グランプリは「海に眠るダイヤモンド」「スロウトレイン」松坂桃李、杉咲花ら登壇:東京ドラマアウォード2025 授賞式
イチオシスト
「東京ドラマアウォード2025」授賞式に、受賞した松坂桃李、奈緒 、角田晃広、杉咲花ら俳優陣、スタッフ陣が登壇。作品賞グランプリは、連続ドラマ部門「海に眠るダイヤモンド」、単発ドラマ部分「スロウトレイン」(ともにTBS系)が受賞。テレ東のドラマは、SNSでも大きな盛り上がりを見せた松本まりか主演「夫の家庭を壊すまで」が、作品賞・連続ドラマ部門の優秀賞を受賞した。
2025年、最も優秀なテレビドラマに選ばれたのは?
「東京ドラマアウォード」は、 “世界に見せたい日本のドラマ”というコンセプトのもと、世界水準で海外に売れる可能性が高い優秀なテレビドラマを表彰。司会は、三谷幸喜、有働由実子が担当。登場時に華麗なダンスを披露、主題歌賞発表前にはかつてのドラマ主題歌でハーモニーを聴かせるなど、会場を笑いとともに盛り上げた。
俳優陣の個人賞と、受賞コメントは以下の通り。
主演男優賞は、松坂桃李(「御上先生」/TBS系)。文化省のエリート“官僚”兼“教師”が、権力に侵された日本教育をぶっ壊し、教育のあるべき姿を模索していく“大逆転教育再生ストーリー”。
「このドラマは、プロデュ―サー飯田和孝さんの“今までにない学園ドラマを作りたい”という熱い思いから始まり、そこから今回脚本賞を受賞された詩森ろばさんの脚本のもと、飯田さんの熱い思いに共感したスタッフ、キャストが集まったものです。実は、今日、別の受賞式『MPTE AWARDS 2025』(撮影の優れた技術を顕彰)で『御上先生』の撮影部の皆さんが受賞されたのがすごく嬉しくて。そして、この作品でこのような賞がいただけたのも本当にうれしくて。これをかみしめながら、また次の作品に精進して参ります」
主演女優賞は、奈緒(「東京サラダボウル」/NHK)。漫画「クロサギ」の黒丸による新作「東京サラダボウルー国際捜査事件簿―」を映像化。外国人居住者の方たちの暮らしや人生に光を当て、そこに向き合う刑事と通訳人の目線で、異国で生きる葛藤に出会っていく物語。
「このドラマは大好きなスタッフの皆さんと素晴らしいキャストのみなさん、そして舞台が国際捜査係という設定なので海を渡って海外からもたくさんのキャストの方が参加してくださいました。初めて日本に来るという仲間もいて一緒にみんなで作っていったドラマだったのですが、日本の撮影現場を初めて知って“とてもとても幸せだった”と言って帰っていった姿が今でも忘れられません。このドラマで演じた警察官・鴻田麻里は、自分の目で見たものを信じる、そしていろんなボーダーを勇気を持って越えていく人でした。私自身、役者としてはもちろん一人の人間として自分で見たものを信じ、“あれ?信じてみたけどちょっと間違えたかな?”と思う時は一歩後ろに下がって素直に日々を生きていきたいと思います」
助演男優賞は、角田晃広(「ホットスポット」/日本テレビ系)。バカリズム脚本、富士山麓のとある町に地球外生命体が潜んでいた⁉という地方系エイリアン・ヒューマンコメディ。
「東京03という3人組でコントをやっているのですが、今回はそこで培ったことを全て活かすことができたという現場でして。活かせましたね~。活かせました、はい。脚本が何度も一緒にコントをやってきたバカリズムだったということに他ならないんですけれども、“壮大なコントのつもりでやっていい”ということでしたので、そのつもりでやらせていただきました。共演者、スタッフの皆さん、そして主演の市川実日子さんが、宇宙人が出て来るというドラマに強くリアリティを持たせてくれて、本当に評判のいいドラマに仕上がったと思います」
助演女優賞は、杉咲花 (「海に眠るダイヤモンド」/TBS系)。神木隆之介主演、高度計再成長期の石炭産業で躍進した長崎県・端島と、現代の東京を舞台にした70年にわたる愛と友情、そして家族の壮大な物語。
「10代の頃からお世話になってきた塚原あゆ子監督と新井順子プロデュ―サーと、ずっとご一緒したかった野木亜紀子さんと、本当に素晴らしいチームの皆様とご一緒できただけでも幸せなことなのに、こんなに素敵な賞をいただけて嬉しく思っています。昨年度の授賞式を自宅から見守っていて、大切な仲間たちの栄光を誇らしく思うのと同時に、同じ空気を味わいたかったなという気持ちもあって。その翌日に、このドラマの大切なシーンの撮影があったりして。そんな日々を今は愛おしく思っています。“評価っていうのは何なんだろうと、時に中毒になりそうになったりして怖くもあるんですが、この仕事を続けていたら付き纏うであろうそういう気持ちを程よい距離を保ちながら、コツコツ続けていけたらと思います」
