損をしてでも人間は集団の優位性を保ってしまう「社会的アイデンティティ」とは?【社会心理学】
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イチオシスト
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損をしてでも人間は集団の優位性を保ってしまう「社会的アイデンティティ」とは
優位性を確認することで自尊心を高める
私たちは、日常生活する中で、様々な集団に属しています。いずれの場合も、集団の中での立ち位置や、所属するまでの経緯などもあり、その関わり方は複雑です。
ヨーロッパの心理学者であるヘンリ・タジフェルたちは、それらのしがらみのない集団(最小条件集団)で、内集団びいきの現象が起きるかどうかの検証を行いました。
まず、実験参加者に2枚の絵を見せ、「どちらが好きか」という基準だけでふたつのグループにわけます。参加者たちは匿名で、同じグループ内でも顔を合わせることはありません。そのため、「同じ集団である」ということ以外の情報は、一切入ってこないことになります。
そのような状況で、自分と同じ集団の人1名と、違う集団の人1名にお金(ポイント)を分配する作業を行ってもらいました。その結果、参加者たちは一貫して、内集団のメンバーのほうに多く配分したのです。しかも、内集団の利益が最大になるようにではなく、内集団の取り分が少なくなっても、外集団の利益がより少なくなるほうを選んでいました。
この結果には、人がある集団の一員として自己定義をする「社会的アイデンティティ」が関連しています。単に、内集団の取り分が多いということよりも、外集団より多く配分することにより、内集団の優位性が確認できることが重要なのです。こうすることで私たちは好ましい社会的アイデンティティを維持・高揚して自尊心を高めていると言えるでしょう。
自分と同じ集団の人をひいきする「内集団びいき」、そして、その背景にある、外集団への差別はこうして発生するのです。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 社会心理学』監修:亀田達也
記事提供元:ラブすぽ
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