黄金世代の畑岡奈紗と勝みなみが初2サム競演 畑岡18位、勝は18番“トリ”でまさか最下位発進
イチオシスト
<JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ 初日◇27日◇宮崎カントリークラブ(宮崎県)◇6543ヤード・パー72>
国内女子ツアーをけん引する黄金世代の始まりの2人が、初めて2サムで回った。同じ組になるのも国内ツアーでは2020年「アース・モンダミンカップ」最終日以来、実に5年ぶり。出場40人のエリートフィールドで、初日から2人1組の2サムとなる最終戦ゆえに実現した競演だった。
ともに前週は米ツアー最終戦「CMEグループ・ツアー選手権」に出場した。勝は2日前の25日に帰国したが、畑岡は帰国便の遅れなどで前日の午前にようやく宮崎に入った。練習ラウンドはインの9ホールしかできず、ぶっつけ本番だったアウトは2バーディ・2ボギーのパープレー。後半も2バーディ・2ボギーで回り、イーブンパーの18位で初日を終えた。
「みなみちゃんとは今年米ツアーでも同じ組で回っていないと思います。日本はプレーのテンポが速いので、あまり話すタイミングはなかったけど、お互い時差ぼけのなかで頑張ったと思います」
今週はキャディに、松山英樹が2024年に米ツアー通算10勝目を挙げたときバッグを担いだ田渕大賀氏を起用している。昨年2月に米国で久常涼とラウンドした際、久常と同じ岡山・作陽高出身の田渕氏と知り合い、今回のキャディを依頼した。
「キャディさんの言う通りにやりました。パットは狙いめだけを決めて、集中して打ちました」。初めて回るコース。昨年のリコーカップで同じく作陽高出身の尾関彩美悠とコンビを組んだ田渕氏に“全権委任”のパープレーに、「ホッとしたのかな。今、ちょっと眠いです」と笑った。
1バーディ・1ボギーで前半を折り返した勝は後半に乱れた。10番、12番でバーディを奪ったが、左の林に入れた13番パー5はダブルボギー、最終18番パーはティショットを右バンカーに入れるなど5オン2パットのトリプルボギーを叩き、「77」の5オーバー。まさかの最下位発進に「大変な一日でした。でも、ゴルフ的には悪くない。あすからは何とかなるでしょう」と笑って、気持ちを切り替えていた。
2人が初めて同じ組で回ったのは、高校3年生のアマチュアだった2016年10月の「スタンレーレディス」2日目だった。畑岡はその前週の「日本女子オープン」を17歳263日で制し、その年の米ツアー予選会(Qシリーズ)に挑戦して、翌年から米ツアーでのキャリアをスタートさせた。勝は14年に史上4人目のアマチュア優勝を最年少の15歳293日で達成し、高校卒業後の17年のプロテストに一発合格。日本ツアーで7勝を積み上げ、23年から主戦場を米ツアーに移した。
「アマチュアのときは私が九州で、奈紗ちゃんは関東だったので、なかなか一緒になる機会はなかったですね。接点ができたのは私がアメリカに行った、ここ3年くらいかな。でも、きょうもすごく楽しかった」
同じ1998年度生まれで、アマV後に進んだ道は違ったが、今では米ツアーで戦う“日本代表”の同士。「ダボもトリもちょっとしたミス。普通にやれば大丈夫だと思う」。まだ初日が終わったばかり。奮起を誓った勝が巻き返すことができれば、上位での競演第二幕も十分に可能だ。(文・臼杵孝志)
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