日本有数の映画ガイド・高橋ヨシキが『蒸発』をレビュー!
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イチオシスト
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イチオシ編集部 旬ニュース担当
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日本有数の映画ガイド・高橋ヨシキが新作映画をレビューする『高橋ヨシキのニュー・シネマ・インフェルノ』。日本の蒸発という現象に迫ったドキュメンタリー!* * *
『蒸発』評点:★2点(5点満点)
© 2024 OSSA FILM, BR, MORI FILM
「日本」をとらえたモンド的な映像が指し示すもの
『蒸発』評点:★2点(5点満点)

© 2024 OSSA FILM, BR, MORI FILM
「日本」をとらえたモンド的な映像が指し示すもの
キャッチコピーは「日本では毎年約8万人が失踪しそのうち数千人が完全に消える―」というもので、これほどの人々が毎年「蒸発」してしまうのか、と慨嘆に堪えない気持ちにさせられる。
これは日本に特有の現象なのか? といえば実はそうでもなくて、たとえばアメリカでは年間50万人以上、イギリスでも20万人以上の行方不明者が発生しており、いずれの国でもそのうち数千人が完全に姿を消してしまい発見されることはない。
借金、劣悪な勤め先からの逃走など、いくつもの「蒸発」の実例が本作では紹介されるが、このような失踪理由も当然のことながら日本に固有のものというわけではない。理由が分からないケースも同様である。
もちろん、個々の失踪が本人あるいは周囲の人々にもたらす影響は甚大だし、そこには葛藤や後悔があり絶望や希望がある。
そういう個人個人を映し出すドキュメンタリーに意義や意味があるということは言えるが、日本における「蒸発」の特異性が明確に提示されないため、全体としてモンド的なエクスプロイテーションの域を超えるものに見えない。
物珍しげにドヤ街やラブホテル街を映し出すカメラは、そのことを端的に物語っているのである。
STORY:日本では毎年約8万人が失踪し、そのうち数千人は完全に姿を消してしまう。本作では、知られざる「夜逃げ屋」の仕事や、蒸発者と残された人々の心の葛藤と和解の道のりを没入感ある映像で描き、日本特有の社会現象の実態に迫る
監督:アンドレアス・ハートマン 森あらた
上映時間:86分
全国公開中
記事提供元:週プレNEWS
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