蒼井旬、初主演作で見せたリアルな素顔 「読書と映画が僕のエネルギー」
イチオシスト
地域×食×高校生をテーマにした青春映画『ぼくらのレシピ図鑑』シリーズの第4弾、東京・清瀬を舞台とした「ハローマイフレンド」(市井昌秀監督「ハルチカ」「犬も食わねどチャーリーは笑う」「台風家族」)が3月14日(土)より新宿K‘s cinemaほか全国順次公開となる。

本作には、初主演の蒼井旬をはじめ、注目の若手俳優が集結。
蒼井「孤狼の血 LEVEL2」「流浪の月」「雑魚どもよ、大志を抱け!」などで存在感を示してきた実力派。
共演には、第34回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストでファイナリストに選出、「氷室蓮司」で主人公の息子役を務めた山岡樹、“若手映像クリエイターの登竜門”であるSKIPシティ国際Dシネマ映画祭2025でスペシャル・メンションを授与された映画「お笑えない芸人」の公開を控えている村山暁、フィリピンで活躍し本作で日本デビューを果たすケンゾウ・マルティニら多彩な若手が並ぶ。
彼らが演じるのは、清瀬市の高校に通うSF映画部のメンバーたち。“凶悪”なエイリアンとの思いがけない遭遇をきっかけに、映画作りと友情を通して成長していく青春SFファンタジーが描かれる。
本作を彩る4人の若手俳優たちの素顔に迫るリレーインタビュー。
そのトップを飾るのは、主人公・本倉颯を演じた蒼井旬さん。初主演作となった「ハローマイフレンド」への想いと、俳優としての原点を語ってもらいました。

……「ハローマイフレンド」で演じた本倉颯はどんなキャラクターなのか教えてください。
SF映画を撮りたいんだけど、前回の映画を酷評されてしまって撮れなくなっている。やりたいことがあって障害があって、それを仲間の助けによって乗り越えていくという映画の教科書に載るような主人公。僕自身は思ってないんですけど、家族や友達からは、「颯とめちゃくちゃ似てる」って(笑)。
……どこが似てるんですか? 真面目そうなところとか?
いや、颯はそんな真面目じゃなくて、結構やんちゃな子なんです。どちらかというと。喋り方が似ているらしいです。
……蒼井くんは今、現役の高校生なんですよね?
はい、18歳、高校3年です。ちなみにB型です(笑)。
……そもそもこの世界に入ったきっかけは?
母親ですね。僕に、ある写真館から七五三のキッズモデルになりませんか?という話があったんですけど、それが立ち消えになって。母親はすっかりその気になっていたので、タレント事務所を探したようで。ある日、小学校から帰ったら、『明後日、事務所に面談に行くよ』みたいになっていて。その時、僕は8歳でした。何となく習い事みたいな感じで芸能活動をやってみようとなりました。一番最初に出演したのは、「ホーンテッドテンプル 顔のない男の記録」(17)という映画で、海外の監督が撮ったホラーでした。
……その後、「孤狼の血 LEVEL2」で鈴木亮平さんが演じた、強烈なヤクザの子ども時代を演じてますね。鈴木さんが演じた役がものすごくインパクトあるので、もう驚きました。
ハハハ(笑)。その後から、「雑魚どもよ、大志を抱け」(23)で映画のポスターに名前が載るようになってきて、昨年は「この夏の星を見る」(25)、「海辺へ行く道」(25)で、今年は「ハローマイフレンド」。最近は1月期の連続ドラマ、『再会』(テレビ朝日)で渡辺大知さん演じるキャラクターの高校生の時の役をやらせていただいてます。
もう後には戻れないみたいな面白さを知ってしまった

……役者をやっていこうと思った転機になったというか、原点みたいなことは何になりますか?
