「バイク用品ブランドが鈴鹿8耐で勝つ」Kaedear、2026年はSST優勝を宣言

イチオシスト

バイクのスマホホルダーやガジェットは気になるが、レースは正直よく分からない——そんな人でも「え、そこが鈴鹿8耐に出るの?」と二度見してしまうニュースが飛び込んできた。
バイク用品ブランドのKaedear(カエディア)が、鈴鹿8時間耐久ロードレース(鈴鹿8耐)への参戦体制を発表。しかも目標は“参戦”ではなく、SSTクラス優勝である。
「そんなにレースは甘くないでしょ」と思うものだが、2025年に鈴鹿8耐に初参戦し、SSTクラス※で6位という成績を残しているだ! 面白いのがその取り組み。横浜市に拠点を構えるKaedear(カエディア)は、横浜の街からレースを盛り上げようと考えている。
ちょっと気になるでしょ!!
それがどんなものなのか紹介していこう。

Kaedearの8耐参戦が「ちょっと面白い」理由

レースの世界は、速いライダーだけで勝てるほど単純ではない。
走行中のミスを減らすのはもちろん、燃料補給、タイヤ交換、修理判断、ライダー交代——それらを8時間の間に、正確に、速く回し続ける必要がある。
つまり鈴鹿8耐は、ライダーの速さに加えて「チームの総合力」がむき出しになる“長丁場のスポーツ”だ。そこへ、レース畑の企業ではなく、バイク用品ブランドが本気で飛び込む。しかも1年目で結果を残し、2年目は優勝を宣言! 昨年のレースでは一時トップを走っていたことを考えれば〝これは勝てるんじゃないか?〟と思うもの。
鈴鹿8耐を知らない人にも、そのレース魅力をここで簡単に説明しよう。

“速さ”だけじゃない。「人の勝負」が見える
「8耐って、観戦したことないし……」という人でも、鈴鹿8耐が特別視される理由はシンプルだ。
鈴鹿8耐は、サーキット上のバトルだけでなく、ピットでの作業や判断が結果を左右する。コースでライダーがコンマ数秒をつめるのは非常に難しいが、タイヤ交換ひとつ取っても、道具の工夫や動線づくりで数秒が削れる。そして数秒が、8時間の終盤にかなり効いてくる。
ライダーの力量や、バイクの速さだけではなく、そこに関わる「全ての人の勝負」だから面白い!
8時間という長さが、物語を生む
短距離レースのように「最初から最後まで全開」ではなく、ペース配分やマシン保護、転倒回避も含めて勝負が進む。うまくいっていたのに、ひとつのトラブルで流れが変わる。逆に、淡々と“崩れない”強さが勝利を引き寄せる。
レースに詳しくなくても「チームが必死に8時間を戦い抜く姿」についつい感情移入してしまうし、気がつけば8時間も経っていた、というほどにあっという間なのだ。
ゼロから8耐へ。Kaedear Racing Teamの成り立ち

Kaedearの参戦が注目されるのは、「突然の思いつき」ではなく、背景が明快だからだ。
整備士の経験から生まれた“バイカーファースト”

Kaedear代表の飯沢智博氏は、整備士として現場経験を積み、2019年にKaedearを創業。業界初の「ワイヤレス充電スマホホルダー」を企画し、Amazon販売事業者アワードを3年連続受賞するなど、プロダクトで存在感を積み上げてきた。
10ヶ月で“参戦を実現”。そして初年度から結果を出した
レース未経験ながら、石塚健選手とともに、わずか10ヶ月で鈴鹿8耐参戦を実現。
初参戦でSSTクラス6位(年間2位)を達成し、2026年はSSTクラス優勝を目標に掲げる。
“初年度から完走し、結果も残した。だから2年目の「優勝宣言」が絵空事に聞こえない”——ここが、レースに興味がない人でも気になってしまうポイントである。
2026年は「世界基準」と組む。新チーム名とRAC41の存在

2026年シーズン、チームは「Dafy-kaedear-Rac41-honda」として世界耐久選手権(EWC)にフル参戦する体制を始動する。
パートナーとなるのが、フランスの名門プライベーターRAC41である。1999年創設、2025年EWCのSSTクラス年間2位という実績を持ち、50名以上のボランティアとプロフェッショナルに支えられた結束力が強みだ。
提携の狙いは明確で、「優勝」へ向けた技術交流とチーム力の底上げ。RAC41の経験とKaedearの情熱を融合させ、SSTクラスの頂点を本気で獲りに行くという。
2026年ライダーラインアップと、鈴鹿8耐の参戦体制

2026年 RIDE LINEUP(チームの戦力)
- ジェームス・ウエストモアランド:EWC SST年間5位。BSBで10年以上活躍した実力派。
- 石塚 健:鈴鹿8耐SSTクラス優勝経験(2016年・2019年)を持つ。
- ディエゴ・ポンセ:EWC SSTで継続的に上位実績、フランス選手権でも結果を残す。
- ケビン・マンフレディ:EWC SST年間2位、欧州タイトルなど戦績も厚い。
参戦発表のトークセッションで見えた「8耐のリアル」

当日の発言では、鈴鹿8耐が“外から見るのと中に入るのとで別物”であることが繰り返し語られた。
観戦だけだと分からない。「ピットが主役になる瞬間」
初めて現場に入った側の言葉として印象的なのは、ピットの学習量と緊張感だ。レース中は状況把握が難しく、チーム内では「今、何が起きているか」を常に共有し続けなければならない。
結果として、8耐は“走る競技”であると同時に、“現場運用の競技”でもあることが浮かび上がる。
優勝の鍵は「転倒しない」「ピットを速くする」
発言の中心にあったのは、極めて現実的な2点だ。
ひとつは転倒回避。うまく進んでいた流れが、ひとつのアクシデントで崩れるのが耐久の怖さである。
もうひとつはピット作業の短縮。タイヤ交換などの作業を「速く、やりやすく」するために、道具や動線の改善に踏み込む姿勢が語られた。

横浜の街から“応援の入口”を作る。ラッピングバス&クラファン
Kaedearの面白さは、レース活動を「レース好きだけのもの」で終わらせないところにもある。
横浜の街をKaedearのラッピングバスが走ること、そしてクラウドファンディングの実施が発表された。合言葉は「優勝へのあと一歩」。応援を“見える形”にして、関わる人を増やしていく構えだ。
スポンサー募集も含め、レースを「遠い世界の出来事」から「街で触れられる話題」へ近づけようとしている。
レースに興味がなくても、これは“人の挑戦”として面白い

鈴鹿8耐が長く愛されるのは、8時間という時間の中で、速さだけでは測れない“総合力”と“ドラマ”が生まれるからである。
そしてKaedearの参戦は、バイク用品ブランドがその渦中に飛び込み、初年度から結果を出し、2年目は世界基準のパートナーとともに頂点を狙う——という、分かりやすい物語を持っている。
「バイクの世界って、まだこんな熱い挑戦が起きるんだな」
「久々に8耐を見てみようかな?」
そんな、かつてレース好きだったベテランライダーに再び8耐を見て欲しいし、レースに興味の薄かったビギナーライダーにもぜひ注目して欲しい!
レース観戦は〝推し〟がいるとグッと楽しくなる。
Kaedear Racing Teamをその〝推し〟にして、2026年の8耐を観戦しよう!!!!

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