「藤本タツキ 17-26」8作品の個別ビジュアル&監督陣のコメント公開
『ファイアパンチ』『チェンソーマン』『ルックバック』を生んだ漫画家・藤本タツキが17歳から26歳までに描いた短編8作品を、6つのスタジオ(ZEXCS、ラパントラック、GRAPH77、100studio、スタジオカフカ、P.A.WORKS)×7名の監督によりアニメ化。「藤本タツキ 17-26」として、10月17日(金)より国内主要都市の劇場で2週間限定上映する(11月8日(土)よりPrime Videoで配信)。8作品の個別ビジュアルならびに監督陣のコメントが到着した。
「藤本タツキ 17-26」を構成する8作品は、人類が滅亡した世界で生き残った2人の絆を描く「庭には二羽ニワトリがいた。」、思春期の衝動が炸裂する「佐々木くんが銃弾止めた」、恋心が宇宙規模で暴走するSFラブコメ「恋は盲目」、ネジの外れた殺し屋少女の暴走愛を描く「シカク」、海中のピアノが奏でる少年と人魚の恋物語「人魚ラプソディ」、ジェンダーの枠を超えて“自分らしさ”を見つける「目が覚めたら女の子になっていた病」、過酷な宿命を背負った兄妹の再生の物語「予言のナユタ」、絵に懸ける姉妹の嫉妬・葛藤・成長を描く「妹の姉」となる。それぞれのカラーを楽しみたい。
〈コメント〉
「庭には二羽ニワトリがいた。」長屋誠志郎 監督
藤本タツキ先生のデビュー作ですが、後の作品に繋がるようなエッセンスが各所に感じられます。初期衝動が炸裂しているので、その濃度を薄めないことに注力しました。結果的に、スタッフの皆さんの素晴らしい仕事ぶりによってそれは実現できたと思います!作画、色彩、背景、撮影、音響、編集、すべてのセクションで、いかにその衝動を映像作品として表現できるか尽力していただきました。物語としては、ユウトとアミの関係性はもちろん、陽平と萌美の淡い恋模様の行く末にも注目してお楽しみください!
「佐々木くんが銃弾止めた」木村延景 監督
本作では、原作が持つ魅力的な登場人物のパッションをアニメーションでどう膨らませるか、さまざまな工夫をしました。感情がぶつかる場面では、舞台俳優の方々に原作を読み込んでもらい、実写で芝居を一度撮影。その映像を下敷きに、作画・演出チェック、作画監督の監修を経て、タイミングやポーズ、表情をアニメーション芝居として最適化し、映像に落とし込みました。さらに、色彩・美術・撮影・CG・音響・音楽まで各セクションで独自の魅力を追求し、作品を完成させました。
「恋は盲目」武内宣之 監督
卒業したら海外の大学に行くという人望のない生徒会長の青年が、後輩に告白をする一大事感!キャラクター達の立ったままでほとんど移動のない会話劇なのですが、作品全体を覆うスピード感!描かれた絵から受けたピュアな熱量感!クールに徹底された構成感!! はじめてこの作品を読ませていただいた時に感じたそんなイメージを、ストレートに演出したつもりです。視聴してくださる皆様、アニメの伊吹とユリのそんな姿に注目して観て頂けると嬉しいかぎりです。
「シカク」安藤尚也 監督
『シカク』を初めて読んだときに、バイオレンスでダークでカオスなのに、この二人なんかかわいいな…と感じ、皆さんにもその感覚を味わってもらいたく映像に出力したつもりです。シカクはどんなことをして今まで生きてきたのだろう。どんなものが好きなんだろう。そう考えていくと、殺し屋という部分以外は案外普通の女子なんですよね。普通のマンションで、普通の女子の部屋なんだけど、その辺に銃が散らかってるみたいな…そんな感じでシカクとかユゲルの住んでる場所とかは、いろいろとこだわりの詰まった空間になりました。あと原作の最後に書いてありましたけど藤本タツキ先生は39度の熱があるときにこれを描いたらしいです。鬼才ですよね。皆さんもあまり深いことは考えず、感じるがままに見てください。
「人魚ラプソディ」渡邉徹明 監督
とある人に渡邉徹明には普通のアニメは作れないみたいな事を言われて、なにくそと作った作品です。普通って何なんでしょうね(笑) 僕は人魚ではなく、魚が食べたいです。
「目が覚めたら女の子になっていた病」寺澤和晃 監督
コンピレーション形式での短編ということで、映像表現の幅を広げて画面作りにとりくみました。小物や背景の描写も色々と遊びが散りばめられていますので、よかったら色々見つけてもらえたら嬉しいです。また、先生が当時描かれていた時期から、作品内での時代設定も平成にしてみました。個人的に、藤本先生の作品と平成J-POPの相性が最高だと思っていたので、そちらも楽しんでいただけたら幸いです。
「予言のナユタ」渡邉徹明 監督
とある人に渡邉徹明は個性的なアニメを作れないと言われて、なにくそと作った作品です。僕もナユタは好きなキャラクターです。(ケンジくんも好きやで)血・飛・沫。切断眼球ゥ~。
「妹の姉」本間修 監督
今回、作品内で使うクロッキーを描くにあたって、高校時代に使っていたデッサン道具を引っ張り出してきました。蓋を開けた瞬間に漂ってきた鉛筆や練りゴムの匂いは、当時のままで──。焦りや楽しさ、悔しさといった、あの頃の純粋な感情が一気に蘇ってきました。『妹の姉』という作品は、そんな誰にでもある懐かしい気持ちを思い出させてくれる、そんな力のある作品になっていると思います。今回の企画で公開される8作品のうち、最後の1作となりますが、ぜひ最後までご覧いただけたら嬉しいです。
「藤本タツキ 17-26」
原作:藤本タツキ『藤本タツキ短編集 17-21』『藤本タツキ短編集 22‐26』(集英社ジャンプコミックス刊)
制作統括:FLAGSHIP LINE
製作:「藤本タツキ 17-26」製作委員会
配給:エイベックス・ピクチャーズ
©藤本タツキ/集英社・「藤本タツキ 17-26」製作委員会
公式サイト:https://fujimototatsuki17-26.com
記事提供元:キネマ旬報WEB
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。