J2行きの最終切符を懸けたプレーオフが開幕。類似した特長同士がぶつかり合う準決勝を勝ち上がるのは?【J2昇格プレーオフ準決勝プレビュー】
イチオシスト
©F.C.OSAKA白熱のリーグ戦が終わり、いよいよJ2行きの最後のチケットを懸けた熱いバトルがスタートする。リーグ最終節から1週間後の7日(日)から明治安田J2昇格プレーオフが開幕。同日に準決勝の2試合が開催される。
先週末で終了した全38節のリーグ戦は、栃木シティの優勝で幕を閉じた。今シーズンからJリーグのステージに参戦した“新参者”ながらも開幕から安定したパフォーマンスと強さを発揮し、堂々のJ3優勝、そしてJ2昇格を成し遂げた。栃木Cにとっては、JFL、J3、J2と3年連続での昇格達成。年々、注目度を高める“新興クラブ”が、さらに上のステージでどのような戦いぶりを見せてくれるかが楽しみだ。
J2への自動昇格枠のもう一つをつかみ取ったのは、2位でフィニッシュしたヴァンラーレ八戸。昇格請負人である石﨑信弘監督が率いて4シーズン目となった今シーズンは、ハードワークと運動量を武器にライバルクラブを圧倒。シーズン半ばにはクラブ史上初の7連勝を含む13戦負けなしを記録し、首位に立つ時間も長かった。最後は栃木Cに優勝こそ譲ったが、堂々の2位フィニッシュでクラブ初のJ2昇格を勝ち取った。
そして、この2チームに次ぐ、最後の昇格枠を巡る争いが繰り広げられる。それが昨シーズンから始まったJ2昇格プレーオフである。今シーズンの準決勝はリーグ3位FC大阪vs 6位ツエーゲン金沢、4位テゲバジャーロ宮崎vs 5位鹿児島ユナイテッドの組み合わせとなった。
まずFC大阪と金沢の一戦は、手堅い展開が予想される。リーグ戦の得点数は、FC大阪が55得点、金沢が53得点とほぼ同等だが、失点数は金沢の45に対してFC大阪がリーグ2位の33と優位に立つ。引き分け時にリーグ戦上位が勝ち上がれるというレギュレーションを考えれば、FC大阪が慎重にゲームを進める可能性は十分に考えられる。スコアに動きがないまま時間が進んでいくほど、FC大阪にとっては自分たちの土俵で戦えることになるだろう。
ただし、最終節までもつれたし烈な6位争いを制して勝ち上がってきた金沢には勢いがある。前線にはシーズン12得点の土信田悠生と11得点のパトリックを擁しており、ゴールをこじ開けられるストライカーは頼りになるはず。1点勝負の展開となれば、仮にタイスコアのままゲームが終盤を迎えたとするならば、全力でゴールをもぎ取りにいくだろう。
なお、本来ならプレーオフは上位チームのホームスタジアムで開催されるが、FC大阪と金沢の一戦はスタジアム確保の関係でガイナーレ鳥取の本拠地であるAxisバードスタジアムで行われる。この“中立地”開催がどのような影響をもたらすかも気になるところだ。
もう一つのカードは、白熱必至の“九州ダービー”となった。勝点67の4位宮崎と、勝点66の5位鹿児島。リーグ戦での直接対決は鹿児島が1勝1分と勝ち越し。ただ、宮崎でのホームでは1-1の引き分けで終わっており、準決勝のレギュレーションであれば宮崎の勝ち抜けとなる。そんな両チームの特長は攻撃力。両チームの力が拮抗している中で、それがどんな展開をもたらすのか。リーグ最多タイの69得点を挙げた鹿児島に対して、宮崎もリーグ3位の61得点。一発勝負ながら撃ち合いに発展する可能性も十分に考えられる。
宮崎には25ゴールで得点王に輝いた橋本啓吾という絶対的な点取り屋がいるだけに、いかに11番に良いボールを届けられるか。反対に鹿児島は2ケタ得点者が河村慶人のみながら、彼以外に5得点以上挙げている選手が6人おり、どこからでも点を取れることが大きな強み。リーグ屈指の攻撃力を発揮したチームに勝利の女神は微笑みそうである。
準決勝を制して、J2昇格に王手をかけるのは、どの2チームか。手に汗握るゲームは、FC大阪vs金沢が14時、宮崎vs鹿児島が15時キックオフとなる。
【制作・編集:Blue Star Productions】
記事提供元:Lemino ニュース
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