“キューティフル”がショットインイーグルで日本で初の首位に 『優勝したら日本に来る?』の質問に出した答えは…
イチオシスト
<Vポイント×SMBCレディス 初日◇20日◇紫カントリークラブ すみれコース(千葉県)◇6731ヤード・パー72>
2アンダーで迎えた後半の14番パー4。韓国ツアー通算8勝、『キューティー』と『ビューティフル』を合わせた“キューティフル”という愛称で母国随一の人気を誇るパク・ヒョンギョンは、左ラフから残り185ヤードの2打目を4番UTで振り抜くと、グリーンに着弾したボールはそのままカップに吸い込まれた。ショットインイーグルに気づいた瞬間、ピョンピョンと飛び跳ねよろこびを爆発させる。これで一気に4アンダーまで伸ばし、単独トップに立った。
「難しいホールという印象で、とにかくパーで切り抜けようと思っていました。打った瞬間はクラブの入りが良くて、ピンに向かって飛んで行ったのでパーは獲れるかな、と。入ったのかは分からなかったけど、渡邉(彩香)選手が『入ったよ!』って。グリーンに向かって歩ている時にも、ギャラリーからの『』入ったよー』という声が聞こえました」
2アンダーや1アンダーに多くの選手がひしめくなか飛び出した値千金の一打。その後も難関の17番パー4で50センチにつけるスーパーショットを見せ、バーディを奪った。結果的に5アンダーでホールアウト。昨年の「ワールドレディスサロンパスカップ」、「ソニー日本女子プロ選手権」に続く3度目となる日本の試合で、初めてトップに立って一日を終えた。
硬くて速いグリーンはもちろん、気温8.8度の気候も強敵だった。ネックウォーマーを巻き、ポケットにはカイロを仕込んで寒さをしのいだ。そのなかでもスコアを伸ばせたのは、生命線と自負する「正確性のあるショット」が冴えたから。フェアウェイキープ率は57.1%(8/14)にとどまったが、パーオン率は72.2%(13/18)にまとめた。ここまでの2試合は8位、14位と上位で終えているが、これも「その正確性がもたらした結果だと思います」とうなずく。
まだ2日残っており、“もしも”の話になるが、今大会で優勝すれば日本ツアーの参戦権が手に入る。開幕前日には目標に掲げる韓国での通算10勝を達成したら考えたいと話していた日本参戦も、「(勝てば)もちろん早くなると思う。そのチャンスをつかめば、(日本ツアーへの)近道になる。当然、考えます」と話す。
日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)の非会員選手がツアーで優勝した場合、入会申込の期限は今年の12月31日までとなる。もちろんすぐに入会への意思を示すことも可能で、その場合は理事会の承認が得られることを前提に、最短で2週間後には会員としてプレーすることもできる。またJLPGAツアーで優勝すると、翌年いっぱいまでの出場権も与えられるが、すぐに会員になった場合でも、今季は非シード選手のため出場義務試合数は発生しない。そのため今年の出場を見送り、来年から参戦するという道も残される。
「まだ気が早い話だし、すべては仮定ですけど」と本人も前置きはするが、「この試合で優勝したら、今年は韓国で通算10勝を目指すことを最優先にし、日本で出られる試合に出る。そして、目標を達成し、来年から気持ちよく日本で参戦する」というのが基本路線と考えている。
母国では“第二のイ・ボミ”とも呼ばれ、「ツアーの先輩たちからは日本に行ったらイ・ボミのような存在になれると言われます」とも明かす。母国ツアーの広報モデルに8年連続で選ばれている“韓国ゴルフ界の顔役”が、この試合以降の選択を迫られる結末も十分に考えられる。
オフにも旅行で日本を訪れるほどの親日家は、初日のラウンド後もファンからのサイン攻めにあうなど、日本ツアーでの人気も急上昇中。開幕前夜には「力をつけるため」と、うな重にも舌鼓を打った。また、「私が好きな速いグリーンも多いし、木がたくさんある風景もリラックスできるから日本のコースの方が合っている」とも話す。ただ周囲の期待も日に日に高まりそうだが、本人はいたって冷静。「目標というより、日本のコースの雰囲気や日本人選手たちとのプレーを楽しみたい」。すべては3日間を終えた時に考えることだ。(文・間宮輝憲)
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