「プロの世界で吞み込まれないために」 デビュー戦の“逆輸入ルーキー”を支える先輩たちからの金言
イチオシスト
<Vポイント×SMBCレディス 初日◇20日◇紫カントリークラブ すみれコース(千葉県)◇6731ヤード・パー72>
10人のルーキーが出場する大会では、うち4人がプロデビュー戦を戦っている。そのひとり、22歳の横山翔亜(とあ)は「前半はハラハラなゴルフだったけど、楽しかったです」と、3オーバーという結果にも笑顔を浮かべる。
その言葉通り、10番からスタートした前半は、おはようバーディで滑り出しながら、その後の11番から4連続ボギーという荒波の幕開けになった。ここからもバーディとボギーがとも2つずつ来る浮き沈みの展開ながら、必死に地に足をつけ「楽しみにしていました」というラウンドに集中した。
東京都出身の横山は、13歳でオーストラリアに単身留学。そこで1年間を過ごすと、14歳で今度はひとり米国に渡り、フロリダ州にあるスポーツ専門校『IMGアカデミー』に入校した。大学はネバダ州にあるネバダ大ラスベガス校に推薦で入学。カレッジゴルフに熱中しながら、文武両道の生活を送っていた。昨年5月に日本に帰国し、11月に行われた最終プロテストを通過。母国でプロゴルファーになった。
このオフは、合宿などを通じ多くの先輩たちから“プロの心得”を学ぶ機会も得ることができた。ハワイでラウンドした男子の香妻陣一朗や、現在、指導を受ける森守洋コーチとの縁で“姉弟子”にあたる原江里菜、堀琴音らからの言葉は「学ぶことしかない。プロの世界で“吞み込まれないため”にいろいろと教えてもらいました」と振り返る。
そして今回のデビュー戦会場でもその支えは変わらない。緊張する表情を見た堀琴音からは『翔亜ちゃん、(雰囲気に)吞まれそうになっているよ』と背中を叩かれた。「それできちっとしないとって思いました。さすがプロですね。見抜かれていました」。同じく森氏に師事する菅沼菜々からは『自分の表現の仕方を覚えるといいよ』と“ゴルフ界のアイドル”らしい言葉もかけられたという。
青春時代を過ごした米国に、いずれはツアー選手として戻りたいという想いもある。ただ、まずは「日本で成績を残すために頑張りたい」という気持ちが強い。「アメリカで生活することの大変さはよく知っている。日本は暮らしやすいし、ご飯も美味しいし、やっぱり大好きです」。どんな困難にも立ち向かえるような実績をプロとして残し、5年後に海を渡るというのが描く青写真だ。
オフには徹底的にアライメントの修正を施した。この日のラウンドでも崩れそうになりながら持ちこたえられたのは、「オフの取り組みによって、ラウンド中に修正しながらプレーできた」から。キャディを務めるドラコンプロの小井土峡太とも息はバッチリ。周りには“チーム森”のスタッフも集まってくれた。「心強いですね」。ツアー会場でも、多くの味方に支えられている。
「アメリカでは練習グリーンにチョークで線を引いても大丈夫なんですけど、日本ではダメだったり、そういう違いも学んでいます」。初日を予選通過圏内(50位タイまで)の49位で終えた“逆輸入ルーキー”は、今後も貪欲に吸収を続けていく。(文・間宮輝憲)
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