やっぱり、作品でいうと「雑魚どもよ、大志を抱け」です。ちょうど中学2年生のときで、同世代の俳優6人と出た作品です。これまで同世代の俳優とお芝居することがあまりなかったのですごく貴重で。ポスターに自分の名前と姿が初めて載って。東京国際映画祭のレッドカーペットも歩かせていただいて、舞台挨拶も初めてやらせていただいたんです。いろんな初体験をさせてもらって、もう後には戻れないみたいな面白さを知ってしまったんですよ。
それと、自分にとっては中学の時に最初の事務所を変えたんです。小学校から中学校に上がって、その時に出会った事務所の社長がそれまで使っていた本名を芸名に変えたほうがいいと言ってくれて。
……蒼井旬は芸名なんですね。
はい。【あ行】がいいと言ってくれて。当時、ラジオのレギュラーのお仕事をやらせてもらっていたんですけど、放送作家さんが、『いつまでも蒼い旬』、ってことで、蒼井旬になったんです。すごく気に入ってます。
……蒼井くんにとって、演じること楽しさ、面白さは?
僕は芝居に限らず、何かに夢中になれることがすごく楽しいと思っているんです。好きなものを増やして、それをお芝居に例えられるといいなと思うんです。たとえば、僕は野球が好きなんですけど、お芝居は野球に似ている。会話はキャッチボールで、相手の球を見て、グローブを出して反応しなきゃいけない。バッティングもそうで、相手の球にちゃんとミートしていかないといけない。野球以外だとバレーボール、サッカーなども好きなんですけど、それもお芝居に例えることができる。好きなものや、何かに夢中になって、それをお芝居に還元することが大切だと思っています。
……子供の頃からお芝居をしてきたのなら、学校では部活とか入っていなかったんですか?
入ってました。中学ではバレーボール部で、高校では軽音楽部でバンドを組んでギターを弾いていました。
……以前に、高校で映画づくりもしているという話をしてましたよね?
それは部活ではなくて、仲のいい友だちと自主映画を撮っています。
愛読書は三島由紀夫『金閣寺』

……高校ではどんな生徒だったんですか? たとえば、得意な科目は?
国語が好きですね。昔から。国語だけはちっと得意で。もう別格ですね。本を読むのが好きなんです。
……たとえば、どんな本を読むんですか?
小説ですね。恩田陸さんや小川哲さん、それから太宰治や三島由紀夫も好きで。今日は三島の『金閣寺』が鞄の中に入ってます。(鞄の中から、かなり読み込んだ感じでちょっとボロボロな文庫本の『金閣寺』を出してくれた)。そのほか、村上春樹も読みますよ。
……将来はどんな俳優になりたいと思ってますか?
たとえば、この俳優の名前があったら、この作品は質が保証されるという俳優さんがいらっしゃるじゃないですか。そういう俳優さんにすごく憧れますし、そういう方になりたいなと思います。めちゃくちゃかっこいいですよね。具体的にいうと、若くてもクレジットで“トメ”をやれる人っているじゃないですか。染谷将太さんとか、松田龍平さんとか。主役を含めてどんなポジションでも演じられるっていうのはめちゃくちゃかっこいいなと思っています。
……最近、どんな映画を観ましたか?
「ズートピア2」が面白かったです。実は僕、1は観てないのに。友達に勧められて観たら面白くて。それから、少し前に「リンダリンダリンダ」の4Kリマスター版を見たら、3回ぐらい、泣きました。自分が軽音楽部に入っていたからかもしれないですけど、めちゃくちゃ刺さりました。
……学校に行っていない時や、俳優の仕事をしてない時はどんなことをして過ごしてますか?
結構ダラダラしてます。本を読んだり映画館に行ったり。配信だと集中力があまり持たないので映画館に行くんです。あとは漫画を読んだり。『CHANGE THE WORLD』という演劇を題材にした漫画があって。実はいつか実写化してみたい野望があります(笑)。
……自分で?
はい、僕が主演を務めたい。佐藤健さんが「グラスハート」をやったみたいに。夢ですね。
……この4月からは?