作品賞グランプリ<単発ドラマ部門>は、2025年正月に放送された新春スペシャルドラマ「スロウトレイン」(TBS系)。主演・松たか子×脚本・野木亜紀子、共演は多部未華子、松坂桃李、星野源、チュ・ジョンヒョクら実力派俳優陣が集結した、“家族の在り方”を描く新時代のホームドラマ。
演出の土井裕泰は、「2025年のホームドラマを作りたいという気持ちで作りました。登場人物の家族の抱えている人生の選択や生きにくさみたいなものは、今、世界中の人たちに通じるものだろうなと思います。鎌倉に住んでいる渋谷家の人たち、この家族を通じて、この先、時代を描けることがたくさんあると思いますので、何年先か、また会えるかなと思います。続きを作りたいなと思うのが僕たちの願いです」と続編への意欲を。
作品賞グランプリ<単発ドラマ部門>は、「海に眠るダイヤモンド」(TBS系)。単発ドラマ・連続ドラマともにグランプリを受賞した脚本家・野木亜紀子は、「時代物であり、舞台は長崎県・端島であり…ということで、ゼロから相当長い時間をかけて調べたり取材をして作りましたが、結局、脚本は設計図にすぎない。紙の上文字を、実際に存在しない島をどうやって絵にするか…それはスタッフ、キャストも総力戦で、みんな大変な思いをして苦労をして作ったのですが、苦労って視聴者には全く関係なく、出来た作品が届くかどうかで。どんなに苦労しても報われるのは難しい中、こうした賞をいただけたのは嬉しいです」と作品作りの知られざる苦労と喜びを語った。
テレ東のドラマは、「夫の家庭を壊すまで」が作品賞<連続ドラマ部門>の優秀賞を受賞。松本まりか主演で、15年にも渡り不倫を続け“もう1つの家庭を持っていた”夫への、痛快無比なサレ妻のリベンジ。テレ東ドラマ史上、驚異的な見逃し配信数を記録し、松本まりかの怪演をマネしてSNSにアップする 「#松本まりかチャレンジ」もブームになるなど、大きな話題を呼んだ。
テレビ東京プロデューサーの祖父江里奈は「このオドロオドロしい感じのドラマが支持される日本人のメンタルがどうなってしまったんだろうと思ったのですが、視聴者の皆様がいろいろな楽しみ方をしてくれた作品でもありました」と。主演の松本が仕事で東南アジアに行った際、現地の方から「ドラマ観たよ」と声をかけられたそうで、演出の上田迅は「不倫、復讐ドラマが量産されている中で世界に届くドラマが作れたことは誇らしいことだと思っています」と受賞を喜んだ。
この他、優秀賞「波うららかに、めおと日和」(フジテレビ系)から芳根京子、本田響矢、ローカル・ドラマ賞 「ススキノ・インターン~マーケ学生ユキナの、スナック立て直し記~」(北海道テレビ放送)から加藤小夏も登壇。
司会の三谷幸喜が脚本を手掛けた『三谷幸喜「おい、太宰」』(WOWOW)も優秀賞を受賞。さらに、日本のドラマ界に大きな功績を残した故・西田敏行には特別賞が贈られた。
「東京ドラマアウォード」は今回を持って19年間の歴史に幕を下ろし、来年からは「エランドール賞」と統合して同賞に新たなアウォードを創設する。
<東京ドラマアウォード2025 受賞作品・受賞者>
作品賞<連続ドラマ部門>
グランプリ 『海に眠るダイヤモンド』TBSテレビ
優秀賞『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』日本放送協会
優秀賞 『東京サラダボウル』日本放送協会
優秀賞 『ホットスポット』日本テレビ放送網
優秀賞 『御上先生』TBSテレビ
優秀賞 『夫の家庭を壊すまで』テレビ東京
優秀賞 『波うららかに、めおと日和』フジテレビジョン
優秀賞 『ゴールデンカムイ ―北海道刺青囚人争奪編―』WOWOW
作品賞<単発ドラマ部門>
グランプリ 『スロウトレイン』TBSテレビ
優秀賞『新・暴れん坊将軍』テレビ朝日
優秀賞 『三谷幸喜「おい、太宰」』WOWOW
ローカル・ドラマ賞 『ススキノ・インターン~マーケ学生ユキナの、スナック立て直し記~』北海道テレビ放送
『迷子のわたしは、諦めることもうまくいかない』中京テレビ放送
個人賞
主演男優賞 松坂桃李 『御上先生』(TBSテレビ)
主演女優賞 奈緒 『東京サラダボウル』(日本放送協会)
助演男優賞 角田晃広 『ホットスポット』(日本テレビ放送網)
助演女優賞 杉咲 花 『海に眠るダイヤモンド』(TBSテレビ)
脚本賞 詩森ろば 『御上先生』(TBSテレビ)
演出賞 塚原あゆ子 『海に眠るダイヤモンド』(TBSテレビ)
主題歌賞 King Gnu『ねっこ』(「海に眠るダイヤモンド」(TBSテレビ)主題歌)
特別賞 故・西田敏行(俳優)
記事提供元:テレ東プラス
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