「2勝したことも奇跡」 年間ランク2位、神谷そらが“女王争い”を意識しない理由とは?
イチオシスト
<樋口久子 三菱電機レディス 2日日◇1日◇武蔵丘ゴルフコース(埼玉県)◇6690ヤード・パー72>
年間女王争いで2番手につける神谷そらが、じわじわと順位を上げてきた。首位と2打差の7位タイから出たこの日、6バーディ・1ボギーの「67」で回り、首位の後藤未有と2打差の3位に。メルセデス・ランキング(以下MR)1位の佐久間朱莉とともに最終組に入り、直接対決となる。
2日続けて60台を並べ、今季3勝目も見える位置にいる神谷だが、「よく完走しましたって感じです」と表情は明るくない。
佐久間が優勝した先週の「マスターズGCレディス」では、左足痛のため第1ラウンド途中で棄権。病院で検査をして左足首の神経系の痛みと分かり、治療とケアに専念し、1週間ほどクラブを握っていなかった。足の痛みはひいたが「クラブを握っていなかったので、ショットやアプローチの感触がよくないんです。振れない分飛距離も出ていなくて」と思ったような球は打てていないという。
それでもスコアメイクできているのは、「感覚が残っていたパッティング」。初日は3~4mのバーディパットを4発沈め、同じような距離のパーパットも沈めるなど、大きく貢献した。この日は初日ほど入らなかったそうだが、パー5で3つ伸ばすなど、悪いながらもベストの状態を尽くしている。
今季2勝を挙げる神谷は、2位4回、3位2回、4位3回と勝てなくても優勝争いに絡む試合は多い。MRは佐久間と約541ポイント差ながら2位につけている。残り5試合となり、年間女王獲得に向けて、少しでも差を縮めたいところだが「…あまりそういう意識はないんです」と話す。
先週のケガの影響だけでなく、近い将来に米国で活躍するためのレベルアップ策として、今季はドローからフェード系に球筋を変えるなど、スイング改造を行っている。「まだやりたい動きの30%ぐらいしかできていないので…。2勝したことも奇跡と思っています。年間女王なんて考えられる状態ではないんです。目の前のことに必死です」というのが正直なところだ。
最終日最終組に入り、今季3勝目も狙える位置につけるが、「完走することが目標です。ほんとに目の前の試合で必死ですので」。そうはいいながら今季ここまでの成績を残しているのは事実。この肩の力が抜けた状態が、思わぬ結果を招くのかも知れない。(文・小高拓)
<ゴルフ情報ALBA Net>
記事提供元:ゴルフ情報ALBA Net
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
