「ダイヤモンド」の原石がゴロゴロ… 米下部1年目の石川遼が感じるレベルと向き合う“150y以内の精度”
イチオシスト
今季、米下部のコーン・フェリーツアーを主戦場とする石川遼が南米のチリから帰国後、スポンサー契約を結ぶ三井住友カードのイベントに参加。ここまでの戦いについて話を聞いた。
2013年から5年間、石川は米国のPGAツアーを主戦場としていた。来年のPGAツアー復帰を目指して、今季は米下部のコーン・フェリーツアーに身を置いている。1月に開幕してここまで5試合に出場。4試合で予選を通過し、直近の南米のチリで行われた「アスタラ チリクラシック」での26位タイがここまでの最高成績。ポイントランキングは103位という状況だ。
過去に米下部の試合に出場したことはあるが、いずれもスポット参戦。初めての本格参戦で出てきた言葉は「(平田)憲聖のすごさをまざまざと感じていますし、やりがいがあります」。昨年フル参戦してトップ5入り4回を数えるなど、年間ランキング15位でPGAツアー昇格を果たした平田を引き合いに出して、ツアーのレベルの高さを語る。
フィールドを見渡せば、34歳になった自分より10歳以上若い選手も少なくない。「磨けばダイヤモンドになるような選手たちがゴロゴロいます。どこからスーパースターが出てきてもおかしくない」。次世代のスター候補たちのポテンシャルを肌で感じている。
「1打、2打のところにすごい数の選手たちがしのぎ合っている。トップが9アンダーでも、予選カットが2アンダーとか。層が厚くてカットラインが思った以上に上がるイメージが強い」
スコアの出る大会も多いが、決して易しいわけではないとも付け加える。「ちゃんと罠がある。グリーン周りが易しいというコースは一カ所もない。ショートサイドに外したら簡単にボギーになる。みんな高い精度と攻めるメンタルがある」。技術力と攻める気持ちを持っている選手が多いからこそ、難しいコースでもスコアが伸びるということだ。
そういったフィールド、環境下で石川自身はどうだろうか。全体的にスコアが伸びる大会が多いなかで、「自分も伸ばせている日もある。去年までの自分は、難しいコースで耐えて上位に行くことが多かった。スコアが伸びるコースで伸ばせるのは、耐える力と伸ばせる力。スコアリングエリアは変わってくるので、そこも良くなってきている感覚はあります」。今季18ラウンドで5回が「67」以下と、昨年よりも伸ばせる体勢をつくれるようになったという。
向き合うテーマもある。日本にいた昨年までは「難しいホールは、割り切ってパーに徹するプレーをした」。ところが、米下部に移った今年は「基本のマネジメントは変えていないけど、よりシビアに自分の技量をわきまえている。ポジティブにもネガティブにも。『今の自分にはこれが打てない』『ここは今の自分なら打てる』と思わないといけない」。割り切ってパーに徹するプレーだけではない。
「上手くなるってことはスコアを落とさないことも当然ありますが、アグレッシブに攻められる幅の広さも大切です」
以前米国で戦っていた頃は、「140とか150ヤードくらいからでも、ピンポジションが難しすぎて、『あっ、(ピン方向に)打てないわ』と思ったことが多かった」という。日本に戻ってからは、自信を持って狙える距離を広げる取り組みをしてきた。
「今年はしっかり投影させないと、自分の現在地も分からない。試合でやりきることが今シーズンのテーマでもある。これだけやってきているのに自分を信じられず、やっぱり試合でできないというシーズンにはしたくない」。この7年で磨いた150ヤード以内の精度を、米下部のフィールドで発揮し続ける。
前戦のチリでは気づいた部分もあった。「9番アイアンを持っているんだから、この(難しい)ピンでも自分ならいける」と思って打った1打がミス。「うわ、練習不足だわ」と痛感した。難しいシチュエーションに対してミスをしたことで「練習で何をしたらいいかが分かる」と未来につながるミスととらえられた。
米下部ではバーディが欲しい150ヤード以内の距離で、逃げて安全な方に打ってパーで終わったとしても成長は感じない。「表面的にはただの『4』かもしれないけど、チャンスを逃しているという面が隠れている。1打にも満たない差だとは思いますが、その積み重ねが結局予選に届くかどうかの1打になったりすると思います」
フィールドを移した今年、あらためて150ヤード以内の精度と攻めるメンタルの必要性を感じている。好スコアが出ているときは手応えを感じる一方で、まだ発展途上のポイントもある。PGAツアー復帰への戦いは、まだ始まったばかりだ。(文・小高拓)
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