不変のセッティングで挑む日本決戦 松山英樹は“直線”フェースが好み?
<ベイカレントクラシック Presented by LEXUS 事前情報◇8日◇横浜CC(日本)◇7315ヤード・パー71>
米国男子ツアー唯一の日本大会「ベイカレントクラシック Presented by LEXUS」に出場する松山英樹。そのセッティングについて、松山のクラブを担当するダンロップの宮野敏一氏に話を聞いた。
全体的に大きな変更点は見当たらない。今季開幕戦「ザ・セントリー」で優勝した際には、スリクソンの『ZX5 MkII LSプロト』を使用していたが、その後は現行モデルの『ZXi LS』を使い続けている。
3番ウッドはテーラーメイドの『Qi10』、5番ウッドはコブラの『ラッドスピードツアー』と、おなじみの構成だ。さらに、代名詞とも言えるグラファイトデザインの『ツアーAD DI』も不変。なお、3番アイアンにはスリクソンの『ZXi5』を入れており、これは5番ウッドの代わりとして使い分けている。
他社メーカーのシャフトも常にテストしているものの、最終的にはDIに戻ってくるという。なぜこのシャフトを選び続けるのか。その理由は一つではないが、とりわけ「DIは形状が細く、しなりが合ってタイミングが取りやすい」ことが挙げられる。
また、日本ツアーはもちろん、米ツアーでもほとんど見かけない重量級のドライバーシャフトを使用している。さまざまな重量帯を試しているが、「一番パフォーマンスが高い。軽いとちょっと飛ばない」とのこと。松山にとってこの重量帯は、現状の最適解となっている。
アイアンも引き続きスリクソンの『Z-フォージドII』を使用。市販モデルではソール前後を削った“山型”ソールが特徴的だが、松山仕様はフラットなソール形状となっている。宮野氏によると、山型ソールでは松山にとって「やさしすぎる」そうで、「シビアなボールコンタクトをやっていきたい」という意図から、フラット形状を選択しているという。
アイアンシャフトはトゥルーテンパーの『ダイナミックゴールド S400』で、60°のウェッジのみ『ダイナミックゴールド X100』を装着。タイガー・ウッズ(米国)など、多くの選手はアイアンにX100、ウェッジにS400を入れるが、松山はその逆だ。重量がわずかに重い方をアイアンシャフトに採用している点も興味深い。今シーズンに入り、その重量帯を入れ替えるテストをしたというが、最終的には慣れ親しんだセッティングに落ち着くという。
アイアンの見え方については「直線に見えるような雰囲気を作っている」と語る。ウッドを見ても、フェース面のトゥからヒールにかけて丸みを持たせたバルジ形状ではなく、直線的なフェースアングルを採用しているのが特徴的だ。
撮影した火曜日には、スコッティキャメロンの『クラフツマン』をベースにしたプロトタイプパターを使用していたが、本戦ではエースパターに戻す可能性もある。
火曜日の公式会見では「昨年でZOZO チャンピオンシップが終わってしまいましたが、こうしてまた日本で試合ができることがうれしいです」と話した松山。練習ラウンドから笑顔を見せ、リラックスした様子で調整を重ねている。(文・齊藤啓介)
【松山英樹のセッティング】
1W:スリクソン ZXi LS(9.5°/ツアーAD DI-8 TX)
3W:テーラーメイド Qi10(15°)
5W:コブラ ラッドスピードツアー(19°/ツアーAD DI-10 TX)
4-9I:スリクソン Z-フォージドll(DG ツアーイシュー S400)
46・52・56°:クリーブランド RTX 4 フォージド プロト(DGツアーイシュー S400)
60°:クリーブランド RTX 4 フォージド プロト(DGツアーイシュー X100)
PT:スコッティ・キャメロン クラフツマン ツアープロト
BALL:スリクソン Z-STAR XV
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