「天国まで活躍が届くように」 ルーキー池羽陽向が誓う師匠・ジャンボ尾崎さんへの“恩返し”
イチオシスト
<マイナビチャレンジマッチ 最終日(一日競技)◇5日◇琉球ゴルフ倶楽部(沖縄)◇6411ヤード・パー72>
「普通に生活していると、まだあまり実感が湧かないんです。ジャンボさんはどこかで生きているんじゃないかなとか考えたり」
23歳の池羽陽向は、師匠との別れという深い悲しみを胸に残したまま、今年プロ1年目のシーズンを迎える。昨年12月23日、栃木県の宇都宮文星女子高在学時の2019年から指導を受けてきたジャンボこと尾崎将司さんが、S状結腸がんのため78歳でこの世を去った。恩返しへの思いは強い。
その気持ちを支えていくプレー面の話を聞くと、表情は少し明るくなる。5日に行われた今大会に出場するため、寒風吹きすさぶ地から南国・沖縄に移動。「関東は寒いし、風が強いなかのゴルフも多くて自信を失ってました。でも暖かいところでプレーしたら体も回ってくれてポジティブな気持ちも生まれて」。それは「ここまで(体が)回らないなかやっていたので、回りすぎちゃうことに気をつけたい」と心配するほどの違い。ここを機に徐々にアクセルを踏み込めそうだ。
昨年11月、6度目の挑戦にして日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)のプロテストに合格。ツアー出場の道を切り開いた。昨年のQTはファイナル進出を逃し、優先出場順位(QTランク)は190位。そのためプロ1年目の選手が出場権を持つ、下部のステップ・アップ・ツアーが今年の主戦場になる。年内にレギュラツアーに昇格するため、主催者推薦選考会などに挑み、少ないチャンスでリランキングを突破する道もあるが、池羽はまずステップで結果を残すことを今年は考えている。
「今季はQTファイナルから出場する権利が欲しい。そのためにステップで勝つか、賞金ランクトップ10を目指したいので、1年間ステップでやります。そこまで焦らなくていい。下積みで、いろんな経験がしたいです」
下部ツアーで賞金ランク1、2位の選手には、翌年のレギュラーツアー前半戦出場権が与えられる。また大会優勝者や賞金ランク3~10位に入れば、同年のQTで1次が免除される。自分がいるフィールドでしっかりと結果を残し、来年のレギュラーツアー出場権を目指すのが基本方針だ。
そのためにも準備を怠るわけにはいかない。2月末からはオーストラリアツアー4試合に出場するため、1カ月ほど日本を離れる。昨年のオフもオーストラリアでプレーし、プロテスト合格へつなげたルーティンでもある。「まだ(オーストラリアの生活には)慣れないけど、去年は楽しいと思った。今年も楽しみながらゴルフをやりたいですね」。試合勘を養いながら、4月9日に始まる今季ステップ開幕戦「YANMAR HANASAKAレディース」からのルーキーイヤーに向かっていく。
「まず今年は『ステップで勝ちました』って、(ジャンボさんに)報告しに行きたい。どこかで生きているんじゃないかと思うんですけど、ジャンボ邸に行くと会えないですし、居ないからそれが悲しい。天国まで活躍が届くように頑張りたいです」
「どっと疲れがでました」という昨年末から年始にかけては、「ずっと家に引きこもってました」と休養も挟んだ。そして1月10日頃から本格始動。もちろん練習拠点は、慣れ親しんできたジャンボ邸だ。
「ジャンボさんも私がすぐにポンポンと(上に)行くとは思ってないはずなので、今まで通り地道に、マイペースにいきたいですね」。それでも“報告に駆けつけたい”という思いは、これまで同様にモチベーションになる。40人が出場した沖縄での今季初戦は13位タイ。師匠に会うことはできないが、教わってきた言葉の数々はしっかりと胸に生きている。(文・間宮輝憲)
<ゴルフ情報ALBA Net>
記事提供元:ゴルフ情報ALBA Net
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
