腰痛はねのけ7位発進 鶴岡果恋が心に秘めた1/35の意地「もう8年、早く優勝したい」
イチオシスト
<TOTYOジャパンクラシック 初日◇6日◇瀬田ゴルフコース北コース(滋賀県)◇6616ヤード・パー72>
日本で開催される唯一の米国女子ツアーには、日本ツアーから35人が出場している。出場資格は「富士通レディース」終了時のメルセデス・ランキング35位以内まで。今年は国際ツアー登録の山下美夢有、岩井千怜、竹田麗央と、右手首の手術で戦列を離れている小祝さくらの4人の枠が繰り下がり、ランキング39位の青木瀬令奈までが米ツアー勢と覇を競っている。
全員が今季のツアーをけん引するトッププロだが、そのなかで優勝経験がない選手が4人いる。そのうち下部のステップ・アップ・ツアーでも未勝利なのはひとりだけ。「そうなんですよね」と苦笑したのが、7位と好スタートを切った鶴岡果恋だ。
「やっぱりありますよ。引け目というか、そんな気持ちは。勝っていない人は誰でもそうだと思います」
湘南学院高時代は原英莉花の1年後輩で、2018年のプロテストに一発合格した。プロ8年目の今季は「大東建託・いい部屋ネットレディス」、「北海道meijiカップ」と2試合連続で2位に入った。昨季も2位は2度ある。
「この大会に出られているのだから、それなりに高いレベルではやれていると思う。どこかでチャンスをつかめたらいいなあと思うけど、停滞している。自分に自信が持てていないんです」
以前から何度も悩まされていた腰痛が、今季は再発した。9月1日に千葉で行われた「日本女子オープン」最終予選は無念の欠場。前日が最終日だった「ニトリレディス」で北海道にいたこともあり、強行軍での移動による腰への負担も考慮した苦渋の決断だった。さらに「ソニー日本女子プロ選手権」で深いラフからのショットが「とどめを刺しました」と、翌週から2試合の欠場を余儀なくされた。
「2週間、クラブを振れなかった。パットの練習でも痛くなる。靴下もはけない。日常生活にも支障をきたしていました」
病院では『筋膜炎』と診断された。復帰後も前週までの4試合で3度の予選落ち。「痛くないときを10としたら今は6くらい。ゴルフはできるけど、どうしても腰をかばってしまうので、飛距離も落ちています」と、だましだましの状態が続いていた。
万全にはほど遠いコンディションで迎えた、「海外にいるみたい」と表現した2年連続3度目の日米共催大会。インから出て14番でボギーが先にきたが、15番パー3をティショットをピン横1メートルにつけるバウンスバックですぐに取り戻した。2番、6番では2打目をピン横1メートルにつけるなど、5バーディを奪取。腰の痛みを感じさせない精度の高いショットを連発した。
「なかなかかみ合わないゴルフが続いていたけど、ここでかみ合ってくれたら最高です。きょうみたいなプレーができたら上位にはいけると思う。プロになってもう8年。早く優勝したい。この大会に優勝できたら米ツアーに行けるとか考える前に、まず1つ勝ちたいです」
これがツアー160試合目。海外メジャー覇者も出場するエリートフィールドだが、気後れはない。1/35には勝利を渇望する1/35の意地がある。(文・臼杵孝志)
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