カロッツェリアカーナビのアプリ版「COCCHi」はGoogleマップより優秀なのか?
イチオシスト

スマホの普及とともに、カーナビの主役は車載機からアプリへと移り変わりました。その中でも「Googleマップ」は多くのドライバーにとって、ディスプレイオーディオで利用する定番のナビとして広く選ばれています。
そんな「ナビアプリ」市場でじわじわと存在感を強めているのが、カーエレクトロニクス大手のパイオニアが2023年9月にリリースした「COCCHi(コッチ)」。

長年「カロッツェリア」ブランドでカーナビ市場を牽引してきた同社が、その知見と技術を惜しみなく投入したとされる「コッチ」です。果たしてその実力は、王者Googleマップを超えるものなのでしょうか。
この記事では、「コッチ」の主な機能や強みを徹底解説しつつ、Googleマップとの比較を通じて、その真価に迫ります。
「コッチ」とは?カーナビの老舗が放つ本格スマホアプリ
まずは「COCCHi(コッチ)」の主な機能をご紹介します。
「道幅」まで考慮した、質の高いルート案内

Googleマップを利用していると、「なぜこんなに狭い道を?」と不安になるようなルートを案内された経験はないでしょうか。これはGoogleマップが距離や時間を優先する一方で、乗用車の車幅や車高を登録する機能がなく、ルート案内の際にも車幅と道幅があまり考慮されていないことが原因です(※注)。
一方、「コッチ」は、パイオニアが保有する膨大な走行履歴データを活用し、道路幅や信号の数、さらには交差点の曲がりやすさまで考慮した質の高いルートを提案します。
ユーザーはルート探索時に『到着が早い』『料金が安い』『道幅が広い』をはじめとする複数のルート検索方法から最適な条件を指定できます。特に「道幅が広い」ルートは、運転に不慣れな方や大きな車に乗っている方にとって心強い機能と言えるでしょう。
さらに、自身の車(乗用車、大型車など)の車幅を登録することで、より最適なルートを探索する機能も追加されています。
※注:Googleマップでは、2025年6月に海外向けとしてAI活用の『狭路回避機能』がリリースされていますが、日本では未導入です
リアルな交差点拡大図による、わかりやすい誘導
初めて通る道や複雑な都市部の交差点では、どのレーンを進めば良いか迷うことがあります。「コッチ」は、そうした場面でリアルなイラストを用いた交差点拡大図を表示し、進むべき方向やレーンをわかりやすく案内してくれます。このきめ細やかなサポートは、車載ナビで培われたパイオニアならではの強みです。
車載ディスプレイとの連携でさらに快適に
「コッチ」は月額350円の基本プラン以上で「Apple CarPlay」および「Android Auto」に対応しており、対応する車載機器のディスプレイに画面を表示し、直接操作することが可能です。
これにより、スマートフォンの画面を見続ける必要がなくなり、より安全で快適にナビを利用できます。
【詳細】「コッチ」と「Googleマップ」の違いは?
「コッチ」と「Googleマップ」の違いを以下の表にまとめました。

ルート案内画面の見た目の違い
まず、ルート案内画面の見た目の違いを比較します。Googleマップはアップにすると地図上の建物が3D表示されます。一方でコッチはあくまで二次元の地図のままです。

ルート検索及びルート案内
ルート検索性能は、実用面ではコッチの方が優れています。Googleマップでは、車幅がギリギリの市街地の細い道を延々と案内されてしまうケースがしばしば起きるためです。提示されるルートの信頼性が高い点で、コッチには明確な優位性があります。
またルート検索し、推奨ルートでドライブを始めたら「音声案内」も可能です。音声案内の精度が非常に高く、画面を見なくても案内に従うだけで目的地へ到着できます。

渋滞情報の精度
渋滞情報の精度は「Googleマップ」が大きく勝っています。NEXCO東日本がリアルタイムで発表している渋滞情報と、両アプリを見比べてみました。

Googleマップでは、渋滞箇所がオレンジ色で表示されるため、無料アプリでありながら渋滞情報の精度が非常に高い点が特徴です。一方、コッチの無料版では色の変化がなく、渋滞状況を視覚的に把握することができません。
なお、この点はコッチの有料版であればリアルタイムのVICS情報が反映されるため解消されます。つまり「無料プランでは渋滞情報の精度が不十分」というだけの話ではありますが、無料でも高精度な渋滞情報を提供するアプリが他に存在することを考えると、コッチにとっては欠点と言えるでしょう。
「コッチ」がおすすめなのはこんな人
コッチは、音声案内の精度を重視するドライバーにおすすめです。運転中にスマホのナビアプリを閲覧することに、不安を感じる方もいるでしょう。そうした方にとっては、音声だけで「画面を見なくても到着可能なレベル」である点は大きなメリットでしょう。
一方、コッチは有料版で真価を発揮するアプリとも言えます。たとえば「住宅地図オプション」をつければ、ゼンリンのデータを利用した、高性能かつ実用的な地図を利用可能。住宅街などより細かい場所を運転する人にはおすすめです。
「Googleマップ」がおすすめなのはこんな人
Googleマップは「無料のナビアプリ」で、到着予定時間などをひととおり把握したい方におすすめです。コッチの無料版はカーナビとして継続的に使うには、人を選ぶ側面も少なからずあります。無料で使えるナビアプリを求める場合、「Googleマップで十分」というケースも多いでしょう。
また車だけでなく公共交通機関や徒歩での移動も含めた総合的なナビを求める人にとってはコッチよりもニーズに適しているでしょう。
※サムネイル画像は(Image:「COCCHi」公式サイトより引用)
記事提供元:スマホライフPLUS
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