結果、スギ花粉バージョンはしっかり固まったのに対し、松花粉バージョンは柔らかく崩れてしまいました。「スギ花粉のほうがうまくできたってのはちょっと発見」と茸本自身も驚きを見せています。
味の評価はさらに意外なものでした。スギ花粉の菓子を口にした茸本は「杉板の香りにわずかに金木犀の甘い香りがしますね」「美味しいですね」と好感触。針葉樹の爽やかな香りが蜂蜜や金木犀と調和し、「これは完成度が高いです」と太鼓判を押しました。「いろいろ実験してきた中でこうやって食べるのが一番うまい」とも述べています。
対する松花粉バージョンは、口に入れた瞬間「新築の香り。口ん中が新築だ」と言って顔を覆います。苦みやヤニ臭さが前面に出てしまい、「まさかの商品として売られてるマツの花粉の方がしんどいな」と予想外の結果となりました。茸本は、松花粉を加熱しなかったことや、細胞壁を破砕した「破壁」タイプを使用したことが裏目に出た可能性を分析しています。
花粉食のきっかけは「減感作療法」の発想
動画の終盤、茸本は今回の実験から得た知見を総括しました。「花粉と餡子は相性がいい」「蜂蜜との相性もいい」「花粉を食べるなら甘くするのがいい。しょっぱくするのにこの風味は合わない」と考察し、「松花粉を一回炒って餡子に練り込むと、爽やかな針葉樹の香りが乗った餡子になると思う」「ごま団子にするとか美味しいんじゃないかな。来年それしてもいいかもしんない」と次なる構想も語っています。
茸本がスギ花粉を食べ始めたそもそものきっかけは、アレルゲンを口から摂取することでアレルギー反応を弱める「減感作療法」の発想だったといいます。「花粉食ったら花粉アレルギー弱まるんじゃねえの」という着想から始まった試みは、回を重ねるうちに花粉の食材としての魅力を探求する挑戦へと変化してきたようです。
ただし茸本自身も「私医学の専門ではないので、花粉を口から摂取することがいいか悪いか分かっておりません」としたほか、「非常に多くのお医者様に怒られて今に至るんですけど」と説明。「決して真似しないでください」と動画を通じて繰り返し呼びかけており、花粉の採取で数日間鼻がズルズルになったことも報告しています。
記事提供元:YouTubeニュース | ユーチュラ
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