元消防士YouTuber、赤坂の個室サウナ死亡事故の状況を再現 「ほんまに可哀想、こんなに苦しかったんか」

イチオシスト
「レスキューハウス」(登録者数48万人)が12月17日にYouTubeを更新し、東京・赤坂の個室サウナで発生した火災事故について、消防レスキューの視点から検証する動画を公開しました。
東京・赤坂の個室サウナで火災事故が発生
レスキューハウスは、消防の元レスキュー隊員で防災対応アドバイザーの「タイチョー」が、防災に関する知識を中心に情報を発信するチャンネルです。
事故が起きたのは12月15日。東京・赤坂の高級個室サウナ店で火災が発生し、利用していた夫婦2人が死亡しました。報道によると、サウナの扉のドアノブが内外両側とも外れていたとのこと。サウナ室内には非常用ボタンが設置されていたものの、受信盤が電源オフの状態で作動していなかったとみられています。(参考:毎日新聞)
17日の動画で、タイチョーは「なんで、非常ベルの電源が入ってないのか?」と疑問を呈する一方で、非常用ボタンは消防法の義務設備ではないと説明し、法制度上の盲点であることを指摘しました。
スタッフは、事故の背景として「スイスチーズモデル」に言及。これは、事故は一つのミスではなく、複数の防御の穴が重なったときに発生するという考え方です。火災の発生、ドアノブの破損、非常通報ボタンの不作動など、複数の要因が重なった可能性があるとし、タイチョーも「予想外のことが起きたときに、初めて命って奪われる」と話しました。
事故の状況を再現「ほんまに可哀想、こんなに苦しかったんか」
動画の後半では、タイチョー自らが実際にプライベートサウナに入り、事故当時の状況を再現。111度を超える高温の中で限界まで耐えた後に、スタッフに助けを呼ぶ実験を行います。
ところが、サウナのドアを閉めた状態では、タイチョーの叫び声は部屋の外にいるスタッフに一切届きません。タイチョーは10回ほど助けを求めたそうですが、スタッフには全く聞こえませんでした。
スタッフが心配になり戻ると、サウナの中でタイチョーが消耗しきった状態になっていました。スタッフは「ほんまにやばい!ちょっとごめんなさい」「危険でしたね、ごめんなさい」と謝罪。
検証後、タイチョーは言葉を詰まらせながら、
いやもう、こんなん可哀想やって
ほんまに可哀想、こんなに苦しかったんか
これでずっと助けを呼んでたってなると、ほんまに苦しかったよなぁって
これが何分も続いたんやで。プライベートサウナって、絶対ロウリュとか使うやろうし
とコメント。「脱水症状の初期症状」だと訴え、過酷さを伝えました。
また、タイチョーは「僕がこの状況で命を奪われるとすると、まず熱中症・脱水症状による意識消失」と述べた上で、考えられる死因として「電気器具による発火のほうが可能性あるんじゃないかな」「一酸化炭素中毒からの命を奪われてしまったっていうことが、この体験談からの考えられること」と話しました。
タイチョーは動画の締めくくりで「ただの事故で済ましていいのか?」「本当これは絶対に皆さんも同じ状況が考えられると思うから、どうしたらいいの?っていうのを感じてもらえたらと思います」「もっと過酷な状況があったと思って(ほしい)」と訴えています。
コメント欄では「どんなに苦しみながら亡くなったんだろうと思うとほんとに胸が苦しいです」「サウナに閉じ込められて絶命するなんて本当に苦しかっただろうし、
苦しい中で、お互いのことや、まだ幼い子供の事も考えただろうと…この夫婦の恐怖と無念を思うと本当に胸が苦しくなる。こんな事故は今後絶対にあってはならない」「助けての叫びが全く聞こえなくて怖すぎ…」という声が上がっています。

記事提供元:YouTubeニュース | ユーチュラ
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