すべてが大激戦! 自動昇格、プレーオフ進出、J3残留それぞれのサバイバルレースで優位に立ってラスト3試合に向かうのは?【明治安田J3第35節プレビュー】
イチオシスト
永井 龍|ギラヴァンツ北九州 (C)GIRAVANZ最終コーナーに突入した明治安田J3リーグ。自動昇格争い、J2昇格プレーオフ争い、残留争いがそれぞれで佳境を迎える中、今節もリーグの行方を左右する注目カードが目白押しだ。
ヴァンラーレ八戸と栃木シティFCの2チームに枠は絞られたと思われた自動昇格争いが、再び混沌を極めている。首位を独走していた八戸がここに来て今シーズン初の連敗で足踏み状態に陥り、前節で勝てば首位浮上を果たせた栃木Cも敵地でFC琉球と引き分けに終わり、勝点1の獲得にとどまった。3位鹿児島ユナイテッド、4位FC大阪、5位テゲバジャーロ宮崎が迫り来る中での“ラスト4”から目が離せない。
まず八戸と栃木Cは追い上げるライバルチームより一足早く8日(土)に第35節を戦う。八戸はJ2昇格プレーオフ圏内を目指す奈良クラブのホームに乗り込み、栃木CはJ3残留に向けて必死に戦うカマタマーレ讃岐を迎え撃つ一戦となる。
首位の八戸としては絶対に3連敗は避けなければならないゲーム。ポイントはどれだけリバウンドメンタリティーを発揮できるかだ。初めて直面している逆境をしっかりと跳ね返すことができれば、いよいよクラブ史上初のJ2昇格が見えてくる。直近2試合はともに後半アディショナルタイムの失点で落としているだけに、ここまで積み上げてきたスタイルを改めて見つめ直し、勝負強さを取り戻したいところだ。
2位の栃木Cは7試合負けなし中だが、3位鹿児島が猛追しているだけに現在の4ポイント差をキープしたまま進んでいきたい。アウェイで行われた前節の琉球戦は開始10分で先制しながら逆転を許し、終了間際の同点弾で勝点1を手に帰ってきたことを考えれば、ゲーム運びの部分は見直しを図りたい。昇格レースの緊張感はJFLからJ3に上がってきた昨シーズンに経験積み。今節の結果次第では首位浮上のチャンスもある。ホームで勝って、運命の“ラスト3”につなげたい。
自動昇格争いと同様に混戦状態となっているのが、J2昇格プレーオフの最後のひと枠を巡る戦いである。現在、勝点53でプレーオフ圏内ギリギリの6位にいるのがギラヴァンツ北九州。だが、7位のツエーゲン金沢が並び、8位の奈良も勝点52で追随。さらに9位の栃木SCも勝点49と、逆転での滑り込みを狙える位置にいる。この“四つ巴”の争いからも目が離せない。
先述のとおり、奈良は土曜日開催のゲームで首位八戸をホームに迎える。ここで勝点を取ってライバルチームにプレッシャーを掛けたいところ。そのほかの3チームは9日(日)の14時キックオフのゲームに挑む。北九州は福島ユナイテッドを、栃木SCは鹿児島をホームに迎え、金沢はSC相模原とのアウェイゲームに乗り込む。次節以降に直接対決が組まれているだけに、今節の結果が終盤戦の戦い方を左右することになるだろう。
サバイバルという意味で、最も過酷な戦いを強いられるのが残留争いである。その中でも最下位のアスルクラロ沼津は、今節の結果次第では最下位決定に“王手”がかかってしまうだけに、何としても5試合ぶりの勝利を手にしたいところ。J3・JFL入れ替え戦圏内の争いを見ると、19位の讃岐が勝点31、18位の群馬が勝点34、17位のAC長野パルセイロが勝点35、16位の松本山雅が勝点36、15位の高知ユナイテッドが勝点37と、2試合で順位が入れ替わってしまうほどの大混戦である。ここからは一つの勝点はもちろん、得失点差も残留レースの行方に大きく関わってくるだけに、“勝ち方”だけではなく、“引き分け方”や“負け方”も大事になってくる。そういった部分のこだわりもしっかりと見ていきたい。
【制作・編集:Blue Star Productions】
記事提供元:Lemino ニュース
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