日本でもファン急増中のナタリア・グセバ 最終日の雨予報も歓迎 「チャンスが巡って来たと思って頑張りたい」
イチオシスト
<TOTYOジャパンクラシック 3日目◇8日◇瀬田ゴルフコース北コース(滋賀県)◇6616ヤード・パー72>
推しは確実に増えていた。ルーキーイヤーの昨年から2年連続出場。米ツアー2年目の22歳のナタリア・グセバがギャラリーの熱い視線を集めている。
「日本のファンはすごく温かい。女子ゴルフを愛して、サポートしてくれていると思う。今年は応援してくれる人が増えたと思うし、シーズンのなかでも素晴らしい一週間を過ごしている。アメージングよ」
後ろにまとめたブロンドの髪と、スタイル抜群のすらりと伸びた175センチの長身は、遠くからでも一目でわかる存在感を放っている。モデル級のルックスを誇るクールビューティだが、声援には人懐っこい笑顔で応える。そのギャップにもファンは心をわしづかみされている。
ロシア出身で10歳からゴルフを始め、大学は米フロリダ州のマイアミ大に進んだ。23年から米下部のエプソンツアーに出場し、同年のQスクール(予選会)を突破した。大学を休学し、大学でコーチだった日米通算13勝のパティ・リゾのサポートも得てスタートしたツアー1年目の昨年は、年間ポイントランキング26位でシードを獲得。最終戦の「CMEグループ・ツアー選手権」では7位に入った。
ちなみに米国女子ツアー(LPGA)の公式ホームページのプロフィルやリーダーボードなどの選手名の横には、出身国の国旗が必ず掲載されているが、『Natalia Guseva』の横は空白になっている。ロシアのウクライナ侵攻、過去の国家ぐるみのドーピング問題の制裁として、国としての国際大会の出場を禁じた国際オリンピック委員会(IOC)の決定に基づく措置となっている。
今季はここまで年間ポイントランキング68位。同60位までが出場できる最終戦に向けて、「ゴルフの状態はすごくいい。トップ10、トップ5に入ることができるように頑張りたい」と力を込めた。8位から出たこの日は4バーディ・3ボギーの「71」と伸ばし切れず、トータル7アンダーで10位に後退したが、1番パー5では残り230ヤードを3番ウッドでピン左6メートルに2オンしてバーディを奪取。平均270.17ヤードでドライビングディスタンス20位につける飛距離を武器に巻き返しを狙う。
パティ・リゾの影響で以前から日本に興味を持ち、「明日のラウンドが終わったら京都に行くの。日本の文化に触れるのが楽しみ」とうれしそうに話した。「彼女は私のメンター(助言者)で、アメリカでのママ。来年は一緒に日本に来たいと思っている」。好きな日本食は寿司としゃぶしゃぶ。「しゃぶしゃぶの作り方は覚えたわ」とほほ笑んだ。
朝からまとまった雨が予想される最終日。「多くの選手は雨が嫌いだと思うけど、私はイヤじゃない。逆に雨や風の日はチャンスが巡ってくると思っている」。我慢比べは大歓迎。大好きな日本での最後の一日を雨に邪魔されることなく堪能するつもりだ。(文・臼杵孝志)
<ゴルフ情報ALBA Net>
記事提供元:ゴルフ情報ALBA Net
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
