【JMS 2025】インテリアス:ウクライナ発のソフトウェア企業、SDVを武器に日本市場へ本格参入
            イチオシスト
        ウクライナ発のソフトウェア企業IntelliasがJMSに初出展。欧州で培ったSDVの知見を武器に、日本のモビリティ産業の未来に貢献する。
「Japan Mobility Show 2025」に、ウクライナ発のグローバルソフトウェアエンジニアリング企業、Intellias(インテリアス)が初出展した。2002年の設立以来、欧州の自動車メーカーを中心にソフトウェア開発で貢献してきた同社が、満を持して日本市場への本格参入を果たす。ソフトウェアがクルマの価値を定義する「SDV(Software Defined Vehicle)」時代が本格化する中、同社は日本のモビリティ産業にどのような価値をもたらすのか。インテリアス ジャパンでモビリティ事業を統括する丹野貴文氏と、モビリティ事業のデリバリーを担当するオレキサンドル オドゥハ上級副社長に話を聞いた。
なぜ今、日本市場なのか? 欧州で培ったSDVの知見を武器に
Intelliasは、2002年にウクライナで設立されたグローバルカンパニーである。現在ではヨーロッパのウクライナやポーランドのほか、北米、インド、そして昨年にはエジプトにも拠点を設け、世界で3,200名以上の専門家を擁する企業へと成長した。自動車関連の事業が全体の約半分を占めるが、金融、不動産、教育、医療、エネルギーなど、その事業領域は多岐にわたる。
今回がJapan Mobility Show初出展となる同社は、昨年日本法人を登記し、2025年から本格的な活動を開始したという。日本市場への参入理由について、丹野氏は次のように語る。
丹野氏「私たちは、欧州マーケットでカーメーカー様のSDV(ソフトウェア定義型車両)開発にソフトウェアで貢献してきた経験があります。世界的にSDVへの需要が急増する中、日本のOEMやティア1サプライヤー様にも私たちの知見で貢献できると考え、日本市場への進出を決定しました。私たちのビジネスモデルは製品を売るのではなく、あくまでソフトウェア開発やコンサルティングといったサービスを提供することです」
同社の強みは、20年以上にわたる豊富な経験と、それを支える質の高いエンジニアリング力にある。
丹野氏「当社はウクライナ発祥ということもあり、エンジニアの定着率が非常に高いのが特徴です。そのため、長い経験を持った質の高いエンジニアを多く擁しています。これが私たちの強みの一つです」
「軽く、早く」― 実機デモで示すソフトウェアの真価
Intelliasのブース(東7ホール・E7202)で特に目を引いたのが、同社の技術力を示すデモンストレーションだ。これは、B2B向けに同社の開発能力をアピールすることを目的としている。
オドゥハ氏「クラスターディスプレイのデモでは、速度やナビゲーション、車両の挙動、そしてスマート音声制御などを体験いただけます。このデモの珍しい点は、PCベースではなく、実際に車で使われるマイコンを含む最新のハードウェアと、私たちが開発したソフトウェアを組み合わせて、実車相当の環境を実現していることです」
このデモは、同社のコア技術を雄弁に物語っている。それは、ソフトウェアを「軽く、早くする」ことだ。
丹野氏「例えば、ドライバーがウィンカーを操作してから、その映像がカメラに表示されるまでの時間差(ラグ)を極限まで削るなど、高完成度でダイレクトな応答性を追求しています。ユーザー体験を何よりも重視しているからです」
SDVの先に見据えるMaaSへの貢献
日本市場での活動はまだ始まったばかりだが、Intelliasは明確な未来像を描いている。
丹野氏「まずは、日本のカーメーカー様のSDV開発に貢献することが一番の目標です。そしてその先には、MaaS(Mobility as a Service)の分野にも事業を広げていきたいと考えています」
MaaSは、様々な交通手段をITでシームレスに結びつけ、移動の利便性を高める概念だ。Intelliasが持つ多様な産業でのソフトウェア開発経験は、交通と他のサービスを連携させるMaaSの分野で大きな強みとなりうる。
ソフトウェアが自動車産業の競争力の源泉となる時代、Intelliasのようなグローバルな専門家集団の参入は、日本のモビリティの未来をさらに加速させる起爆剤となるかもしれない。同社の日本での挑戦は、まだ始まったばかりだ。
400号記念:UK400マイルロードトリップ/フェラーリ F80/フェラーリハイパーカー:トップギア・ジャパン 069
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