知れば知るほど面白い日本と西洋の建築の違い!日本の建物の美しい曲線とは?【建築の話】
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イチオシスト
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イチオシ編集部 旬ニュース担当
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日本と西欧では曲線が違うといったら驚くかもしれません。たとえば熊本城の石垣の稜線は下にさがるほど曲がりが強くなっています。お寺の屋根もよく見ると、上と下で反り具合が違っていることがわかるでしょう。
このような曲線はヨーロッパでは見られません。なぜなら、彼らはコンパスをつかって曲線を描いたからです。直線は定規をあてて引きますから、曲線と直線はまったく別物という感覚でした。
ところが日本は違います。昔の大工さんは「たわみ尺」と呼ばれる薄く長い板を持っていました。目盛りは刻まれておらず、長さは、はかれません。
彼らはこの板の両端をつまんで力を加え、たわませて曲線を描いたのです。力の入れ加減をかえればさまざまな曲線が描け、たわませなければ直線になります。つまり日本では、曲線は直線の一部だったといえるのです。
こうした曲線は、今も至るところに存在しています。たとえば茅葺き屋根。正面から軒先を見ると直線ぽいのですが、実際は若干、弧を描いています。これは軒の両端を何センチか持ち上げるための曲線で、両サイドが垂れて見えないようにする工夫です。
寺社の手すりにも、先端にいくほど反りのキツいものがよくあります。伝統建築に見られる花頭窓も、コンパスの発想ではない曲線の一つです。
茶碗もそうですし、日本刀や薙刀も同じです。これらに魅せられる外国人が多いのは、ヨーロッパにはない曲線だからなのかもしれません。名著『日本デザイン論』(鹿島出版会)の著者・伊藤ていじは、この曲線が神社の拝殿や鳥居に垂れるしめ縄の姿に似ているところから、「縄だるみ」と命名しています。
出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 建築の話』著/スタジオワーク
記事提供元:ラブすぽ
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