敵将も脱帽した19歳のスーパーゴールなど2発で広島が先勝!【2025 JリーグYBCルヴァンカッププライムラウンド準決勝第1戦】
2025 JリーグYBCルヴァンカッププライムラウンド準決勝第1戦の2試合が10月8日(水)に開催。横浜FC対サンフレッチェ広島のカードは、広島が19歳中島洋太朗と中野就斗の超ロングシュートで 2-0と先勝した。

平日開催ながら、8,600人以上が駆けつけた注目の一戦は、試合前から水色と紫色に染まる両ゴール裏の声援が響く。
ホームの横浜FCは3-4-2-1のフォーメーション。攻撃陣にはワントップに櫻川ソロモン、2シャドーに窪田稜とルキアンが並んだ。対する広島も同じく3-4-2-1を採用。シャドーの一角にはコンディション不良でFIFA U-20ワールドカップを辞退した中島洋太朗がスタメンに名を連ねた。
試合は、お互い見合うかのように落ち着いた立ち上がりとなった。
ホームの横浜FCはワントップの櫻川ソロモンを起点に攻撃を組み立てる。DFラインからロングボールを使い、ターゲットマンの櫻川がボールを収めて攻撃を展開。広島は塩谷司、荒木隼人、佐々木翔という経験豊富な3バックを中心に安定した守備を披露し、ボランチの田中聡を中心にセカンドボールを回収してチャンスの目を摘んでいく。
お互いが決定機を作り出せない中、先に試合を動かしたのはアウェイの広島だった。
前半33分、塩谷のフィードに反応した中島がペナルティエリア内でボールを収めると、そこから鋭いターンで相手DFをかわして縦に持ち出し、角度のないところから左足で巧みにニアを突いて先制ゴールを決めた。
この一撃を両軍の指揮官が称賛した。広島のミヒャエル スキッベ監督が「才能が存分に発揮されたゴール」と称えれば、横浜FCの三浦文丈監督は「(伊藤)槙人がついていた中で、角度のないところからあのコースに打って決め切った。(中島が)うまかった」と脱帽。当初はU-20日本代表のメンバーとして、チリで開催されているU-20W杯に参加予定だったが、直前のコンディション不良で参加辞退。悔しさを抱いてさらなる成長を期した19歳の若武者が、大一番で圧巻のゴールを披露した。


1点を追う横浜FCはハーフタイムにルキアンから鈴木武蔵へ交代。後半14分にも新保海鈴に変えて山根永遠、窪田に代えてアダイウトンと攻撃的なカードを切って戦況を変えに行く。
だが、それでも広島の攻勢は止まらない。後半24分、中盤で山田康太からボールを奪取してカウンターを発動させると、最後は前田直輝が頭で合わせてネットを揺らす。しかし、これはVARのサポートが入り、山田康太へファールがあったとして得点取り消しとなった。
そして1-0で推移した後半39分、広島がスーパーゴールで追加点を挙げる。
横浜FCのGK市川暉記が飛び出してクリアしたボールを佐々木が拾い、左サイドの中野就斗へつなぐ。これをハーフウェーライン付近で受け取った中野が思い切りよく右足を一閃。「(シュートの)強さをとにかく意識した」という超ロングシュートが市川の頭上を越え、ゴールに吸い込まれた。瞬時の状況把握と判断、そしてキック力が凝縮された追加点だった。
この2点目で勝負あり。初戦で2点のアドバンテージを手にした広島が決勝進出に大きく前進した。試合後、スキッベ監督は「我々らしい良いサッカーができた」と総括。第2戦に向けて「高い集中力を維持して、我々のサッカーを体現したい」と意気込みを語った。
一方、横浜FCの三浦監督は「前節(明治安田J1第33節アビスパ福岡戦)は入り方が悪かったが、その反省を活かして試合の入り方自体は非常に良かった」と一定の評価をしつつ、「ボックス付近での落ち着きが足りなかった」と課題を説明。2点を追いかける次戦に向けては「まだまだ我々はやれる自信がある。まだ1試合終わっただけ。チャンスはあるので絶対に諦めない」と第2戦での逆転を誓った。
第2戦はエディオンピースウイング広島で10月12日(日)15時キックオフ予定。果たしてファイナルへの切符を手にするのはどちらになるのか。
[試合結果]
横浜FC 0-2 サンフレッチェ広島
[得点者]
・横浜FC
─
・広島
前半33分 中島洋太朗
後半39分 中野就斗
[他会場の結果]川崎フロンターレ 3-1 柏レイソル
【制作・編集:Blue Star Productions】
記事提供元:Lemino ニュース
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