大学に進学します。ただ、友達ができるかどうか。めっちゃ不安なんです。
……えっ⁉ 心配はなさそうに見えるけれど。
いや、怖いんですよ。
……この「ハローマイフレンド」は出演者をリレー形式でつないでいきます。次は村上陽向役の山岡樹さんです。今回の映画で、彼のここを見て欲しいというところを教えてください。
僕も含めて、映画部の4人はまだお芝居のスタイルが出来上がっていないというか。まだみなさんが知っているようなイメージが定着している俳優じゃないんです。つまりまだ色がついていない。その分、みんな真っ直ぐで、エネルギー総量がすごいんですけど。なかでも、樹君はめちゃくちゃ真っ直ぐで真っ白でかっこいいんです。実際、この映画の中では一番カッコ良くて、颯よりも主人公タイプ。だから、10年後、きっとスターになっている樹君を若い頃から追いかけたい人は、「ハローマイフレンド」を見ておいたほうがいいです。
取材・文=前田かおり
蒼井旬 プロフィール
2007年生まれ、神奈川県出身。
映画『孤狼の血LEVEL2』(21/白石和彌監督)で鈴木亮平演じるヤクザの少年時代を、『流浪の月』(22/李相日監督)で主人公の過去に影響を与える孝弘役を演じたほか、第15回TAMA映画祭最優秀作品賞受賞『雑魚どもよ、大志を抱け!』(23/足立紳監督)での好演も話題に。
近年の主な出演作は映画『においが眠るまで』(24/東かほり監督)、『あのコはだぁれ?』(24/清水崇監督)、『この夏の星を見る』(25/山元環監督)、『海辺へ行く道』(25/横浜聡子監督)、大河ドラマ「どうする家康」(23/ NHK)、藤子・F・不二雄SF短編ドラマ シーズン3「タイムマシンを作ろう」(25/ NHK)など多数出演。
【story】夏休み、少年たちに起きた青春SFファンタジー
SF映画が大好きな颯は、エイリアンの映画を撮りたいと密かに思っているが、前作を酷評されたことにより、弱気になっていた。夏休み前のある日、清瀬の森に何かが落ちてきた!本物のエイリアンに遭遇する映画部の4人。颯の幼馴染で映画好きのイケメン陽向(助監督)、陽気で頭が良いメガネ男子のボンシャン(照明担当)、ぽっちゃりマイペースで音楽好きな若水(録音担当) 、劇中映画のヒロイン真央子、雑誌モデルのセナ、真面目な委員長ユリ、元映画監督の丸ちゃん、そしてエイリアン…高校2年生の夏休み、ちょっと変わった仲間たちとの映画づくりが始まろうとしていた。
「ハローマイフレンド」
監督:市井昌秀(「ハルチカ」「台風家族」「犬も食わねどチャーリーは笑う」)
脚本:市井昌秀 木乃江祐希
出演:蒼井旬 山岡樹 村山暁 ケンゾウ・マルティニ
横溝菜帆 大友一生 小寺結花 三木彩音 安藤冶真
村松和輝 本間淳志 ステファニー・アリアン 一宮レイゼル
西堀亮(マシンガンズ) 釈由美子 萩原聖人
プロデューサー:曺明実 三谷一夫 古賀奏一郎
音楽:西山宏幸 撮影監督:関将史 録音:岸川達也 美術:野中茂樹 特殊造型:土肥良成 スタイリスト:渡部祥子 ヘアメイク:佐伯憂香 記録:黒木ひふみ 編集:木谷瑞 市井昌秀 音響効果:渋谷圭介 助監督:向田優 制作担当:新井潤 スチール:まかないひとし 宣伝:我妻詩穂子
企画:清瀬市シティプロモーション課 キネマ旬報企画 制作プロダクション:SS工房 配給・宣伝:キネマ旬報企画 製作:映画24区
©映画24区
公式HP:https://hellomyfriend.jp
公式X: @bokureci_hmf
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記事提供元:キネマ旬報WEB
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