史上2人目の快挙 “来季ルーキー”の20歳・倉林紅がQTトップ通過「いろんな場面で活躍できるように」
イチオシスト
<JLPGAファイナルQT 最終日◇5日◇宍戸ヒルズカントリークラブ 東コース(茨城県)◇6418ヤード・パー72>
来年の前半戦出場権をかけた戦いで“来季ルーキー”がトップ通過を果たした。11月のプロテストに合格したばかりの20歳・倉林紅(くらばやし・こう)が6バーディ・ボギーなしの「66」で回り、7打差を逆転。トータル15アンダーでリーダーボードの一番上に立った。
2002年に始まったQT。プロテスト合格年にトップ通過するのは、13年の藤田光里以来、史上2人目の快挙でもある。トップ通過したことによる特典も賞金もないが、名誉を手にした。「自信にもなります。上位で通過したいという思いもあって、そのなかで自分らしいゴルフができたのは成長」と笑顔を見せた。
最終組で回ったこの日は、13番で流れが大きく変わった。3打差まで縮まっていた首位の奥山純菜はミスが重なってトリプルボギー、2位につけていた政田夢乃はダブルボギーを喫した。対する倉林は、左横3メートルにつけるチャンス。「これを決めるか決めないかで大きく変わると思った。絶対に決めたい」と、ボール1個分だけ曲がるスライスラインを決めてバーディ。そこからさらに3つのバーディを奪い、最後は2打差をつけた。
3度目の挑戦だったプロテストは4位で合格。ファーストQT(A地区)は10位で、そしてこのファイナルQTは同コースで研修生をする兄との兄妹タッグで挑んだ。「1位で通過する自信は正直なかったですけど、35位以内に入って前半戦(フル出場権)をとる自信はすごくありました」。合格してからわずか4週間。階段を一歩ずつのぼっている。
宮城県出身で、現在も地元に拠点を構える。地元出身者でツアー優勝者がいないことは「知っています」。「トーナメントに出て活躍されている方はほかの地域に比べると少ないので、自分が前に出て、いろんな場面で活躍できるように頑張りたい」と、“宮城第1号”もこれからのプロ生活の目標になる。
来季のスケジュールは未発表だが、例年通りであれば、沖縄開催の「ダイキンオーキッドレディス」がシーズン開幕戦になる。「毎年、テレビで見ています。グリーンが硬かったり芝も特徴的。普段やっているところと違うのでそれに合わせた練習もしたい」と、3カ月後への期待も膨らんでいく。
「あまり被ることがないので、印象に残りやすいと言われて気に入っています」という『紅(こう)』の名前は、両親が「紅一点」から取って名付けた。ハキハキとした明るい笑顔を持つ20歳は、ひときわ輝く存在感で異彩を放っていく。(文・笠井あかり)
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