「ゴルフ場外でも」緊張しっぱなし 中島啓太が振り返る米ツアー切符獲得の舞台裏
イチオシスト
<ゴルフ日本シリーズJTカップ 事前情報◇3日◇東京よみうりカントリークラブ(東京都)◇7002ヤード・パー70>
昨年大会は完全優勝に王手をかけながら最終日に力尽き4位に終わった中島啓太が、日本ツアー今季初出場を果たす。
賞金王戴冠を果たした2023年は、最終日に同じく首位タイで迎えた蟬川泰果に及ばず2位に終わり、昨年は単独首位の座を守り切れなかった。毎年優勝に手を伸ばしつつ届かない、もどかしい最終戦が続いている。
「リベンジは狙っていきたい。まずは優勝を狙える位置に進めるように頑張りたい」
今年は「ダンロップフェニックス」終了時点の世界ランキングで100位以内に入り、最終戦の出場権を獲得。当初はその資格について知らなかったというが、権利があると分かると「リベンジを兼ねて」参戦を決めた。
昨年から欧州ツアーを主戦場に世界を転戦し、2年目の今季はポイントランク14位でシーズンを終えた。有資格者を除く上位10人に与えられる、来季米国男子ツアーの出場権も手にした。
シーズン終盤は、一瞬たりとも気を抜けない日々が続いた。「毎ショットでポイントランキングが変わるようなしびれる試合だった。ゴルフ場以外でも、ずっと緊張感のある2週間を過ごした」と振り返る。悲願の米ツアー出場権を手にしたものの、「目標達成できてうれしい気持ちと、あと1カ月でシーズンが始まる焦りの半々」と素直な心境を明かした。
来年1月15日開幕の「ソニー・オープン・イン・ハワイ」が初戦となる。今大会を終えれば本格的に新シーズンへ入るが、期待と同時に一抹の不安も抱えている。
「自分に武器がない」。厳しいフィールドで戦う上で、“これだけは”と胸を張れるものが見つからないという。それはショットか、はたまたパットなのか。手探りの状態が続く中で、松山英樹のコーチを務める黒宮幹仁氏にも相談したという。
すると黒宮氏は、アマ初優勝を挙げた2021年「パナソニックオープン」でティショットにドライバーを握り続けた姿を例に挙げた。攻めのティショットが中島の魅力。そう助言を受けて、現在はティショットの練習に重点を置いている。
不安を抱えつつも、新たな環境で戦う準備は着々と進む。この4日間で米ツアーにつながる“お土産”を持ち帰りたい。(文・齊藤啓介)
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